
5月1日
ローマ最後の日。
イタリアの高速列車。 ”イタロ”の顔は昆虫を思わせユニーク。
私が乗るのは、いつもレッジオナーレ(ローカル列車)。
グリーニッシュブルーの車体はまるでスピード感がない。
だがローカル列車やバスはローカルな人でいっぱい。
その国の本当の顔が見える。
その国を肌で感じることができる。
ところでまったく頭になかったが、きょう5月1日はメーデー。
交通機関の大幅減便がある。
刻々と変わる時刻表。
既存の便がつぎつぎに消え
プラットフォーム番号も変わって落ち着かない。
プラットフォームで知り合った若いダニエラさん。
心配顔のわたしに
”大丈夫、一緒に行きましょう。私についてきて”
と地元の人は頼りになる。
やっとやってきた列車の2等車に乗ろうとすると
”1等車でいいのよ、いいからいいから”
と私の背中を押した。
ローマまで彼女とおしゃべりしながらの快適な旅。
一期一会・・・また思い出の1ページになった。
ありがとうダニエラさん。
さてローマでの残り少ない時間をどうしようか・・・
観光する時間もない。
そうだ、トモコさんのリストランテへ行こう。
トモ子さんに会ったいきさつは、イタリア初回にさかのぼる。
初めてのイタリアで、ちょっとした事件に巻き込まれてしまった。
20年近い海外歩きで、ただ一度の苦い経験・・
次男が日本からイタリアの日本大使館にジカ談判・
高橋さんという大使館員の方が
有事のとき駆け込み寺になっているトモ子さん宅へ
”よしなにお世話してあげてください”
と要請してくださった。
お二人には一方ならぬお世話に。
トモコさんは今では二つのリストランテの女将。
ローマ、テルミニ駅から歩いて行ける、立地条件のいい一角にある。
忙しい彼女は店に居なかった。
イタリア最後の晩餐にしては軽い夕食。
でもいろいろな経験を楽しめた今回の旅の
締めくくりにふさわしい、静かな・・・・・・
と感慨にふけっていると、
”あなたが来ているというから会わなくちゃと思ってね”
と、女将さん登場。
![20160608090217aa4[1]](https://blog-imgs-133.fc2.com/s/i/l/silverinnisfree/2020051019410446a.jpg)
今も変わらない
いやさらに磨きがかかったその毒舌ぶり。
群れの中で個を抑え、迎合してしまう日本人の体質、
社会性が嫌になり日本を飛び出した彼女。
イタリア人と結婚し、二つのリストランテを経営。
老後は老人ホームでイタリア人のバーさん達と丁々発止と
やりあうのを今から楽しみにしていた。
ほんとは日本を愛している彼女・・
いつまでもお元気で。
ワインをごちそうになりながらの楽しいひと時が
ローマの最後の晩餐になった。
翌朝シャトルバスで空港へ
バスの車窓から コロッセオがみえる。
Arrivederci, Rome!
さようなら・・ ローマ
Posted at 2020/05/10 18:24:52 | |
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