2022年04月05日
米テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が米ツイッターの株式9.2%分を取得し、大株主に浮上したことが4日、明らかになった。ツイッター共同創業者のジャック・ドーシー氏は業績低迷などを受けて2021年11月にCEOを退任したばかり。同氏と盟友関係にあるマスク氏の株式取得の狙いは何なのか。3つのポイントから読み解く。
(1)株式取得の意図は?
ツイッター上で8000万人超のフォロワーを抱え奔放な発言を続けるマスク氏は最近、SNS(交流サイト)運営企業によるコンテンツモデレーション(不適切な投稿の監視作業)への不満を訴えるようになっていた。今回のツイッター株取得は、こうした独自の問題意識に基づく行動だとみられている。
マスク氏は3月下旬には「民主主義が機能するためには言論の自由が不可欠だ」とツイートし、同じ投稿のなかで「ツイッターはこの原則を厳格に守っていると思うか?」というアンケートを実施した。203万件を超える回答の70.4%が「いいえ」を選び、SNSの変革に意欲を示すマスク氏に「大義名分」を与えた。
ツイッター株の取得は実際にはこうした投稿よりも前の3月14日までに行われた。先週末の終値ベースで試算した取得額は28億ドル(約3400億円)超に上る。マスク氏は21年末に自ら保有するテスラ株の一部(約160億ドル分)を段階的に放出して一部を現金化しており、今回のツイッター株取得に使われた可能性がある。
米議会ではSNS運営企業に幅広い免責を認めてきた通信品位法230条を改正し、掲載コンテンツへの法的責任を負わせようとする動きがある。SNS上で言論の自由が重視されるべきだと訴えるマスク氏の主張は、こうした規制の流れにも異議を申し立てるものだ。
(2)経営陣との関係は?
ツイッターは日米で高い知名度を持つが収益化ではライバルの米メタ(旧フェイスブック)の後じんを拝し、株価は低迷していた。アクティビストの米エリオット・マネジメントは20年春にドーシー氏の退任を要求。同氏は21年11月末にCEO退任を余儀なくされた。
マスク氏とドーシー氏はともに暗号資産(仮想通貨)「ビットコイン」の熱烈な支持者として知られる。両氏はツイッター上で頻繁に「公開メッセージ」をやりとりする間柄で、21年にはドーシー氏の呼びかけに応じてマスク氏がビットコインの関連イベントに登壇するなど考え方が近い。
一方、ドーシー氏の後任として21年11月にツイッターCEOに昇格したパラグ・アグラワル氏とマスク氏の関係は微妙だ。マスク氏は同年12月、アグラワル氏がドーシー氏を水の中に突き落としているようにみえるミーム(ネット上の面白画像)をツイッターに投稿し、両氏の間の確執をほのめかした。今回の株式取得は現体制の否定と、「前任者」への支援表明と見る向きもある。
(3)今後の展開は?
米ブルームバーグ通信の「ビリオネア(億万長者)インデックス」によると3日時点のマスク氏の純資産は2730億ドルで世界首位。そのほとんどはテスラや米スペースXなど自ら設立に関与した企業の株式評価によるものだ。マスク氏が純投資目的で上場株を購入するケースはまれとされ、ツイッターの経営にも積極的に関与する構えとみられている。
米ウェドブッシュ証券のダニエル・アイブス氏は4日付のリポートの中でマスク氏のツイッター株取得について「始まりにすぎない」と指摘。「より積極的な所有権の獲得につながる可能性がある」との見通しを示した。米国内ではSNS業界の再編の呼び水になるとの予想も広がる。
アグラワル氏は20年に米メディアとのインタビューで「我々の役割は(言論の自由を保障する)合衆国憲法修正第1条に縛られることではない」と述べ、批判を浴びたこともある。ツイッターは5月25日に定時株主総会を予定する。マスク氏が今後、言論の自由を守ると主張しながら、現在の経営を主導するアグラワル氏やエリオットとの対決姿勢を表明する展開もありそうだ。
Posted at 2022/04/05 22:12:13 | |
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2022年04月05日
米財務省がドル建てロシア国債の満期償還や利払いで米金融機関の手続きを承認しなかったことが4日、明らかになった。ウクライナでロシア軍が市民を虐殺した疑いがあることを踏まえ、ロシアへの制裁を強める狙いだ。利払いや償還が約束通り果たせないデフォルト(債務不履行)にロシアが陥るのも近いとの懸念が広がっている。
ロイター通信が伝えた。米財務省は米国の金融機関にある口座からドル建てロシア国債の償還や利払いをする手続きを停止した。そうした支払いを中継するJPモルガン・チェースは手続きの承認が当局から得られなかったという。
米政府は米金融機関に対してロシア中央銀行との米ドル取引を禁じる一方で、国債の利子や元利金の返済については5月25日まで許可すると通知していた。投資家への影響を軽減するための措置だ。
4日に満期償還を迎えたドル建て国債は約20億ドル(約2500億円)。3月末にロシアの通貨ルーブルを用いて72%を買い戻しており、市場に残っているのは5億ドル程度とみられる。
支払いにはもともと30日間の猶予期間があるが、米欧の経済制裁でロシアの外貨準備は凍結されている。ルーブルを用いた買い戻しでいったんはデフォルトは回避できたとの見方が浮上したが、米側の制裁強化で再びデフォルト懸念が強まっている。
Posted at 2022/04/05 22:06:27 | |
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2022年04月05日
ホンダは5日、米ゼネラル・モーターズ(GM)と共同開発する量販価格帯の電気自動車(EV)を2027年以降に世界で発売すると発表した。両社で車台や部品の生産設備の共通化も進める。日本や米国、中国など両社の世界の工場で生産する。ホンダは24年に、GMと共同開発したEVを米国とカナダで販売することをすでに発表している。GMとのEV協業を世界向けにも広げて電動車シフトを加速する。
GMが開発したリチウムイオン電池「アルティウム」を使い、車両を共同開発する。まず北米で発売し、日本や中国、欧州などへの拡大を検討している。ホンダは21年6月、GMと共同開発した多目的スポーツ車(SUV)のEV「プロローグ」を24年に北米で販売すると発表した。27年以降に発売するEVは新たに開発する車台を採用する。ホンダとGMが手掛ける初の世界市場向けEVとなる。
ホンダは40年に乗用車の新車の全てをEVか水素燃料電池車(FCV)にする方針を掲げている。電動化へのシフトを進めており、22年3月にはソニーグループとEV事業で提携し、共同出資会社を設立することも発表した。
Posted at 2022/04/05 22:03:03 | |
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2022年04月05日
1~3月の外国為替市場は円の弱さが目立った。通貨の総合的な強さを示す「日経通貨インデックス」では世界の主要25通貨でロシアのルーブルに次ぐ大幅な下落率となった。世界で広がる金融引き締めの流れのなか緩和維持の姿勢が際立ったほか、資源高による経常収支の悪化で構造的な弱さも意識され「安全通貨」の面影は薄れつつある。
名目実効為替レートの一種である日経通貨インデックス(2015年=100)で22年3月末時点と21年12月末を比べた騰落率をみると、主要25通貨のうちロシアの通貨ルーブルが下落率11.7%と最大の下落幅となった。次いで大きく下落したのが日本円だ。
日本円の下落率は5.7%と、下落率が次に大きい台湾ドル(2.6%)や英ポンド(1.7%)にも大きく離されている。対ドルでは一時15年8月以来となる1ドル=125円台まで下落した。直近1カ月に限れば、円は対ドルで6.9%下落しており、通貨の信認が問題視されるトルコのリラ(対ドルで3.3%下落)よりも売られている。
円安の直接の要因は、米国をはじめ海外の中央銀行の多くが金融の引き締めを急ぐなか、日銀が金融緩和を続ける姿勢を強めたことにある。米連邦準備理事会(FRB)の利上げが加速するとの観測から米金利が上昇し、日本の金利にも上昇圧力がかかったが、日銀は一定の金利水準で無制限に国債を買う「指し値オペ」といった手段で金利を低位に抑え込む強い姿勢を示した。
だが、円安の底流にはもっと根深い構造要因が横たわる。
資源高で輸入額が膨らみ、1月の経常収支は過去2番目となる大幅な赤字となった。「日本のエネルギーや食料の自給率の低さが露呈した。構造的な問題が解決しなければ、貿易赤字を背景とした円安は続く」と分析する。
円は長くリスク回避目的で買われやすい「安全通貨」とみられてきた。日本が毎年経常黒字を積み上げ、巨額の対外資産を抱えるためだ。市場参加者にリスク投資を回避する「リスクオフ」の機運が強まると、日本の投資家には海外資産を日本に戻す「本国回帰」の円買いが起きやすいとされるほか、経済活動に伴う実需の円買いが安定して続き、円を支えるとの見方が定着してきた。
今回は状況が一変した。2月24日のロシアのウクライナ侵攻を受けて市場が動揺しても円高圧力は強まらない。3月はむしろ円の独歩安が加速した。1月に経常赤字に転落したことに加え、他の先進国に比べ経済成長率が低い日本を投資マネーが回避していることもリスクオフの円買い消失につながった。
日銀の黒田東彦総裁は「堅調な米国経済とそれに伴う(米国の)金利上昇」としてドル高の要素が大きいとの見方を示し、「円の信認は失われていない」とも強調する。だが「円固有の材料が嫌気されている印象は拭えない」との指摘もある。
中国の人民元は中銀が金融緩和に動いているのにもかかわらず、堅調な推移が続く。中国人民銀行(中銀)は21年12月と今年1月に2カ月連続で利下げを実施。通常であれば通貨安が進みやすい局面だが、好調な製造業の輸出を背景とした実需の人民元買いが元相場を支える。経常黒字が通貨買いを支える、かつての円のような構図だ。
1~3月に上昇が目立ったのは資源国通貨だ。ブラジルレアル(18.4%)や豪ドル(4.8%)、ノルウェークローネ(4.1%)などの上昇が目立つ。ブラジルはインフレ対策としてFRBの金融正常化に先行して21年3月から9会合連続の利上げを実施したことが追い風となり、3月29日に対ドルでは1ドル=4.78レアル台と20年3月以来となる高値をつけた。
非資源国でも資金が流入しているアジア通貨もある。タイバーツの上昇率は1.9%と堅調だ。タイは1997年のアジア通貨危機の引き金となった経験から、対外収支の改善や外貨準備の積み増しを進め、円とは対照的に通貨の「安全性」を高めつつある。
日銀の黒田総裁は「円安が経済・物価にプラスとなる基本的な構図は変わっていない」との説明を続ける。だが、製造業が工場を海外に移転するなど円安が経済にもたらすメリットは薄れている。円安進行による輸入物価の高騰が家計の負担増などを通じ、経済を下押しする「悪い円安」の懸念が一段と強まっている。
Posted at 2022/04/05 21:59:50 | |
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2022年04月04日
米テスラ創業者のイーロン・マスク氏が米ツイッターの株式9.2%を取得したことが4日、分かった。米証券取引委員会(SEC)の4日付の資料で明らかになった。マスク氏はツイッター株7348万6938株を取得し、同社の筆頭株主になったとみられる。
マスク氏が取得したツイッター株の価値は、4月1日の終値から試算すると28億ドル(約3400億円)以上となる。マスク氏はツイッター上で多くの情報を発信し、消費者や投資家らと意思疎通をしてきたことで知られる。2021年11月には自身が保有するテスラ株の売却への賛否を問う投票もツイッター上で実施した。
一方、直近はツイッターに対して批判的なツイートを発信しつつ、新しいソーシャルメディアの創設を「真剣に検討している」との考えを明らかにしていた。
Posted at 2022/04/04 20:36:15 | |
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