本日は休日なれど、自宅の駐車場にて兄の車の修理を行っておりました。
話は先月まで遡ります。
ある日、エンジン冷却水、つまりはクーラント液低下の警告が出たので、「保水しといてくれ」と兄に言われて、オイル交換や定期的なタイヤ磨耗チェック(内減りが激しいので)のついでに、リザーブタンクのチェックを行いました。
リザーブタンクの蓋をあけると、確かにずいぶん減っている。
実は前々からLLCが減少する現象は出ていて、車検時にもチェックをお願いしていたのですが、特に異常なしということだったので、まぁエンジンもちょっと特殊なんで、BMのV8はこんなもんかと時折の保水をしながら走っておりました。
なので今回もとりあえず規定値まで保水して、他のオイル交換やタイヤローテーションなども終わらせてから、ちょっとした荷物の運搬ついでに片道30kmのガレージ往復ドライブへ。
そして翌日、別のメンテナンスで夜中にエンジンを始動させると・・・LLCの警告が。
まさかセンサーが壊れたのかと思って、リザーブタンクの蓋をあけると、昨晩規定値いっぱいまで入れたばかりのLLCの水位が激しく減少しておりました。
明らかに、どこからか漏れてます。(´・ω・`)
そこで、ライト片手にエンジンルームを覗き込むと、アンダカバーに水溜りが・・・
いろいろ見て見ると、エンジン前方のインテーク周りに、LLCの蒸発痕が多数あったことから、ラジエター回りから漏れている疑いが濃厚に。
おいおい、ラジエターでも割れたのか(;´Д`) と、カバーを外していろいろチェックしはじめこと20分・・・
おまわりさん、こいつです。(´・ω・`)
こいつが我が家にきて4年、国産車しか乗ったことのなかった僕には、驚愕の連続な壊れっぷり(ほぼ水・油回りで)を見せてくれたこのゲルマン紳士ですが、今度は粋な水芸を見せてくれました。かくし芸にはちょっと気が早いんですが。(´・ω・`)
そんでもって、故障箇所が特定できたので、部品商さんに該当の部品を発注してから、約半月。
ようやく届いたのが昨日のこと。
11月の余裕のある時に直すつもりだったのに、貴重な12月の休日に自宅で修理を行うはめに。(´・ω・`)トホホ
まぁ、修理作業自体はものの30分もかかりませんでしたが。
それもこれも、
何故か、同僚Yさんが持ってた、この専用工具のおかげです。(´・ω・`)
輸入車でよく使われている金属バンドをカシメルための専用工具なんですが、多分これがなかったらもっと苦労していたことでしょう。
なんでこんなレアな工具もってるのか、Yさんは謎な人です。
それにしても、今回の出来事はいろいろと面白い発見というか、考察ができるような気がします。
ゲルマンな車に乗られてる方はよくご存知かと思いますが、この車とにかく全身センサーだらけで、あらゆる異常をいちはやくオーナーに知らせます。
うちには、ある程度高級な国産車もありましたが、ここまでセンサーだらけではありませんでした。
ですが、今まで家にあった国産車はそもそも、新車からたかだか数年でこんな壊れ方はしませんでした。
この、東洋と西洋の車を比べたとき、ある考えが頭に浮かびました。
かつて、日本の工業製品が世界一の品質を誇った時代がありました。
自動車といのは、その国の工業技術の集大成であり、今ほどグローバルなモノづくりが行われていなかった昔は、自動車はその国の技術レベルを測るベンチマークにもなったといえます。
そんな中で、日本車の品質というのは、世界基準でみればオーバークオリティともいえる産物だったと思います。
日本の特異なところは、1億総中流とも呼ばれた国民生活からも解るように、平均値がとにかく高いことにあるように思います。
それはつまり、トップの親会社だけでなく、下請け・孫受けな町工場のレベルが高く、ネジ一本、ホース一本に至るまで、驚愕な高品質で作られる素地があったといえます。
これは、改造車の公認取得において業界の第一人者的パイオニアな方から教えて貰ったお話ですが、昔のクラウンのドライブシャフトの強度は、馬力で遥かに上回るベンツのそれよりも上だったそうです。
そんな、とにかくオーバークオリティ過ぎる部品を集めて作った車を売り続けた結果、海外では「壊れない日本車」という評価を得られるようになったわけです。
それに対して西洋の車。
西洋ってのは階級社会であり、日本とは比べ物にならないほどの格差社会なわけです。
ヒエラルキーのトップがもつ力はとても高い。
だから、デザインだとか、エンジン性能だとか、走行性能だとか、そういった花形的ポジションでは、スーパーなモノが出てきます。
でも、目立たない細かな部品の品質はそれなり。
というか、彼らにとっては、油や水なんて数年で漏れるのが”当たり前”という感覚であり、そういったものをオーナーがチェックするのも当たり前の文化だったりしたのではないか。
そういった文化の中で、特にドイツ人的な志向性をもって技術が発達していった結果、あのようなセンサーだらけの車が出てきたんではなかろうかと。
つまり、ドイツ車がとにかくセンサーだらけなのは、数年で壊れる各種補機類の問題を、「ドイツの科学は世界一ぃぃぃぃ!」的に何とかしようと色々努力して進化した結果なのかと思ったりなんかして。
まぁとにかく、もしこのトラブルが日本車でおきてたら、リザーブ水位低下なんてものには気づかず、ある日突然水温エラーが出て、オーバーヒートでエンジン終了なんて事にもなりかねなかったわけですので、ドイツ人のアプローチに間違いはなかったなと思うわけです。
・・・まぁ、そもそも生粋の日本車は5年でホース折れたりしませんけど。(´・ω・`)