
8日の東京株式市場で日経平均株価は続落し、終値は前日比844円72銭(1.63%)安の5万1117円26銭でした。
日中対立激化の影響を受ける可能性がある製造業が続落したほか、上昇に転じない実質賃金を懸念して小売り業界など内需株も下落しました。
これから本格化していきます2月期決算企業の決算発表にも警戒感が広がりつつあります。
前日の米株式市場でハイテク株が下落した流れを受けて、東京エレクトロン、アドバンテストなどが下落しました。米国ではトランプ大統領が大手機関投資家の戸建て住宅購入を禁止する措置を講じると発表しました。不動産投資を手掛ける米投資会社の株価が下落しました。米国で住宅事業を手掛ける住友林業にも売りが波及しました。
中国のレアアース(希土類)の輸出規制を懸念して、トヨタ自動車など製造業が続落しました。高市首相の台湾有事を巡る国会答弁に端を発した日中対立で、中国は日本向けの輸出で軍事転用の可能性がある品目に対して規制を強化すると発表しました。レアアースを巡って供給懸念が浮上。製造業の株価は低調でした。
地政学リスクを巡る外患に加えて、国内ではなかなか上昇に転じない実質賃金が内需株の重荷になっています。厚生労働省が8日に発表した2025年11月の毎月勤労統計調査(速報)によりますと、実質賃金は前年同月比で2.8%減りました。物価上昇に賃上げが追いついておらず、25年1月以来11カ月連続のマイナスとなりました。
食品や鉄道、通信などの内需株が下落しました。7日に26年2月期の連結純利益の上方修正を発表したイオンも売りに押されました。純利益が最大で前期比2.6倍の700億円になりそうだと発表しました。最小値は600億円で、従来予想から上方修正しました。市場予想の平均も上回りましたが、買収したツルハホールディングスの業績を織りこんだだけで増益幅にサプライズはないとの見方が広がり、売りが優勢となりました。
小売りなどが多い2月期決算企業の決算発表を前に、消費マインドの低迷を懸念する声が出ています。
2026年はインフレや利上げが投資テーマの一つで、悪影響を受ける小売株は嫌気されています。消費マインドが改善せず、価格転嫁ができないという懸念も拭えません。
日経平均が今年に入り最高値を更新するなど、決算発表を受けての株高のハードルは高くなっています。
7日に25年3〜11月期の連結決算を発表したエービーシー・マート株も下落しました。韓国や関税政策の影響を受けた米国の低迷が響き、純利益が前年同期比1%減の337億円でした。
日中対立による中国からのインバウンド(訪日客)の減少は、例年は渡航者が増える春節の2月かけて、売上への影響が顕著になります。外交リスクと上がらない実質賃金の「内憂外患」への警戒感はしばらく続きそうです。
Posted at 2026/01/08 21:06:48 | |
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