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スタッフKのブログ一覧

2019年04月24日 イイね!

ハンドルまっすぐで右流れを直してみる 後編

さて、答え合わせの後編です。



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慣れない道具ながら、何とか4輪のトーを確認

・・・ん? まぢで?

いやいや、なんか使い方間違ってるかなー

いや、でも、反対側はこのやり方でまともな数字でてるし・・・

ということは・・・


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うわーお、右リアがちょートーインじゃねぇか.....

思考し易くするため、ホワイトボードに全体図を描いてみるとこうなる。


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まぢか......

フロントは案の定 全然問題なし。この程度のズレなんて、ハンドルの舵角がほんの僅か変わるだけで左右がほぼ0で一緒になるレベル。

しかも、ハンドルまっすぐでこの状態ってことは、ハンドルセンターのずれが原因で起きるのは右流れではなく左流れであるべきで、となると今回の右流れの原因は....


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こういうことである。


はてさて、このノートはリアはトーションビームなのでトー調整機構は無い。


これが足回りがちょっと贅沢な4輪独立懸架だと、だいたいリアのトーも調整ができる。


かつて、スバルの車が全てスバルであった頃のスバル車は、軽自動車までもが4輪独立で、リアトーも調整できたりなんかした。

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たとえば、こんな風に(´・ω・`)


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リアのサスペンションが左右で独立しているようなタイプだと、このようにリアトーも調整できる機構があったりする。


でも、一般的なFFコンパクトカーは、ほぼ全てのリアが左右が繋がってるタイプなので、リアのアライメント調整は出来るようんは造られていません。


なので、普通のタイヤ屋さんのアライメントだとここで終了だし、うちの店としても公式にはこれ以上やれる事はありません。

僕らが出来るのは、メーカーさんが「ここは弄っても良いですよ」と公式に認めている部分、つまりは最初から調整箇所が設けられている部分のみです。

ましてや、指定工場でもありませんので、この手の保安部品を社外パーツに取り換えなんてことも原則出来ません。(販売は出来ますけどね)


なので、これ以上先はチューニングショップの領域です。


まぁFF車のリアトーによるスラスト角での流れくらいなら、タイヤが早期摩耗するようなレベルでもありませんので、「この車はこういうものです」といって説明するしかないでしょう。 とはいえ、これで調整せずでは調整料金が貰えない(笑)ので、フロントのトーを合わせるくらいはするのでしょうか。

僕ならお客さんに事前に説明して、一応トーイン調整だけするか、測定だけで終わらせるか聞きます。 これは、最初の依頼内容がどういったものかでも変わりますよね。 依頼内容が、漠然と「特に困ってるわけでもないけど、アライメントを調整してほしい」なのか、はっきりと「右流れが起きて居るのを直してほしい」なのか。

前者ならフロントを調整しますけど、後者なら何もせずにお返しですね。何故なら、これをフロント弄って何とかしよとしても藪蛇にしからないと思うので。


この辺りがアライメント商売の難しいところだと思います。

お客様が何を求めているのかを事前によく聞いてから、アライメント作業に入らないと、お客様とお店の双方にとってWIN-WINな関係にはなりません。



ここまでが、うちで公式に出来るサービスメニューの領域です。p>

そして、ここからは非公式なメニュー(笑)



何故なら、この車は車検証上でも僕自身が所有する車ですので!(笑)

好き放題やっても問題が無いので、もう少し何とかならんかと弄ってみることにします。

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車の下に潜り込んで、リアの足回りを観察。
(本当にこのリフトは便利だなぁ)


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おや!?  この車のリアの造りはそーなってるんだ。 これは素晴らしい。 これならもしかして・・・



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ここをこーやれば、右後輪のトーだけアウトにずれるはず・・・



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さぁどうだ! 


って、 `;:゙;`;・(゚ε゚ )ブー!ーーーーーーー


アウトーーーーーーー!!!!


駄目です、ずれすぎです。


+40分が、ー1度30分てwww


2度も動いてしもたwwwww



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はい、やり直し!!!



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どうだ!!!(; ・`ω・´)


んーーー(´・ω・`)


さっきよりは大分マシだけど・・・・


+40分がー40分じゃ、多分右流れが左流れに変わるだけで、尚且つスタビリティ上悪化しとる・・・ これじゃ最初の状態の方が良いから、何も弄らない方が良いってことになるやん。


しかし、今手持ちの材料だけでこれ以上の調整は・・・ずれるのがトーだけでは・・・ まぁでも試してみるかな。

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三度目の正直!!

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キタ━━━━━━ヽ(゚Д゚)ノ━━━━━━ !!!!


ばっちりです! グッドラックです! ばっちり出ました!


まぁ、おそらくネガキャンも少しついてるはずですけど、同じ傾き量ではトーとキャンバーの直進性への影響は圧倒的にトーが勝ちますから問題ないでしょう。



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狙い通り、左リアには全く影響がありません。


フロントトーも調整する必要ナッシング。



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最終結果がこれです。


さて、さっそく試乗です。

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OK!

ばっちりだ!


めちゃくちゃ真っ直ぐ走るようになってます!!


イェ━━━━━ヽ( ゚Д゚)人(゚Д゚ )ノ━━━━━━イ!!



今までの右流れが、たんなるハンドルセンターのずれではなく、スラスト角のずれをハンドルで補正しながら走ってたなら、これでロスが減って燃費も向上するかもしれませんね。

まぁ、僕のこの車での普段の平均燃費が
11km/L
くらいなので、ほとんど変わらないでしょうけどね(笑)
(ちなみに、公称値は24km/lくらい走るはずw)


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勝利の美酒ならぬ美ラーメン。


深夜までやってくれてるお店はありがてぇ。




最後にご注意。

今回、どうやってリアトーを調整したかの詳細は割愛させて頂きます。
聞かれてもお答えできません。

何故ならば、これは足回りに理解があって何が危険かを解っているプロな方なら、説明なんかしなくても余裕で何やったのかを推察出来ていることでしょうし、
また、これを聞かなきゃワカラナイ方が、やり方だけ聞いて安易に真似してしまうのは大変危険だからです。

ちなみに、実は今回やった手法と同じ方法論で4独じゃないFF車のリアトーを調整するパーツが既製品としてあります。ですが、それは足回りの整備が出来るプロじゃないと使ってはいけない部類のパーツになりますので、もしご興味があるならば足回りに精通した経験豊かなプロがいるショップさんに相談してみましょう。

今回、僕からお伝えできる情報は「やろうと思えば、リアトーは変えられる」という事実のみでございます。(´・ω・`)ノ
Posted at 2019/04/24 13:37:44 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2019年04月23日 イイね!

ハンドルまっすぐで右流れを直してみる 前編

去年、高速コーナリングでのロール対策にKYBのサスキット入れてから、一度もとってなかった我が通勤快速号のアライメント。





月間走行距離も短いのでタイヤの摩耗も気になるレベルではなく、多分この車でこの程度の車高ダウンで開くフロントトーなどたかがしれとるだろうと放置してましてん。(´・ω・`)

まぁうちの店には系列のS鹿店やI勢店のような3Dアライナーも無いから、あんまり気軽に調整できないしっていうのもありました。

んが、不思議なもので3Dアライナーのない当店でも、時々アライメント調整のお仕事を頂くことがありまして。
そして、その場合は当店は受付窓口にだけなって、作業は系列店に外注で出して、お客さんに直接そっちのお店に行ってもらうというのが原則なんですが。

極々たま~~~~に色々な要因で、当店がお車を預かってアライメント調整作業までを完了させて納車という仕事もあったりします。

昔はスタッフが自走して系列店まで行くこともありました。
ですが、これってスタッフ一人がそれだけで半日拘束されてしまうロスと、そしてなによりお客様の車を公道で動かすという計り知れないリスクがありました。

昔と違って、今はスタッフ一人あたりの空いてる労働時間が少ないのでスケジュールのやりくりが大変だし、なにより自走リスクって危険性が青天井なので、規模が大きい会社ほど逆に出来ないなぁ…と、20代で突然中間管理職になってから幾星霜、様々なトラブルに巻き込まれたり起こしたりした人生を振りかえって想いに耽っていた矢先・・・

某高級大型ミニバンのアライメント作業のお仕事が入ったのです。

オプションてんこもりで、総額数百万円のピッカピカの新車をお預かりして、車高を下げて、某国産高級20インチアルミセットを取り付けて、アライメント調整までのフルコース。



この、価格もサイズもでっかい新車に乗って系列店まで自走?

・・・・(ヾノ・∀・`)ムリムリ


不退転の決意で、アライメントゲージをフライングで導入する事を決めた瞬間でした。(´・ω・`)






前々から目はつけてた、このゲージ。
何が良いってホイール側に取り付ける測定器の固定方法が、一般的な3Dアライナーみたくリムクランプタイプではなく、ハブボルトタイプなので、ホイールがどんなリム形状だろうと関係ない。(これ、一般的な普及価格の3Dアライナーで高級アルミホイール装着車のアライメントとった事がある人なら、有難さがよくわかるでしょう)

そして、このアライメント調整の目的は、事故車や原因不明の偏摩耗の原因を調べたいわけではなく、車高変化によるロールステアで規則的に動いたトーを整えるだけ。

だからキャスターやT.O.O.Tとか見れなくても問題ない。

そんなん、これで十分やん(・ω・)






3Dアライナーなら機械が全部自動でやってくれる各種補正を、人間がアナログ的にやらないといけない取っつきにくさはあるけれど。
(まぁアライメントの基礎の基礎もわかっていない子が、たかだか1日そこらの研修だけうけさせられてアライメント作業をやらないといけない現場でも、3Dアライナーなら何とかなってしまうテクノロジーの凄さはある)


しかも、うちは12年前の新規オープン当初にアライメント導入が計画倒れした名残で、超高級なアライメント用リフトだけがあるという宝の持ち腐れ状態。
このトーイン調整機使ってるショップさんは全国に沢山いるけど、こんな贅沢なリフトは使ってないよ(笑)


(すごいよこれ! ジオメトリーの変化が実測で確認できる!)

そんなわけで、前途したリスクを懇々と説明した稟議書を去年のうちに提出し陳情してみたところ、今年正式にうちの備品として導入してもらえたわけです。



系列店にある3Dアライナーに比べれば、1/100くらいの費用(笑)しかかかってないんだけど、少なからず会社のお金を投資して導入した以上は、投資分くらいの回収はせねばなるまいという現場責任者的義務感から、当店裏メニューの一員にアナログアライメント調整を加える為には、この道具に慣れとかんとあかんと、自分の車で実験してみようと思い立ったわけです。

ここまでが前置き(長すぎる)





昨日車検から帰って来たこの車。
日中にレジ金の両替に1km離れた銀行へ行ったついでに直進性を確認したところ、ハンドル真っ直ぐホールドで走るとわりと強い右流れが起きている事を確認した。(普段は無意識に舵角で補正をしてるわけですね)

今回のアライメント測定では、そんな右流れの原因を追究してみることにしました。(本当はタイヤが新品の時に見るべきですけど)

ここでクエッションです。

アライメントの測定前に、ハンドルまっすぐで右に流れる原因をみなさんで予想してみましょう。分かりやすいように3択にしてみます。

(1) フロントのアライメントに要因がある
(ハンドルセンターのズレもこれに含む)
(2) リアのアライメントに要因がある
(3) ホイールアライメント以外に要因がある


さぁ、みなさんはどれだと思いますか?

答え合わせは後編で
Posted at 2019/04/23 22:35:52 | コメント(2) | トラックバック(0) | 日記

プロフィール

「ドンマイ。先週の冷やしGFSの時は二時間前に行って三人目でした。来月の豆乳とか海胆とかの常連大本命品になってくると夜明け前から人が居ますよ @まー氏。@ぺた×2」
何シテル?   07/26 11:01
人生の大半をタイヤと共に過ごす男の哀愁を綴ったブログ。
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