Parttime lover 3号
世界で初めてモーターサイクル製造を業とした由緒正しき英国トライアンフ社のバイクです。
武骨で厳つい!ワイルドでどんだけジャジャ馬なんだ?って思うでしょ。しかし受ける第一印象とはことなり、乗り手にこうやって乗ってくださいみたいなおせっかいをするところがなく、鞭入れても、ダルに扱ってもそつなくこなしてしまう質実剛健英国紳士のようなイメージの真面目なバイクです。パワー、運動性能、快適性能が高次元でバランスしていてヤンチャなところが全然無い優等生です。
バイクの方から「コーナー進入はハードブレーキでサス沈むまで前荷重かけんと曲がらんで~」とか「ほらスロットルもっと開けてみれ~」とか「ひえぇぇ~堪忍してください女王さま~」ってな具合になっちゃうドMな挙動や加速はありませんが、開けたら開けただけ、きっちりトラクションがかかる3気筒のエンジンのさじ加減は絶妙です。これならいつまでもどこまでも走り続けていたいって気持ちにさせてくれるまさにツアラーの基本をしっかりおさえた長旅でも安心安定楽チンバイクです。
そういうわけで「女王様ぁ~もっと鞭で叩いてくださいな~」てな人には刺激が少ないかもネ(笑)
3気筒エンジンは最近YAMAHAがMT-09を3気筒でリリースしたことでよく耳にするようになりましたが、3気筒のメリットが自分にはよくわかりません(^^ゞ 「よく回り振動が少ないツインエンジンぽい」と評価すべきか、「ちょっとガサツな癖のある直4エンジンぽい」と評価すべきか・・・。エンジンスタートしてスロットル煽ってのレーシング音はツインエンジンとは明らかに違う、ヒューンヒューンってまさにマルチエンジンそのものでした。あえて3気筒のメリットとなるとエンジンをスリムに仕上げられるため、ワインディングの切り返しなど軽快感を損なうことなくハイパワーに仕上げられる事が大きいってことでしょうか。
走りだして感じるのは、高いギアポジションで負荷をかけているときに現れる鼓動感はあるにはあるんですが、ツインやシングルのようなハッキリ意識できるものではありませんでした。とてもスムーズで乗りやすく運転しやすい、極楽!(^^)。こ、これがトライアンフの3気筒エンジンの実力なのか。
そんな常用域からちょっと鞭入れてみると、6千回転超えたあたりから見せるマルチエンジンのようなフケの良さもそこそこあって気持ちいい!車で例えるなら~スバルのインプレッサの水平対向エンジンみたいな下品な音?いやエンジン壊れてんのか?みたいな音・・失礼(笑 褒言葉ですからネ)で、ドリュドリュドリュリュリュリュ~中回転域から~ゲロゲロゲロゲロガオーン~って感じで回転上げながら7000rpm超える上ではマルチらしく(フォーン+キーン+ガォー)÷3みたいなちょっと籠った感じの適当な擬音が見つからない独特なエキゾーストノートを響かせます。これがトライアンフ3気筒の標準なのかなぁ?歴代の車を知らないので判断ができません(__)。Tigerの名前はもしかしたらこのエキゾースト音から命名されたのかなぁ。へんてこりんだけど妙に癖になりそう。
ベンチマークの動画ですが、フルスロットルのサウンドはこちらでチェックしてみてください。
http://youtu.be/ypWXdRk9imk
とにかく力強くトルクフルで下から上までどこからでも開けたら開けた分穏やかだけどリニアに反応するエンジンは、懐が深いエンジンといえばそうだけど、どの回転数からも同じように立ち上がる全域パワーバンドなトルク感だと、ワインディングでペースを上げたとき、ブレーキング~シフトダウン~を少々ズボラして高めのギアでコーナーリングしても普通にパワフルに立ち上がってしまい、別に高回転キープしなくてもATみたいに走れちゃって、どうスロットルを当てればいいんだ?って今一つリズムが作りにくくピントが合わせにくい第一印象もありました。
3気筒MT-09が同じような理由かどうかわかりませんが、今までにないフィーリングとかなんとかで評価されているようで、このタイガー800も同じような感じなのでしょうか。ひとつ文句つける部分があるとすれば見た目から受けるワイルドな印象のように「なにこれスゲー」みたいな、顔はブスでもなんかほっとけないみたいな味か、とことん別嬪でツンデレなSな女王様オーラとかがあればいいなってところでしょうか。厳つい外見に似合わない実にジェントル君です。そんなこと言っちゃツアラー優等生なタイガー君に失礼千万かな、贅沢な悩みですね(^^)
足回りに関しては、あまり偉そうなこと言えませんが、ゴツゴツでちっともしなやかじゃないただ固いだけの倒立フォークはやめた方がいいんじゃないの?と思いました。しなやかさが足りないよ、しなやかさが。正立でもっと仕事するFフォークがよく似合うんじゃないでしょうかね~このバイクには。一方リアサスペンションは、まんまオフロードバイクのリンケージそのものでどんな路面でもよく仕事してまずまずかなって感じでしょうか。
最後に、市街地走行時30km/h以下で走ってるとラジエターファンが回り始め太腿が熱風にさらされます。我慢できる範囲ですがこりゃ夏の渋滞とか厳しいかな。逆に冬はポカポカあったかそうですが。ベンチレーションつけて排熱をコントロールできればいいと思いました。
※GPSレー探の速度計と車両の速度計の表示の比較で、100km/hまでは5~8キロ、100km/h超えで8~10kmほど車両の速度計の方が大目に表示されます。メーター110km/h表示でGPSは100km/h表示くらいかな。120~上はハッピーメーターになってます。
エンジン形式 並列3気筒DOHC
総排気量 799cc
ボア×ストローク 74.0mm×61.9mm
最高出力 70kw(95ps)/9,250rpm
最大トルク 80Nm(8.1kgf・m)/5,750rpm
冷却方式 水冷
ミッション 6速
全長×全幅×全高 2,225×860mm×1,371mm
ホイールベース 1,538mm
シート高 860-880mm
装備重量 213kg(215kg ※1)
タンク容量 19.7L
タイヤサイズ 100/90 ZR19 150/70 ZR17(90/90 ZR21 150/70 ZR17 ※1)