
えーと、ちんたらやってるから1年過ぎちゃってますよ…(小声)
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前日がこっちでの初の長時間運転。予想できたコトや想定外のコト、いろいろと初体験しながらノーフォークについたのが1600前ごろ。
お目当てのウィスを回るにはさすがに時間がないので、湾内クルーズと外から眺めるに留めて、あまり危なくならない時間まで街中を散歩してホテルへチェックイン。
次の日にのんびりと朝食を取ってから、思う存分ミュージアムというか、ウィスコンシンそのものを堪能することに。

ウィスコンシンの展示内容は、昔の戦艦の姿をそのまま残すこと・伝えることに重点を置いた展示になってる。各所も湾岸戦争後の退役直後の姿を可能な限り残しつつ、ちゃんと仕切られてて不用意には触れないように、といった感じ。
そんな中で上甲板だけでなく、船首の下士官船室から船尾の士官エリアまで自由散策で探検。

#メイン通路の俗称ブロードウェイ。映画バトルシップで例のアレをやってた通路だね。
#ブロードウェイの由来は、電気を落とした時に通路の計器類が光って夜景っぽく見えるから、って
なお、各所危ないところはお手当こそしてあるけれどやっぱり軍艦。
例えば機関室みたいな勝手に散策すると危ない場所もあって、そういう場所は別料金のツアーで回る形になってる。 それにこれだけのサイズの船だから、当然いろいろと維持にもお金がかかるので、このツアー料金がドネーション的な意味も兼ねてるって感じかな?たぶん。
もちろん、落とせるお金はめいっぱい落としたいので、今回は機関室のツアーに参加。

これもまた豪勢なツアーでね、実際に案内してくれるのが、湾岸戦争時代に蒸気タービン艦の機関室に配属されてたというベテランさん。細かいトコロまで色々と説明してくれるのみならず、当時の兵卒の冗談やちょっとした小ネタを交えて軽妙に案内してくれる。
間違いなく元は取れたので、ほんとお勧めだった。

# バトルシップの "Best cover your ears" のアレ。こういう小ネタもちゃんと拾ってくれる
他にもネタは満載なんだけど、それに触れだしちゃうとエントリ一つが丸々飛んじゃうので、これだけ。
この大きな船とは言え、生成して作ってる真水は貴重品。だからトイレは海水で流すんだけど、そんな中であえて真水でトイレを流している場所が一か所だけあるのね。
それがここ、牢屋。

なんでだろ?って思ったらガイドさん
「牢屋に放り込まれた奴が、トイレから海水を飲んで体を壊し、医務室に逃げようとするんだ」
「そんなことされると困るからね。だから医務室でも船長室でもなく、牢屋」
なるほどね。
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ということで、たんまりウィスを堪能してから次の目的地、NYCに移動開始したのが1500ごろ。
ノーフォークからNYCへ抜けるのに、ぜひ通りたかったのがここ、チェサピーク・ベイ・ブリッジ。
簡単に説明するとしたら、規模が3倍ぐらいになったアクアライン。

これが地図で見て解っていたつもりではいたんだけど、実物が想像以上にすてきな場所でね。
何せもう完全に海の上を走るような道路、右も左も見渡す限りの水平線。
この日の完全な夏の天気とあいまって、身体全体で開放感を味わえる感動的な道。

途中でトンネルを抜けて、また海の上を走って、最後の最後に橋が来る。
そんなところまでがアクラアイン。これは今度はオープンカーで来たくなる素敵な場所。
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でも残念ながらテンションが上がるのはこれまで。
これを抜けてからが、実は今回の旅行で一番の苦痛セクションだったりするのね。
ノーフォークの対岸は地図を見るとわかるんだけど、150マイルの完全な下道。
行きでこそもっと長い距離を抜けてきたけれど、これはストップがない高速道路の話で
クルーズコントロールをセットすれば、比較的エネルギーを使わなくても走れるのに対して
こちらは下道なので、当然ながら信号がある。気の使い方が変わってくるのだ。
ここで状況を悪くするのが、アメリカの道路の制限速度。
日本でいえば、この手の「高速じゃない一般道」って制限速度が60km/h。 ペースは80km/hぐらいだと思う。 アメリカでこれに対応する道路は55mph、つまり90km/hが制限速度。
こっちも警察がいないときはペースが上がるから、この手の道路は100km/hぐらいで流れちゃうのね。

これで信号がなければありがたいよ?
でも残念ながらココの道は結構信号があって、そんな状況で100km/hからの停止をしないといけない。しかもその道路には車重4トンのヘビーデューティーピックアップや、なんならClass Aのセミトレーラーがバンバン走ってたりする。
もう信号で止まるだけでも、後ろの動向に物凄く気を遣うのだ。
普段は高い制限速度に対してありがたいな、って思うことが多かったんだけど
正直このセクションにはものすごく気を遣わされて、疲労したのが正直なところ。
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そんな苦痛の3時間を超えて、やっとウィルミントン前から念願の高速道路。
ここからNYCまでは東部の経済縦貫道、道もきっちり整備されてるので一気に走りやすくなる。よくアメリカの映像で出てくるような、片側4車線!みたいな道路も街周辺ではポツポツと出てきたりしてね。
そんな中で面白かったのが、フリーウェイじゃない有料道路。
アメリカっていうと、高速道路が全部無料ってイメージが多いかもだけど、さにあらず。
有料道路も実はいろいろなバリエーションがあったりするのね。
例えば東部のこのエリアで面白かったのが、都心部の近くでみるようなこういう道路。

左側に数車線あって、自分は並走する車線を走ってる状態なんだけど、実はこの左側が有料道路。
Express Laneって言って、料金を払うことで左の独立車線を走れるようになる仕組み。
出口はどちらも同じ場所にあって、利便性は一緒なんだけど、片方はお金がかかる。
とうぜん普通の人は選ばないよね? つまりこの道路、それを逆手にとって
「お金を払えば、渋滞しない道を速いペースで走れますよ?」
っていう選択肢をドライバーに与えてるのね。
こっちに来て折に触れて感じるのが
「お金を払えば払うほど、例外なく良いサービスを得られる」
という究極的に資本主義な文化なんだけど、これはその解りやすい例かな。
場所によってはもっとあからさまに制限速度すら違えてたりもして。へー、って。
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当然急ぐ理由はないので、むしろ有料道路を退避しながら走ったことで
この先のフィラデルフィア~ニューヨーク間ではもう一つ面白い道路を走ることになる。
それがこの国道1号線。

見てわかる通り、ぱっと見は日本の郊外道路だよね。
沿線に歩道があってスーパーやディーラーがあるような、いうならば地方バイパスなんだけど
こんなトコロも制限速度は55mph、当たり前のように平均速度が100km/h越えなのだ…
普通に平面交差点も信号もあるし、なんで成立してるのか大混乱したのだけど、よく見たら
・交差点は両方とも直進のみ可能
・交差点前に取り付け道路をつくって、右折左折どちらも交差点外で合流
簡単に言えば、立体交差を平面でやる形にして、対面交差を無くしてる。
そうすると側道側の信号の時間は最小限だし、バイパス側も前後車間だけ気を付ければ良いから、なんとか成り立ってる感じ。 正直この道中で一番緊張したのがこの道路で、最後まで追突が怖くて、追い越し車線を走る気に全くならなかった…
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そんな道路もNYCが近づくと自動的にフリーウェイにランクアップして、マンハッタンまでは首都高みたいな道になる。 こうなれば慣れたもので、そのままいつものノリでその日のホテルまで。

NYCの目的は空母イントレピッドだけだったから、あえてマンハッタンには入らず、対岸のニュージャージーのホテルに泊まり、翌日はフェリーでマンハッタン島に入る作戦なので、この日は対岸からマンハッタンの夜景を堪能して布団の中へ。
たった5時間だけだけど、またまた濃い道中でしたとさ…