ナカミチのPA302Sというアンプですが、これは一度人の手に掛かって部品交換したアンプです。入手してすぐに壊れたのです。これを修理して自分なりの知識でリニューアルしているのですが、その途中でアンプの確認システムを構築したりエフェクターを修理したりとかやってきました。
電源部の修理に関しては以前のブログを読んでください。
で、今どうなっているの? ですが、
回路を解析して弄っているのですが、ヘッドフォンで問題ないことが確認できたので一旦報告します。
・コンデンサーは交換してあったものを一部(BPコンデンサ)を除いて全て取り外し
・コンデンサーは適材適所を考慮して新たにセレクトしました
・電源平滑部はオーディオ用ではなく純粋に電源用低ESR品・長寿命品を調べて、複数のお店で購入
・スイッチング一次側は、車に接続した時点でバッテリー電圧が印加されますので、そのコンデンサは低ESRかつ温度105°C、寿命1万時間品としました。許容リップル電流が高く発熱しにくいコンデンサです。
例えば、ニッケミのKZ〇シリーズですね。
※コンデンサーはリップルにて温度が上昇して寿命が短くなりますので、リモートオンでパルスが発生した時のリップルを少なくするのが課題
・スイッチング二次側の電源部は2段階平滑となってます。低ESRかつ5000時間と1万時間品をセレクト。
・保護回路などのコントロール用もまぁ良いもので揃えました。
・アンプ部も全て105℃で出来るだけ長寿命品でそろえました。
・オーディオ用は2000時間が精いっぱいですのでそれはそれで割り切る
・電源部はニッケミを主に使い、オーディオ部はニチコンが主です。
・平滑回路の容量と高さの関係で2種類混合しています。高さの制限があるので探すのが大変です。平滑関係のコンデンサはまだ振動防止の基板接着はしてません。
・パスコンはオシロスコープで確認しながらいちいち半田付けして確認(アンプ個体で変わるので) 測定用のTP(テストポイント)を半田で色々つけましたから基板の半田はまだ汚いです。決まりましたら再半田します。
一次側はトランスの近くのパターンにパスコンを接続すると効果が無かったので離れたここに付けました。リップルは若干減りました。色々つけても変わらないので最小限です。
3300μFのコンデンサーとパラでは効果なしでした。
オペアンプを交換できるようにしてあるのですが、元々の電圧が19Vありますので抵抗とツェナーを交換されているのです。改造は̟±12Vにしてありましたので±15Vに変更しました。ツェナーと抵抗を変更しました。変更の変更です。
ほとんどのオーディオ用オペアンプは定格電圧±15Vです。
もしオペアンプを変更したいならこの改造は必須です。
元々は19V近くあります。最大電圧のギリギリかオーバー気味です。
このオペアンプの電源の終端点のパスコンでかなりリップルが減りました。
パスコンは今のところ積層セラミックで10μF/50Vですが、発振等必要になれば追加します。オペアンプの定電源回路のGNDがRCAライン入力側になってましたので、パスコンのアースは、電源(ケース)のGNDではなく入力側としました。何処をオシロで測定するかで変わるのですが、このアンプのオペアンプの定電圧電源のアースと同じにしました。これで問題があれば調査・対処します。
このアンプはスピーカーのマイナス側は電源のGNDと同位です。入力のRCAピンのマイナスとケースのGNDとは電位が異なります。
カップリングは元々はEROというものですが、WIMAというものと交換しましたが、あとでパターンを見てみますと2.2μFをパラで接続されているのです。最近気づいて今のところEROとWIMAの混合です。
オペアンプですが、最初はTIのOPA2604のDIP変換したものにしましたが、後にNSのLME49860にして、結局現在はBBのOPA2134としています。
オペアンプいくつか交換
パスコンを取り付けたら全体の発熱が減りました。アイドルで消費電流2.2A近くでしたが、2A以下になりました。コンデンサの発熱の影響でしょうか? で、ほんの少しアイドル電流を増やしました。
オペアンプ交換は基板全体を外さないといけないので、手間がかかります。
ある程度良いもの(相性が良いもの)に交換したらそのままでしょう。
オシロで方形波形の過渡応答でのなまり具合をみましたら、凄くないんですよ。
ナカミチだから凄いだろうという先入観はありますが。
正弦波は100kHz以上なまりはありません。減衰しますけどね。
調整がまだ良くないのかもしれませんが、方形波で10kHzでなまりが出だします。
オーバーシュートやリンギングは無いので全く問題ないのですが、100kHzだと三角波になってしまいます。確かに音の傾向は柔らかいので波形もその傾向です。
ところが低域は他のアンプよりも良い波形なんです。とはいえ100Hz以下はなまりが出ますが他のアンプと比較してもなまり具合は少ない方です。
この結果から低音のスピード感(瞬間的な反応性)はあるけど高域に関してはスピード感よりも、落ち着きや定位や柔らかさがナカミチの特徴でしょうか?
波形の鈍りに関しては、送り出すオシレータがオーディオ用の低周波用なので、高周波域の波形が良くないです。正弦波は問題ないのですが方形波は100kHz以上はなまっています。結果というより傾向という表現が良いかもしれません。
性能が良いファンクションジェネレーターが欲しいです。
パスコンですが、現在は取り外しています。出音に全く効果が無いのとスピーカーの雑音も全く効果がないです。これを付けたから雑音が減るという事もありません。あくまでこの電源部分のリップルが減るというだけです。とことん減らして自己満足するんでしょうか?
元々、ナカミチの設計としてはカップリングに電解コンデンサーは使ってないですし、ドイツの高価なフィルムコンデンサーを使用していますから、パーツ交換や追加のチューニングの効果はほとんど無いと思います。いかに原状復帰の整備をするかでしょう。
まぁ、今のところは暇を見つけてちょこちょこ調査・調整している段階ですので、また変化があったら報告する予定です。
現在はコロナで暇なので、やれないときに色々やっておけば後々役に立ちます。
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2020/08/13 22:56:59