
最初に試乗したのが
VWのポロ12TSI。
見た目が先代の可愛いデザインから大人びた
スモールゴルフに変身してます。
ドアの開閉では欧州車特有の金属音が響き、
いかにも
「貴方のお命は私(ポロ)が必ずお守りして見せます」
て、感じがひしひし伝わって来ます。
因みに、
欧州からの帰国女で話題に為ったトヨタ・アベンシスには
そんな感じは微塵にも見せない偽りの欧州仕様で、
その走り味は姉の乗っていたAUDI・90(平成3年式)
には足元にも及びません。
室内の感じも新型ゴルフとほぼ対等で上質な仕上がりですが
後部足元の広さ若干狭く、
ゴルフが先代レガシィ(BP5)と対等な広さに対し
ポロは先代インプワゴン(GGA)と同じ位の広さで
大人4人で長距離は些かキツイ感じがします。
軽量化の為かポロもスペアタイヤは存在しませんが、
標準サイズのタイヤを乗せられる広さを確保して有り、
長距離での移動でのパンクリスクを緩和出来る部分は
BMW3シリーズより良心的です。
乗り心地はフロントストラット&リヤ半固定ですがミニ子より快適で
しなやかでかつどっしりしてて、リヤ半固定とは微塵にも感じさせません。
その印象はAUDI・90やスバル・トラヴィックを思い出します。
エンジンは従来の1.4LのDOHCやゴルフの14TSIから
200ccサイズダウンの1.2Lに変更しDOHC4バルブと可変バルタイを捨て
最近では珍しいSOHC2バルブヘッドと水冷式インタークーラー使った
ターボチャージャーと直墳インジェクションと新旧のメカニズムを組み合わせています。
近年ではSOHCでも4バルブ当たり前の技術に、
DOHCでは可変バルタイも当然の装備に為りつつあるのに
あえてSOHCの2バルブの採用は軽量化とコストダウンを狙いつつ、
BMWでも自然吸気エンジンではバルブトロニックと言う
簡単に言うとスロットルバルブの代わりにモーターでカムの作用角とリフト量を連続可変させて
エンジン出力を制御するシステムを採用してますが、
ターボ付きエンジンではトルクを過給機で稼ぐ上に、
出力制御も従来のスロットルバルブやターボの過給圧管理した方が容易であると言われています。
水冷インタークーラーの採用はコスト高や重量増には為りますが、
近年求める対歩行者保護からエンジンとボンネットとの空間を確保する理由と
インテークパイプを最小限の長さで抑えられるのでレスポンスに優れている上に、
水は空気の20倍の速さで熱を奪うのでインタークーラーの大きさを
小型化出来るメリットもあります。
その昔ではWRCに出ていたトヨタ・セリカGT4やスバル・初代レガシィターボにも採用され
近年ではゴルフ14TSIやBMWのV8ツインターボにも採用されています。
実際に乗った感触では、
アクセル開度が少ない時は7速DSGがさっさとシフトチェンジをして、
燃費狙いの低回転を無理矢理維持する部分がやや気に障りますが、
それでも7速もシフトチェンジするので気が付けば速度はそこそこ出てます。
この辺は重量が近いホンダ・フィット13系の方が自然な加速をしますが、
スバル・インプ15系とは雲仙の差の仕上がり(爆)。
とは言え、アクセルを大きめに開くと(7割位)
一気にシフトダウンしてターボの太いトルクが襲って来ます。
それもそのはず、車重が1100kgにトルク17.8kgmは
トルク・ウエイト・レシオで61.7KG/トルクは
先代レガシィB4・20Rの68KG/トルクを凌ぐ数値。
ちなみにゴルフ12TSIでは71,3KG/トルクはB4・20Iと対等数値。
日本で使う限りではポロに12TSIエンジンはオーバースペックに感じますが、
欧州のアウトバーンで使うにはちょうど良い感じに私は思えました。
金額面でもベーシックなコンフォートラインではウレタンステアリングやセミオートエアコンなのが
やや悲しいですが、それでも車輌金額が消費税込みで約215万円はバリューとしか言えず、
逆にハイラインの約245万円は装備と走りと燃費を落として
ゴルフ12TSIを選択する方法もアリかなとも思えるのが残念でした。
それでも、この金額でこの出来前では大変魅力的でした。
華子