ZF S5D 320Z ミッション シフトフィール改善3
1
さて、前回からの続きでリバースのピンとスプリングを交換します。
写真を撮り忘れてしまいましたが、まずは前回苦労して取り外したブッシュを新品にすべく、1~4速と同様に特殊工具を使って適正位置まで打ち込みます。
打ち込んだらピンとスプリングにATFを塗布して挿入し、青色のキャップをこれまた違う種類の特殊工具で打ち込んで…
って、うまく打ち込めません…。
Youtubeではキャップがスナップリングの溝付近まで押し込めて、その後にスナップリングを引っ掛けて更に特殊工具で叩き込めば溝にパチンと嵌まるようなのですが、どうやってもキャップがスプリングの力で口元付近まで戻ってきてしまい、スナップリングを引っ掛けることが出来ません。
それでも何度かトライしたのですが、特殊工具で叩く際に口元付近にも当たるようで写真のように傷だらけになってしまいました。
このまま続けるとスナップリングを引っ掛ける溝部が破壊されてしまいそうなので、別の方法を考えます。
2
そこで即席のスプリングコンプレッサーを作りました。
廃材のL型ステーをミッションケースの左右に立てて、ロングねじで上下2箇所から締め込めるようにします。(黄色矢印部)
そして押し込むリバースのキャップの位置と、ちょうどキャップと軸方向反対側に平面があったので、この2箇所の位置に合わせてボルトを固定します。(黄色丸印部)
そして上下のボルトを締め込んでいけば赤矢印のキャップ部が押し込まれます。
リバースはスプリング力が強いので、キャップを真っ直ぐに押し込められるように調整しながら締め込みます。
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スナップリングの溝が見えるところまで締め込んだら、スナップリングを固定します。
ここは特殊工具で打ち込むより、こっちの方が断然楽で確実に作業出来ました。
4
続いて5速側を交換します。5速はリバースの下側にあります。
前の項目でも述べましたが、ブッシュは作業が大変な上にミッションケース側を傷つけてしまう危険性もあるので、交換するのをやめてピンとスプリングのみ交換しました。
5速もリバースと同様に即席のスプリングコンプレッサーで組付けようとしましたが、5速はリバースよりスプリング力が弱いので手で押し込みながらスナップリングを組み付けることが出来ました。
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5速のピンとスプリングの新旧比較です。
こっちはリバースと違ってスプリングがヘタって縮んでました。
またピンですが、リバースは平面の傾斜面なのに対して5速は円弧形状をしているはずなのですが、外したものはどう見ても平面(ストレート)です。
これは削れてしまったのか、最初から平面が組まれていたのか…。
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さて、ようやっと作業を終えたのでミッションの再組付けです。
まずは分解時に怖い思いをしたミッションジャッキの改造です。反省して2つのジャッキを合体させて、変な力が掛かっても2つのジャッキがバラバラに移動しないようにしました。
またミッションがグラついても落ちてこないようにチェーンで巻きました。
7
エンジンと合体するところまできましたが、素直に位置決めできません。
どうやら図のようにケースの一部がフロアに当たって、どうやってもクラッチセンター軸が合うところまで届かないようです。ミッションの当たる部分を回避するまで回転させて差し込みながら元に戻せばイケそうな感じもするのですが…、このミッションジャッキにそんな自由度はありません。
2014年にクラッチ交換をした時は体力もあったので力技で組んだのでしょう。そういわれると体中ズタボロになりながら組み上げた記憶が蘇ってきました。
また同じような危険な作業は出来ないので別の方法を考えます。
FR車のエンジンマウントは2箇所だけなので、ミッションがなければ車両前後方向に少し傾けられます。
そこでエンジンの前側を軽く持ち上げて、図の下側のオレンジの矢印の方向に少し回転させて組んだところ、あっさりと合体できました。
外す時もこうすれば怖い思いをせずに済みましたね…。
あとは残る部品をチャッチャと組み付けて完成です。
<交換後のインプレ>
最初はシフトが渋かったのですが、少し当たりがついたらスコスコと入るようになりました。
特に渋かった1速が1回で入れられるようになり、2速もスッと入るようになりました。
ただ、私の車は買ったときからACシュニッツァーのショートシフトが組んであるので、基本的にシフトは硬めです。なのでうまくタイミングは合わせる必要はあります。
それでも以前のような気遣いが不要になったので非常に満足です。
苦労した甲斐がありました!
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