言うまでもなく、二輪車の死亡事故原因で最も多いのは頭部外傷です。
しかし、一概に頭部外傷というだけで、頭のどこがやられるのかは自分は知りませんでした。
ヘルメットの安全基準は日米欧それぞれに規格があり、個人的には日本の規格SGマークだけでは何やら不安な気がします。スネル規格の名前は一種神様のような安心感がありますが、一方、ネット上で情報収集するとスネル規格に疑問を呈する人も大勢いるようです。
本稿では数あるヘルメットの規格やテストの中でシャープテストについて述べたいと思います。以下の文章はシャープテストのホームページを日本語に翻訳したものです。一部わかりにくいところは意訳してあります。意味が違うよ〜という方はそっと教えてください。だいぶ長いので数回に分けてアップします。
シャープテストのホームページアドレスは以下です。みんカラはURLのリンクを張れないので、「シャープテスト」等でグーグル検索してみてください。
sharp.dft.gov.uk
以下シャープテストホームページより
OVERVIEW要約
シャープテストは英国運輸省が2007年より立ち上げた、英国で販売されている二輪車用ヘルメットの安全性の違いを明らかにするための消費者テストです。
その目的は第一にヘルメットを快適に正しく装着するためのアドバイスを行うこと、第二に英国で購入可能なヘルメットの相対的な安全性を中立的な立場からわかりやすく情報発信することです。
WHY WAS SHARP INTRODUCED? なぜシャープテストか
2輪ライダーは路上の最も危うい集団です。英国では路上にいる2輪ライダーは1%にすぎませんが交通事故犠牲者の19%に上ります。特に全ての2輪ライダーの死因の約80%、後遺症を残すような重篤な事故の70%が頭部の損傷です。
本研究ではヘルメットの状況により打撲が頭部のどの部分に分布しているのかを統計的に示します。
RESEARCH AND EVIDENSE BASE統計と研究
シャーププログラムは2001年に報告された「COST327」というヨーロッパにおける研究の知見に基づいています。2001年はヨーロッパにおける二輪事故の包括的な研究が最もなされた年でした。この研究から2つの重要な知見が得られています。
・事故の際は側頭部が殊更に弱い。ヘルメット設計は側頭部がもっと保護されるようにされるべきである。
・ヘルメットのエネルギー吸収力が30%増加すれば重篤/死者(AIS5/6)の50%を中等度/重症(AIS2-4)まで減らすことができる。(訳者註:AISとはAbbreviated Injury Scale外傷尺度で、0が怪我なし-6が死亡)
この知見に基づき、運輸省は省内の研究機関に対しヘルメットがより高い防護能力を備えるような改善を考慮することを命じた。運輸省は同様に、その時点で購入できるヘルメットについて防護力の違いを理解するために比較検討することを開始した。これにより選ばれた打突部で、種々のヘルメットの保護する機能において最高70%の違いを明らかにした。シャープテストはその違いを図でわかりやすく消費者に客観的に伝えられます(ちょっと意訳)。
SHARP IMPACT TESTシャープ衝突試験
二輪用ヘルメットに30回の水平面への落下と2回の斜面への落下試験を行い、格付け(★〜★★★★★)を行います。この合計32回の落下試験ために1種類につき最低7つのヘルメットが用意されます。ヘルメットのサイズ毎に、3種類の落下速度(6、7.5、8.5m/s)の落下試験が行われます。詳細は下記の通りです(訳者註:各々時速21.6km、27km、30.6km)。
この試験ではヘルメットを現実の交通事故を模した、表面が真っ直ぐなアンビル(台座)と尖ったアンビルに落下させます。アンビル規格は国連欧州経済委員会(UN ECE)規定22.05により定められています。斜面への落下試験は回転する力が加わるような事故の際のヘルメット表面の状況を評価するために行います。シャープテストはECE22.05に完全に準拠しています。
COST327で示されたヘルメットの衝撃吸収能力の向上がもたらす利点を考慮し、シャープは規定よりも速い速度での落下試験を行っています(8.5m/s)。UNECE 規定22.05よりおよそ30%多くの衝突エネルギーを加えた想定です。
より詳しく知りたい方は下記の動画をどうぞ。
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長くなったので続きは次回にします
Posted at 2018/10/11 09:28:17 | |
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