MMB方式のD/Aコンバーターについては、
以前書きましたが、今回はCDトランスポートについて。
現在でこそ音楽の情報は、デジタルデータとしてCD1枚ならば約800MBであり、上位規格でも固体メモリに収ってしまう程度のデータ量で、その気になればネット配信などでマスター音源のデータを入手できるようにすることも可能です。その方が、データに揺らぎが無く、データとしてはレコーディングルームの音に忠実なはずです。
ですが、円盤に対するノスタルジーなのか、虹色に輝くピット面に魅せられるのか、はたまた単なる所有欲なのか、未だにDiskの形状で世に出回っているのです。この形態を最初に形にしたたSONY(とフィリップス)は偉大だったと思います。
そのCDオリジネーターであるSONYのプレーヤーメーカーとしての最後の輝きと言ってもよいCD再生専用機がこれ。実は、
CDP-R10という怒級のデーター読み取り専用プレーヤーと共通の設計思想で作製されています。
その特徴は、光学ピックアップ固定。
通常は、光学ピックアップフロート。
どういうことかと言うと、普通のCDプレーヤーは精密なピットトレースするために、絶えずその位置を補正しているのですが、それを固定してあるものです。例えば、ひらひら舞い落ちる落ち葉の動きを3メートル離れた光学カメラから44.1KHzのタイミングで連写することを考えて見ましょう。高度なサーボ技術をもってしても画面の真ん中に常にピントが合った状態で常に撮影を行うことは難しいでしょう。つまり、量子化されたピットをもっとも確からしいデータとして読み出す役目を負わされているのがCDプレーヤーのピックアップで、これは常に制御を受けデジタル歪を発生させており、これが音質に影響を与えているのです。
厳密には、内周から外周にかけての動きを固定してあるだけで、ピント機構には制御がかかっています。落ち葉で例えると、落下方向のみ鉛直に固定された落ち葉を撮影することになりますが、これでも相当制御が楽になることが解ります。
ここまで書くとなんだか訳解らないですが・・・・
要は、ピックアプに対してCDの方が内周から外周に動くのです(バッサリ過ぎ?!)。
コロンブスの卵的な機構を持つこのプレーヤー、デジタルといえども回転系はアナログな時間軸の揺らぎに影響されていることに気づかされます。
本当はCDP-R10が欲しいのですが、当時軽1台が軽く買えてしまう高価な機器であったため、その設計思想を廉価で実現したこのプレーヤーをCDの読み取りに用いています。
ブログ一覧 |
オーディオについて | 日記
Posted at
2009/09/21 18:34:35