
皆様、あけましておめでとうございます。
先ほど家に帰ってまいりました。なんとか年越しには間に合いました。
さっきまで、ちょっとした偶然の出来事に遭遇しておりました。
(無事救出を終えて、帰り道のスタック現場でパチリ)
午後7時過ぎ、思う存分に雪遊びを堪能して、そろそろ家に帰って紅白見ようと思い下山をし始めたところでした。
頂上から高原道路を下って行くと、R165号との合流直前に保養地というキャンプ場へ向かう道があるんですが、そこでなにやら車が2台ハザードを焚いてとまっているんです。
ですので、車を止めて窓から顔を出し「どうしたんですか?」ときいたところ、車がスタックしてしまったとのこと。でも大丈夫ですと。危ないから誘導してるんです的な事を言っていたので、それじゃぁと通り過ぎたんですが、やはりどーも気になる。
R165を見れば、まだまだスタックしている車が続出していたので、もう一往復走ろうかと思い、R165合流直前にサイドターンをかまして、来た道を戻りだしたところ、さっきのスタックした車の前を通り過ぎたんですが、どーにも大丈夫そうには見えず、少し行った先でターンしてもう一度さっきの車の場所まで戻って話を聞いてみました。
すると、事態はわりと大変なことになっていて。
立ち往生していたのは、祖父母+兄弟・息子夫婦x2・孫x数人の大家族で、年越しを別荘で過ごそうと西日本からやってきた方々でした。
保養地へ向かう道は、かなり急勾配な坂道になっているんですが、完全に凍結路になっていてまったく車が進まなくなっていたんです。
しかも、道が凍結する前に先に別荘地に向かった車が2台いて、うち1台はすでに到着済み。もう1台は凍結路の最初の坂道を登りきった所で止まっていました。そして運の悪いことに、食料や毛布などの荷物は下で立ち往生している車の中。
つまり、メンバーの何割かが既に別荘の中にいて、食料もなしに閉じ込められた状態で、下で止まっている車は登れないからといって引き返すことが出来ない状況にあったんです。
JAFへ救出要請をかけるも、4~5時間はかかるとのことだそうで。(そりゃぁ今この青山で救出要請してる車が大量に出てますからね)
そういうことなら、このヴィッツで人と荷物を上まで運びましょう!( ̄ー ̄)+キラン
僕は決め顔でそう言ったのでした。
溺れるものは藁をもつかむとはまさにこの事で、普段なら絶対に関わろうと思わないだろう(笑)へんてこりんな車だったにも関わらず、まるで救援ヘリを見つけた遭難者のような顔で「すいません、お願いいたします」と、僕の提案を受け入れ、先に子供と奥さんとお婆さんと荷物の一部を乗せてヴィッツは発進しました。
・・・いや、発進しようとしましたの間違いです。
キュルキュルキュル~~~!!というケタタマシイ音を立てながら、まったく前に進まないどころか、後ろに下がり始めたmyヴィッツ。1速でも2速でも3速でも、ハンドルをぐいぐいやってもやはり無理。
完全凍結路の急勾配は、所詮FFのヴィッツでは歯が立ちませんでした。この時ほど、スタッドレスではなくスタッドタイヤが欲しいと思った瞬間はありませんでした。(ブラックロケットでも買おうかと)
さっきまでの「助かった!」オーラで晴れやかだった雰囲気は一変して、重苦しい空気に・・・
あれだけの決め顔( ̄ー ̄)+で言った手前、まったく進まない車に、なんかもの凄く恥ずかしい思いでいっぱいに・・・
ご家族の方々は「大丈夫です、歩きます。ご親切にありがとうございました」と、こちらを気遣ってくれるんですが、どー考えても、あれだけの荷物をかかえて、お爺さんやお婆さんに歩いてゆける距離と道じゃないんですよ。
こちらも、こーなったら意地でも何とかしてやると思いまして、ガレージに戻って出直してくることにしました。
ガレージに戻れば、普段現場作業に使われてる、直結四駆のできる軽トラがあるはずです。それはスタッドレスを履いてないけど、一昨年に買ってもらった他の軽自動車用のスタッドレスセットが使われずに置いてあったことを確認済みでした。そしてタイヤチェーンもあったはず。
軽トラ四駆+スタッドレス+チェーンの最強装備に、上れぬ雪道などありません。(っていうか、これで登れなきゃキャタピラ車でもなきゃ無理です)
相手の携帯番号だけ聞いて、すぐ戻ってくるから車の中で待っててくださいと言い残し、急いでガレージに舞い戻ったのでした。
幸い、渋滞はしてなかったので予想以上に早くガレージまで戻ってこれました。
戻ってすぐに、ガレージのブレーカーを立ち上げ、コンプレッサーON。
叔父に軽トラを借りて、インパクトを使ってスタッドレスへ颯爽とチェンジ。後輪にはタイヤチェーンを装備。
チェーンが一部破損していて手間取りましたが、約20分ほどで準備を整え、再び青山を目指しました。
現場に到着すると、二台の車と祖父母の方々が残っていました。話をきくと、息子夫婦らは、途中まで登った車に子供を乗せて、押して登って言ったそうな。なかなかの根性です。
ですが、どのみち降りてはこれないので、軽トラにお爺さん方と荷物を載せて、二往復して人と荷物を運びました。
最後に別荘の中で暖かいコーヒーとおいしいパンと、沢山のお礼を頂いて、その場から帰って参りました。
毎年、年越しはここの別荘で過ごすそうで、こんな事になったのは初めてらしいのですが、暗く寒い雪山の中で年越しすることにならずに住んでよかったです。あんな中で、高齢者の方が一晩過ごしたら、下手すりゃエコノミー症候群になっちゃいます。
たまたま、こんな時間から青山に走りに行くだなんて、酔狂な事をした結果、偶然にもこういった人助けが出来て、2010年の最後をいい感じに締めくくることができました。
実は、今日は朝から雪が降ってたら、店を臨時営業させるなんて話があったんですが、松阪は快晴だったのでそうはならずにすみました。
もし、朝から松阪でも降雪していて、店を開けていたら僕は青山には来てなかった。かといって、青山に雪が降ってなければ、やはり青山には行ってなかった。
いろいろな偶然が重なり、今回の救出劇となったわけです。(まぁ、雪ふってなければ、このご家族がスタッフすることもなかったですけどね)
ちなみに、今回あらためて軽トラの凄さというか、直結四駆の凄さを思い知りました。次に買う車の購入候補もFFの予定だったんですが、ハイテク4WDにしよーかなーなどと思ったり。
まぁ、当分買うお金が無いんですけどね。