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2019年05月09日 イイね!

車の経済学(44)残価設定ローンを徹底検証する!④

車の経済学(44)残価設定ローンを徹底検証する!④④ 元利均等という返済方式
ほとんどの自動車ローンの返済方式は、元利均等方式といって、月々の支払金額が定額(賞与時の上乗せあり)となっています。住宅ローンもこの元利均等方式による返済が多くなっています。この元利均等方式ですが、良く「金利から返済する」と言われていますが、まさにその通りということが出来ます。

それでは、実際の事例を見てみましょう。以下は、筆者が利用した残価設定ローン(3年間、37ケ月)の借入明細です。明らかに第1回目の金利支払い(=分割払い手数料)が一番高く、その後徐々に減っていくというの特長です。何を意味しているかということですが、3年間の途中で解約(特に前半で)すると金利だけ取られ元本がほとんど返済されていないという状況に追い込まれます。下記の例は、借入期間が3年ですが、借入期間が長くなればなるほど、当初の金利の支払額は大きくなります。



借入期間中に、環境の変化により止むを得なく車を売却せざるを得ない場合、どうしても他のモデルに買い替えたい場合には、現在所有の車の下取り価格では、ローンの残債が返済できなくなり、ローンの一括返済のために、預金の取り崩しをすることは避けたいものです。この対処法としては、頭金を充分支払う、借入期間を短期(~3年)とする方法がありますが、いずれにせよ簡単なことではありません。

ローンを借りる前に、毎月の借入残高が車の下取価格を上回らない様に、借入金額と借入期間を設定することが賢明な方法と言えます。(筆者のブログ2018年9月11日付け「車の経済学(23)「車をローンで買う場合、頭金は幾らが妥当なのか?」参照願います)



(次回に続く)
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Posted at 2019/05/09 20:48:58 | コメント(0) | トラックバック(0) | クルマ
2019年05月09日 イイね!

車の経済学(44)残価設定ローンを徹底検証する!③

車の経済学(44)残価設定ローンを徹底検証する!③② クローズ型とオープン型
先に結論から申し上げましたが、オープン型の残価設定ローンは、ローンの契約時に残価を保証せず、契約終了時の時価で清算することになっていますので、クレジット会社が高く下取りしようとするインセンティブが働きませんので、下取価格がクローズ型の残価よりも高くなると想定することは困難かと思います。仮に、契約終了時前の市場価格の方が残価より高いと想定されたら、高く買ってくれる業者に売却し(ただし、クレジット会社の事前承諾が必要)、売却代金でローンを返済するだけで済み、わざわざ残価設定ローンを利用する価値はないと考えます。ただでさえ、残価設定ローンは、走行距離等の条件が付加されますので、契約期間中は窮屈となり、余程のこと金利が低くない限り利用する価値はないと考えます。

③ 契約終了時の取り扱い
各クレジット会社とも、契約終了時のオプションとして、以下の選択肢があります。

1) 車両を返却する
2) 借入残高を現金で一括返済する
3) ローンを組み直す(再クレジット)

この3)におけるローンを組み直す(再クレジット)という選択肢は、お薦めできません。何故なら、ローンは延長という取り扱いではなく、新規ローンを組み直すという取り扱いになりますので、クレジット会社の審査がやり直し、金利の支払総額はさらに高くなることが想定されます。

例えば、3年間の残価設定ローンを活用し、4年目以降に2年間のスタンダード・ローンで借り換えしたとしますと、5年間のスタンダード・ローンの金利支払総額より遥かに高くなることが想定され、残価設定ローンを活用したことが選択ミスという結果に繋がります。新車を購入して3年を経過しますと、車にも馴染んで使い勝手が増してくる時期ですが、エコカー減税やグリーン化特例がある車なら、同じモデルの新車を再度、残価設定ローンを活用して新車を購入した方がお得かも知れません。


(次回に続く)
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Posted at 2019/05/09 20:45:50 | コメント(0) | トラックバック(0) | クルマ
2019年05月09日 イイね!

車の経済学(43) 残価設定ローンの徹底研究!②

車の経済学(43) 残価設定ローンの徹底研究!②(2) 残価設定ローンの基本的構造
① 残価設定ローンとスタンダード・ローン
残価設定ローンには、借入期間の満了時に提示した下取り価格を保証(ただし、走行距離、修復履歴等の一定の条件をクリアしなければならない。)するクローズ型(・エンド)と保証せず、下取り時にその時の市場の時価とで清算するオープン型(・エンド)がありますが、ここではクローズ型に絞って説明させて頂きます。なお、オープン型は、余程のこと金利が低くない限り、全くメリットの無いローンと考えられ、検討する余地すらないというのが筆者の見解です。

まずは、一般的なスタンダード・ローンと残価設定ローンでどちらがお得かを検証してみましょう(表2)。以下は、日産の販売店でノートを5年間の残価設定ローンとスタンダード・ローンをそれぞれ活用し購入する場合の支払金額の比較となります。



上記表2で分かる通り、残価設定ローンの方がスタンダード・ローンより月々の支払金額が少ないものの、5年間の支払総額が7万円ほど高いことになります。ただし、残価設定ローンの最終回の支払いは、車を返却(代物弁済)することで足りますので、キャッシュアウト(現金支払総額)でみれば、残価設定ローンの方が57万円ほど低いことになります。
要するに、スタンドローンを活用した方が、5年後に車を売却する場合に、58万円以上で売却できればスタンダード・ローンを活用した方がお得、58万円未満でしか売却できなければ、残価設定ローンを活用した方がお得という結果となります。

既にお気づきかと思いますが、残価設定ローンがお得か、スタンダード・ローンがお得か?は、「金利」と「残価」の相関関係(「金利」∞「残価」)により決まります。
スタンダード・ローンを活用した場合におけるローン契約終了時の残価は、ローン契約の締結時には分かりませんので、契約時に契約終了時の残価を推定しなければならないという面倒臭さがあります。しかしながら、最近では、多くの中古車買取業者がウェブサイトを通じて充分な情報を公表していますし、トヨタのウェブサイトでは、国産車ならほとんどのモデルの下取り価格を検索することも可能です。

繰り返しになりますが、残価設定ローンがスタンダード・ローンより有利かどうかは、以下の2要素が重要となります。

1)金利がスタンダード・ローンの金利より低いこと
仮に、残価設定ローンの残価とスタンダード・ローンの契約終了時の想定残価が同一とした場合、残価設定ローンの金利支払総額がスタンダード・ローンより低くないけません。最近では、ウェブサイトで、残価設定ローンにせよ、スタンダード・ローンにせよ金利計算ツールを利用し、簡単に支払金額や金利支払総額を計算することができます。
(例、https://keisan.casio.jp/exec/user)

具体的に、上記のニッサンのノートのケースで、スタンダード・ローンの金利が4.9%としたら、残価設定ローンの金利が3.8%以下となれば、金利支払総額は残価設定ローンの方がお得ということになります。(以下、表3)



2)残価設定ローンの残価が予想される市場価格以上であること
残価設定ローンの残価は、契約時に決まりますが、スタンダード・ローンは契約の締結時に自ら予想するしかありません。しかしながら、契約の締結後、借入の返済が始まりますが、残価設定ローンの残価がスタンダード・ローンの想定残価(すなわち、その時に市場価格)を下回ると予想できたら、中古車市場で最も高く買ってくれる買取業者に売却すれば良いことになります。この方法により、少なくても残価設定ローンの残価を担保できます。(最悪、残価設定ローンの残価で下取りが可能、市場価格がそれ以上であれば、市場で売却すれば良い。)

例えば、マツダ車のデミオなどは、3年間の残価設定ローンの場合、55%という大変高い残価率が設定されています。デミオの中古車市場では、3年後の買取価格はせいぜい50%程度と想定(筆者調べ)されますので、マツダの残価率は、市場価格より5%(=55%-50%)も高いことになります。デミオXDツーリングの新車価格が180万円(消費税抜き)としますと、残価設定ローンを活用した場合、この5%というっ筋は、3年後の下取り価格が9万円ほど高くなることを意味します。この9万円という差額がスタンダード・ローンと残価設定ローンの金利支払総額の差額より高い場合には、残価設定ローンを選択する方がお得だということになります。


(次回に続く)
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Posted at 2019/05/09 20:44:05 | コメント(0) | トラックバック(0) | クルマ
2019年05月09日 イイね!

車の経済学(44)残価設定ローンを徹底検証する!①

車の経済学(44)残価設定ローンを徹底検証する!①新車をローンで購入する方の比率に関しての公な統計はありませんが、ディーラーのセールスマンの感覚によれば、およそ半数(50%)の方がローン(クレジット)で購入するという事です。これに加えて、ディーラーを経由せずに銀行・信用組合等のローンを活用する方もいらっしゃいますので、半数を超える方がローン(クレジット)を活用して新車を購入するというのが現状でしょうか。

最近の傾向として、就中、残価設定ローンを活用される方が増え、ディーラーも残価設定ローンを一押ししていますので、今後、残価設定ローンを活用する方が一層増えていくものと想定されます。

さて、この残価設定ローンですが、これまで様々な見方がされていて、危険・要注意であるという意見が主流となっています。そこで、今回より数回にわたり、残価設定ローンを徹底検証してみたいと思います。

(1) 何故ディーラーは、残価設定ローンを薦めるのか?
令和元年を迎え、平成の時代を振り返ると、平成2年(1990年)に777万台だった国内の新車販売台数は、平成30年(2018年)に527万台とおよそ30年間で250万台も減少し、3分の2の規模まで市場が縮小しています。この結果、新車の販売台数で収益を獲得してきた自動車メーカー・ディーラーは経営戦略を転換せざる得ない苦境に立たされています。

所得の減少から、若者を始めとする車離れの現象も表面化し、新車の買い替えサイクルが7~8年間と長期化傾向にある状況下において、顧客の月々の支払い金額を減少し、新車の買い替えサイクルを3~5年と短期化させる残価設定ローンは、自動車メーカー・ディーラーにとっては、救世主的な存在と言えるかも知れません。生き残り策として、残価設定ローンの取扱比率を半数以上とする目標を掲げ、そのためにセールスマンに特別な教育を施しているディーラーも出現しています。

一方、定期点検・車検等のメンテナンスについては、これまではディーラーの価格が高く、独立系の整備工場等に逃げられることが多かったのですが、最近ではメンテナンス・パックと称し、メンテナンスの価格を大幅(40%前後も)に値下げし、顧客の獲得に努めています(以下、「表1」)。ディーラーは、残価設定ローンで車を購入した顧客に対して、定期的に自らがメンテを行えば、自力で車の品質を保ちかつ残価を維持できますので、下取り時の損失を最低限に抑えることも可能となります。



従って、セールスマンが(残価設定ローン+メンテナンス・パック)の勧誘に懸命になるのも理解に難しくはありません。メンテナンス・パックで契約が取れれば、顧客が半年に1度は、ディーラーを訪ねることとなり、セールスマンにとって、リコールのクレームに耐えながらも、お客様との良好な関係を維持しながら、いざ買い替える時には勧誘がしやすくなることも期待できます。


(次回に続く)

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Posted at 2019/05/09 20:38:49 | コメント(0) | トラックバック(0) | クルマ
2019年05月09日 イイね!

車の経済学(44)残価設定ローンを徹底検証する!①

車の経済学(44)残価設定ローンを徹底検証する!①新車をローンで購入する方の比率に関しての公な統計はありませんが、ディーラーのセールスマンの感覚によれば、およそ半数(50%)の方がローン(クレジット)で購入するという事です。これに加えて、ディーラーを経由せずに銀行・信用組合等のローンを活用する方もいらっしゃいますので、半数を超える方がローン(クレジット)を活用して新車を購入するというのが現状でしょうか。

最近の傾向として、就中、残価設定ローンを活用される方が増え、ディーラーも残価設定ローンを一押ししていますので、今後、残価設定ローンを活用する方が一層増えていくものと想定されます。

さて、この残価設定ローンですが、これまで様々な見方がされていて、危険・要注意であるという意見が主流となっています。そこで、今回より数回にわたり、残価設定ローンを徹底検証してみたいと思います。

(1) 何故ディーラーは、残価設定ローンを薦めるのか?
令和元年を迎え、平成の時代を振り返ると、平成2年(1990年)に777万台だった国内の新車販売台数は、平成30年(2018年)に527万台とおよそ30年間で250万台も減少し、3分の2の規模まで市場が縮小しています。この結果、新車の販売台数で収益を獲得してきた自動車メーカー・ディーラーは経営戦略を転換せざる得ない苦境に立たされています。

所得の減少から、若者を始めとする車離れの現象も表面化し、新車の買い替えサイクルが7~8年間と長期化傾向にある状況下において、顧客の月々の支払い金額を減少し、新車の買い替えサイクルを3~5年と短期化させる残価設定ローンは、自動車メーカー・ディーラーにとっては、救世主的な存在と言えるかも知れません。生き残り策として、残価設定ローンの取扱比率を半数以上とする目標を掲げ、そのためにセールスマンに特別な教育を施しているディーラーも出現しています。

一方、定期点検・車検等のメンテナンスについては、これまではディーラーの価格が高く、独立系の整備工場等に逃げられることが多かったのですが、最近ではメンテナンス・パックと称し、メンテナンスの価格を大幅(40%前後も)に値下げし、顧客の獲得に努めています(以下、「表1」)。ディーラーは、残価設定ローンで車を購入した顧客に対して、定期的に自らがメンテを行えば、自力で車の品質を保ちかつ残価を維持できますので、下取り時の損失を最低限に抑えることも可能となります。



従って、セールスマンが(残価設定ローン+メンテナンス・パック)の勧誘に懸命になるのも理解に難しくはありません。メンテナンス・パックで契約が取れれば、顧客が半年に1度は、ディーラーを訪ねることとなり、セールスマンにとって、リコールのクレームに耐えながらも、お客様との良好な関係を維持しながら、いざ買い替える時には勧誘がしやすくなることも期待できます。


(次回に続く)

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Posted at 2019/05/09 20:37:52 | コメント(0) | トラックバック(0) | クルマ

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「車の経済学(68) 走行距離課税の経済学⑤ http://cvw.jp/b/2877098/46622881/
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カー・エコノミストの田理順(でん りじゅん)です。 BMWに約10年間乗りましたが、度重なる故障(何回ものランプ切れ、冷却水漏れ、オイル漏れ、パワーウィン...
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