
車をローンで買うのは、金利が無駄なので現金で買いなさいとか、もし、借りるなら親から借りなさいとか、専門家のアドバイスを良く耳にします。月次の給料(または盆暮れの賞与)で、その月の必要経費を差し引いた残りの資金で、車を現金で購入出来る方は、確かにローンを利用する必要がないかも知れません。
一方、親から借金というのは、如何でしょうか?あくまで借金ですので、法制度に準拠し、金銭消費貸借契約書(いわゆる借用書は法的拘束力が不鮮明で、相続を考えると他の相続人に改ざんされる可能性もある)を作成し、条件にお互い合意した上で、金銭消費貸借契約を締結する場合、印紙税の支払い、金利は縁故関係を尊重したとしても、1%/年程度は支払わなくてはなりません。
仮に、200万円を金利1%/年で5年間、親から借金した場合(元利均等方式)でも、相応のコストがかかります。以下が、銀行ローン(元利均等方式)と親からの借金に係る費用の比較表となります。現在、車に関しては、地方銀行を始めとして、200万円を無担保、金利1%台で借りられますし、印紙税は銀行負担かつ口座振替手数料もかかりません。(単位:円)
よって、銀行ローンは、親からの借金よりも安くなる可能性も大です。親に媚びへつらい借金しますか、それとも銀行(審査を通すだけ)から借りますか?
欧米では、車を現金で購入する人は、約半数、恐らく日本でも同じくらいかと想定されます。欧米では、車を現金で買わない人の半数はローンで、残りの半数はリースというのが現状です。日本では、個人向けのリースは未だ定着していませんが、リースを始めローンは、車の代価を月々均一の金額で管理できるのが最大の特長(家計簿の発想にも合っています)で、これが欧米でリースが発達した理由かと思われます。
米国のディーラーのセールスマンは、もはや車両価格などは知らず、月々のリース又はローンの支払金額だけ知っているというのが現状です。日本でも、今後の車のセールスの在り方、購入の仕方を示しているかも知れません。
ただし、現状では、日本において、リースは個人向けには一般的でなく、制度が複雑なので、充分な理解が出来ない限り、お薦めできません。
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Posted at 2018/09/11 16:47:36 | |
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