2022年03月08日
中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は8日、フランスのマクロン大統領やドイツのショルツ首相とウクライナ問題をめぐってオンライン協議を実施した。中国国営中央テレビ(CCTV)によると、習氏は米欧日のロシアに対する経済制裁に反対を表明した。大規模な人道危機を防ぐために「最大限の自制」を求めた。
習氏は「(米欧などの)制裁は世界の金融、エネルギー、交通、サプライチェーンの安定に衝撃を与える」と発言した。「新型コロナウイルスの流行のもとで世界経済の足を引っ張り、各当事者にとって不利になる」と続けた。米欧日の制裁でロシア経済は大きな打撃を受ける可能性があり、ロシアの立場を擁護した。
習氏は欧州連合(EU)やロシア、米国、北大西洋条約機構(NATO)の名前を挙げて「平等な対話を展開することを望んでいる」と話した。「緊迫した情勢がエスカレートし、暴走することを避けるのが急務だ」とも指摘し、今後も仏独など欧州側とウクライナ問題について話し合いを続けていく方針を示した。
7日の記者会見で中国の王毅(ワン・イー)国務委員兼外相は国際社会とともに必要に応じて仲裁する考えを示したが、具体策に言及しなかった。習氏も仏独首脳に「仲裁のために取り組んだ努力を称賛する」と述べただけだった。当面は当事者間の話し合いを促し、中国に責任が及ばない方法を検討しているとみられる。
中国は今年の秋に共産党幹部を決める5年に1度の党大会が控えている。仲裁に失敗すれば習指導部のメンツにもかかわるだけに、直接の関与には慎重だ。
Posted at 2022/03/08 22:47:40 | |
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2022年03月08日
ウクライナ当局は8日午前、ロシア軍に包囲されている北東部スムイなどで住民の避難が始まったと発表した。戦闘が続く地域で交戦を一時停止して住民を安全な場所に移動させるルート、いわゆる「人道回廊」を設けて避難が始まるのは、ロシアのウクライナ侵攻開始後初めて。安全で円滑な住民避難が続けられるかが今後の焦点となる。
両国は、スムイからウクライナ中部ポルタワに抜ける避難ルートの設置で合意した。ロシア側は同日、スムイのほか首都キエフ、第2の都市ハリコフ、南東部マリウポリ、北部チェルニヒウの5都市で「人道回廊」を設定したと発表した。ウクライナ当局の発表によると、キエフ近郊のイルピンやマリウポリでも避難活動が始まっているという。
ただ、ウクライナ外務省報道官はマリウポリからの避難ルートに「ロシア軍が砲撃している」とツイッターに投稿し、ロシア側が停戦合意に違反したと主張した。住民避難で混乱が生じる可能性もある。
「人道回廊」を巡っては5、6日に両国がマリウポリなどを対象に設定することで合意したものの、交戦停止の時間になってもロシア軍の攻撃が続いたため、2度にわたり住民の避難を見送っていた。7日にはロシア側がキエフなどに「人道回廊」を設置すると一方的に発表したものの、退避先がロシアかベラルーシに限られたことからウクライナ側が反発していた。
ロシアとウクライナは7日、停戦を巡って3回目の対話を隣国のベラルーシで開いたが、停戦への道筋は描けなかった。
Posted at 2022/03/08 21:37:46 | |
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