メルセデス・ベンツSL、熟す

■既に新型登場の噂も出始めたメルセデス・ベンツSL。先週試乗したのはそんな中でも最も小排気量な350でした。新たに広報車として導入された理由は、350にもABCが装着できるようになったからであります。

■で、乗ってみると良いですね。メカサスの350もいいなぁと思ってましたが、ABCになるとやはりさらに良い。心がとっても癒されます。ま、手が出ないクルマではありますが。

■で、思うのはドイツ生まれのSLですが、日本で乗っても”確実に良い”と思える乗り味走り味があることです。よく日本の自動車メーカーのエンジニアの方との話で、その地域に相応しいセッティングがある、という話になるのですが、ではなぜドイツ生まれドイツ育ちのクルマが日本の道路でも良いと思えるのかなぁ、ということ。

■燃費と環境の時代にあって、パワーユニットにおいては”大は小を兼ねない”と言える部分もあると思いますが、シャシー技術に関していえば”大は小を兼ねる”と思います。つまり、日本とは圧倒的に異なる領域にまで対応したクルマのシャシーは、日本の道路環境にもフィットする、ということ。まぁ、その意味では大は小を兼ねる、ではなく、深みは浅さをもいなす、ということかもしれません。

■無駄な性能、というのはなくて、高性能はその手前の領域を確実にカバーしている、と。そう考えると特にシャシーの性能というのは、これでよし、というのはないでしょうね。

■またまた高価なクルマを例えに出すので判りづらい話ですが、これもまた価格の高低には関係ない話であります。だってこれがVWポロでも、やはり同じ話なのですから。そう考えると、日本車のもの足りなさのひとつの要因はここにあるかなぁ、やはり。

■はっ！　いつのまにか本題のSLから話がそれたw　で、その優しい乗り味走り味にはやはり熟成という言葉が相応しいなぁと思えた次第。こういう感覚をえると、真摯だなぁと思います。ホント。