SYM RV125EFi のクラッチ交換
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
  中級 |
作業時間 |
1時間以内 |
1
1か月ほど前から、希ではあるけれど発進時にキュルキュルッとベルトの鳴くような音がするようになった。
バイク屋さんに聞いてみると、スクーターの場合、ベルトが滑ることは滅多に無いので、クラッチの滑る音の可能性もあるとの話しだった。
渋滞時にノロノロと動く場合に、車間を詰めるために軽くエンジンを吹かすような状況で、時折キュルキュルッという音がするのだが、意図的に再現できるほど条件がハッキリしないし、頻度も僅かで不調というほどでもないから、修理を頼むにも困ってしまった。
放っておいて、大きなトラブルに発展するのも困るので、思い切って自分で開けてみることにした。
CVTのケースを初めて開けてみた。
写真はケースを開けて、プライマリ側のプーリーをはずしたところ。
2
セカンダリ側のセンターナットをはずすのに、共回りしないようにクラッチベルを押さえないとならない。
専用工具がないので、あり合わせの材料で作ってみた。
3
こんなふうに使ってみたら、なかなかうまく働いてくれた。
4
クラッチベルを取り外すと、クラッチライニングの付いた錘などが見えるようになる。
5
クラッチAssyをプーリーから外して、トルクカムなども点検してみた。
ライニングの残厚は2.5mmだった。
サービスマニュアルにはRV125EFiの規定値が載っていない。
RV180EFiの場合は、標準4mm、使用限界2mmとなっている。
偏摩耗もあるので、クラッチ錘を交換することにした。
6
クラッチライニングには黒っぽいシミがあり、偏摩耗していた。
写真はクラッチ錘。
黒っぽい方が古い部品で、ライニングは茶色で黒いシミがある。
ライニングが緑色で明るく写っているのが新しいクラッチ錘。
古い方のクラッチ錘は肉抜きがしてあり、重量は188g/個だった。
新しいクラッチ錘は、肉抜きが無くなっており、重量は223.5g/個だった。
なお、新しいクラッチライニングの厚さは3mmだった。
RV180EFiと、管理値は違うらしい。
ライニングの色が変わっていたり、錘の重さが変わっていたり、管理値が不明だったりと、解らないことが多い。
7
ドラム側も減り方が均一でなく、筋がついて偏摩耗していた。
こちらは、紙ヤスリで擦ってならすことにした。
写真はヤスリをかけた後。
前の状態を写真に撮っておけば良かったのだが...
8
組み直して取り付けた。
クラッチ錘の軸に給脂することになっている。
グリスを塗って錘を軸に嵌めると、余分なグリスがはみ出す。
とりわけ、錘を留めるピンの溝にグリスが残りやすいのだが、これが飛び散るのではないだろうか。
古いライニングの油シミの跡の位置は、そのような状況で起きそうだった。
組み付けには、注意が必要だ。
修理完了後の調子はすこぶる良好だ。
発進時の半クラッチがスムースにつながり、スルスルと動き出すので疲れない。
ガツンという出足を好む人には物足りないかも知れないが、この方がメカに余計な負担も掛からないので、セッティングとしては正しいだろう。
クラッチがつながる際に、ガッガッガといった振動も起きなくなった。
走行距離は5千キロを越えたところで、本来ならクラッチが摩耗するような時期ではないはずだ。
たぶん新車の時から、おかしかったのだろう。
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