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2009年12月13日

SAIに乗ってみました

SAIに乗ってみました  プリウスの爆発的人気真っ只中のトヨタからデビューした注目の新ハイブリッドカー・SAI(サイ)に乗ってみました。
 グレードはG、ボディカラーはブラックです。
 この車、発表は10月20日でしたが、今月7日に発売されディーラーに試乗車が来たので早速乗ってきました。


○だった点
・ハイブリッド車として洗練されてきた運転感覚
 初代プリウス以来のトヨタのハイブリッドカーの運転フィールといえば、停止直前のカックンブレーキ、CVTと回生ブレーキによる減速時の過剰な引っ張られ感など、いかにも過渡期を感じさせるものでしたが、最新ハイブリッドであるSAIはそういったトヨタハイブリッドのネガティブな部分をほとんど感じさせず、普通の車として運転できます。停止直前のカックンブレーキは多少あるものの、先代プリウスなどと比較するとほとんど問題にならないレベルです。
 現行プリウスとの比較でも、プリウスでは減速時の「キーン」というインバーター音やカックンブレーキが気になるのですが、SAIはほとんど気にならず、世代が一つ新しいなという印象を受けます。

・快適性の高い室内
 ハイブリッドなので、特にエンジン停止時の静かさは特筆ものです。エンジン始動中もロードノイズ・風切り音も含めクラウンよりも静かに感じます。
 試乗車は18インチホイールが装着されたGグレードだったのですが、乗り心地も快適でした。マークXに比べても突き上げ感が少なくて当たりが柔らかく、18インチを履きこなしている印象です。ワインディングや高速では印象が違うのかもしれませんが、こと街乗りの乗り心地に関してはトヨタセダンの中でも最上の部類ではないでしょうか。
 
・フラットな後席足元
 後席床面中央の排気管を通すための盛り上がりがほとんどなく、足元空間が広々としています。
 最近は軽自動車でも床面がほぼフラットな車もありますが、実際の空間以上に足元が広く感じられますね。

・ナビが標準装備
 最近のトヨタの車はプリウスをはじめ、一見価格が安く見えても実はナビがなかったりオーディオレスのため、ナビを装備するためのオプション料金が高額で結局は総額が高い…ということが多いのですが、SAIは最初からナビを標準装備しています。SAIクラスの車なら今やナビは常識的なので、標準装備の方がいいでしょうね。

・レクサスHSよりもバランスの良いスタイル
 兄弟車であるレクサスHSよりも車体前後デザインを変える事により、10cm近く全長が短縮されていますが、その分前後オーバーハングが短くてバランス良く軽快に感じます。高級感を演出するために、逆になんとなく間延びしているHSよりも好ましいスタイルですね。


もう少し頑張って欲しい点
・圧倒的ではない燃費性能

 10・15モード燃費で23.0km/LとプリウスLの38.0km/Lよりもかなり数値が劣ります。排気量が1.8L→2.4Lと拡大していますし、SAIはプリウスほどには燃費指向が強くない(=モーターで走行する割合が低い?)ので数値を追い求めていないのでしょうが、それにしてもちょっと悪化度合いが大きいように思います。

・エンジンがかかった際の音と振動
 ハイブリッド車の宿命ではあるのですが、エンジン始動時の音と振動が気になります。特に冷間時にはちょっとびっくりするぐらいで、レクサスGSハイブリッドなどよりも明らかに音・振動対策のレベルが低いです。
 この車のエンジンはブレイド、アルファードなど多くのトヨタ車に搭載されている2AZ型のバリエーションである2AZ-FXE型ですが、2AZ系はいかにも大排気量の大衆車用エンジンといった感じのガサガサした音なので、あまりSAIクラスの車のキャラクターに合ってない気がします。

・掴みづらい車両感覚
 フロントウインドウの下端が高いため、前方の見切りが悪いです。試乗車にはメーカーオプションのフロントモニター(クリアランスソナー・バックソナー込みで84,000円)が装着されていて、これは有効ではあるのですが、安全性にはまず直接目視による視界確保が重要だと思うのですが…
 余談ですが、最近のトヨタの車はなぜどれもウインドウ下端を高くして前方の見切りを悪くしてるんでしょうか?対歩行者の衝突安全対策でボンネットとエンジンのヘッドとの間隔を取らなければいけないことは理解できるのですが、前方視界に圧迫感があり見切りが悪い車ばかりなのはちょっと問題がありますね。

・あまり広くない室内空間
 プリウスよりもSAIの方がボディ外寸は大きいのに、室内空間はあまり変わりません。後席は足元こそ余裕がありますが、頭上空間は上部・側頭部ともややタイトで、1.5m近い全高の車とは思えないパッケージングです。

・高級車の格好をしていない
 レクサスHS同様、全長が長くなくて全高が高く、キャビンが大きいというハイブリッドカーらしい外観ですが、初代プリウスやビスタアルデオに似ていて高級車には到底見えません。
 クラウン、マークX、レクサスGS、ISなどトヨタの後輪駆動高級車はフロントオーバーハングを短く、リアオーバーハングを長く、キャビンを小さく低く見せるといういかにも上級セダンらしい外観なのですが、SAIはこのスタイリングの定石からは外れています。これが新しい時代の高級車のスタイルなのかもしれませんが…

・レクサスHSとの住み分け・ブランドイメージ確保は大丈夫?
 SAIはレクサスのハイブリッド専用セダン「HS」と基本骨格・プラットホームを共用する兄弟車ですが、これとの住み分けは大丈夫なのでしょうか?
 これまでレクサスは、日本国内においてトヨタブランド車のバッジエンジニアリングによる兄弟車は販売しないとしていました。例えばISとマークXなどのようにプラットホームはトヨタ・レクサス間で共用するものの、実際には全く別の車…というのが従来のやり方でしたが、SAIとHSは実質的にほぼ同じ車といえます。SAIはともかくHSはこれでブランドイメージの確保は出来るのでしょうか?

・プリウスの納車もまだなのに…
 プリウスは未だに販売は絶好調で、carviewのニュースにも12月受注分は来年6月以降の納車になるとありました。生産工場が違うので一概には言えませんが、それだけ受注が逼迫しているのなら、まずプリウスの受注残を納車してしまってからSAIやレクサスHSを発売するのが顧客に対する誠意だと思います。


総評
 この車はおそらく意図的にプリウスよりもハイブリッド感が薄められており、日常使用の違和感が少なく普通の車として使う事が出来ます。ただ、その分燃費性能もあまり驚くほどのものでもないのですが、この車がターゲットにしているのは、従来マークⅡ、プログレ、ウインダムなどトヨタ製高級車を乗ってきた中高年の方なのでしょうから、あまり極端に燃費性能を追求するより、使い勝手の良さや違和感のなさを重視したのでしょう。
 
 それゆえこの車のハードについては特に大きな問題もなく、普通のトヨタの車だなあという印象ですが、この車の本当の問題は上記の通り、
①とうとうレクサスブランドとトヨタブランドのバッジエンジニアリング車が発売されてしまったこと
プリウスやレクサスHSの大量の受注残があるにもかかわらず、次々にハイブリッド車を発売するトヨタの顧客軽視の姿勢
の2点に尽きるように思います。

 ①については、レクサスブランドの日本展開の際に、トヨタブランド車のバッジエンジニアリング車(と前輪駆動車)は販売しないと宣言していたはずですが、それが反故にされてしまいました。SAIはともかくレクサスオーナーはこの点をどう受け取るのでしょうか?
 ここ最近、RXやHSの発売によって上向いてきたレクサスの日本国内での販売ですが、依然として苦戦が続いています。(それは国内自動車市場全体の問題ですが…)
 高級ブランドはどんなに苦しくてもあまり安易な拡販策に頼らず、地道に長い時間を掛けて本当に上質な車だけを販売するべきではなかったかと思うのですが…
 
 ②については、一体何故今のタイミングでのSAIの発売なのか理解に苦しみます。エコカー減税や補助金、エコカーブームで勢いのある今、ハイブリッド車を立て続けに投入して市場を支配したいというトヨタの意図が見え見えです。景気が後退している今、内需拡大・消費拡大して世の中に金を回さなければいけませんが、ブームに踊らされないよう、我々消費者も賢くならなければいけませんね。


↓関連試乗記 こちらも是非↓
プリウス試乗記
マークX試乗記
レクサスIS試乗記
アルファード試乗記
インサイト試乗記
ブログ一覧 | 新車試乗記 レクサス・トヨタ編 | 日記
Posted at 2009/12/13 20:06:15

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この記事へのコメント

2009年12月13日 20:23
>・プリウスの納車もまだなのに…

これは僕も思います。SAIは納車までどのくらい待つのでしょう??
コメントへの返答
2009年12月13日 22:02
営業氏に聞いたところ来年の6月になるそうで、プリウスもそのぐらいだそうです。

納車までの間つなぎに1台車買ったほうがよさそうですね(笑)
2009年12月13日 20:33
最近のトヨタの戦略は間違っている気がしますね

仕事の関係上、これ以上は控えますが・・
コメントへの返答
2009年12月13日 22:06
流行ってるとなったら右ならえの日本の国民性を、トヨタというメーカーは非常によく理解してますね。
プリウスは(現状ほどではないにせよ)コンスタントに売れそうな気がしますが、SAIとHSはある時ぱったりと売れ行きが止まりそうな気もします。
(それもトヨタは織り込み済みでしょうけど…)
2009年12月13日 20:43
ワタスの車の半年点検の時に置いてあったような…。

クラウンハイブリッドとプリウスの間にどうにか造った感が否めません。

思うんですが排出ガスのクリーン化を目指すのは理解できるんですが、工業排出のほうがクルマの排ガスのウン倍って数値ですよね。結局メーカーは排ガスの数値しか公表しないで、車1台造るのにどれだけの資源を使ってるかは公表してません。

結局一般ユーザーがやってることはエコロジーじゃなくってエコノミーなだけです。

コメントへの返答
2009年12月13日 22:10
1台の車を長く使うのがエコロジーだと思うんですが、みんながそれをやってしまうと世の中にお金が回らないですし、難しいところですね…

「使える車を長く使うのがエコなことはわかってはいるけど、女房と畳と車は新しいほうが…」と考える人が多い現状、エコカー減税+補助金や次々と出てくるハイブリッドカーは、車を買い替えることの免罪符になってるんでしょうね…
2009年12月13日 20:45
HSと兄弟車…確かにスタイルはSAIの方がバランスいいですね

でも、トヨタ(レクサスLS以外)のHVはテールランプをクリアにするんでしょうか?
正直、品がなく見えます(爆)

2.4のエンジンって中国製でしたっけ?
だからガサツという訳じゃないんでしょうが、世界最高峰のV6を作れる会社なんだから、早くこのクラスのエンジンも新開発して欲しいです!
コメントへの返答
2009年12月13日 22:16
あのテールランプはいただけないですね。
クリアだけならともかく、青色を入れてたりするのはヤンキーセンスですね。

2.4Lは4気筒としてはかなり排気量が大きいので、どうしてもがさつなフィールになりますし、他社のエンジンも似たり寄ったりなのですが…

そもそもトヨタに限らず他社も2.3~2.4Lは6気筒ではなく直4っていうのが解せないです。
一昔前は2Lでも6気筒で、シルキーなフィールのエンジンが多かったのに…
2009年12月13日 20:51
今度はサイとHSの乗り比べレポをよるしくお願いします。

しっかし、待ってまで買いたいとひきつける魅力とはどんなとこなんでしょうか??
プラント内で、現行プリウス、現行クラウンHV,インサイト、LS600hL、RX450hは見ますが、SAI&HS250hはまだ見ていないです。
コメントへの返答
2009年12月13日 22:19
>サイとHSの乗り比べレポ
ワーキングプアの私に、あの敷居の高いレクサス店に行けとおっしゃるのですか?wwwwwww

でも、実際問題HSには乗ってみようと思いました。

トヨタの上級セダンを買う人は車自体の魅力ってそう気にしてないでしょうね。トヨタだから買う、知ってる営業マンだから買うって人が大半でしょうから…
2009年12月14日 8:21
サイだーーー!
私も乗ってみたいです。
でもどういう位置づけなんでしょうね?
よくわかんないです。。
コメントへの返答
2009年12月14日 14:31
トヨタの車って耐久性が高いので、10~20年前のトヨタ製高級車、マークⅡ、クレスタ、クラウン、ウインダム、プログレ…といった車が未だにゴロゴロしてますが、そういった車の代替の受け皿というのがメインでしょうね。

中高年の方にとって、プリウスでは小さすぎるし安っぽいし、都落ち感があるが、SAIぐらいの大きさと価格なら…ということでしょうね。
2009年12月14日 8:45
レクサス店・・・、以前きちゃない作業着でムーヴに乗って行きましたが門前払いはされませんでしたw

トヨタのブランドイメージ戦略とラインナップ戦略は失敗してると思います。
他に納車待ちのクルマがハンパでない数あるのに、新しいハイブリッドを次々と・・・。

長い首してプリウスの納車待ちしているお客さんはどんな気持ちなんでしょうね~(^^;

コメントへの返答
2009年12月14日 14:34
さすがにコーンズとかではないので、門前払いにはしないでしょうね。
きちゃない格好してるけど経営者とか、農作業してるけど大地主っていっぱいおられますから…

発売のタイムテーブルは予め決まってたんでしょうけど、ちょっと配慮がなさすぎますね。
プリウス納車待ちの人がSAIに乗り換えてくれるかも?その方が単価上がるし…なんてトヨタが考えてるとしたら、許せませんね。
2009年12月14日 17:37
私も実際に乗ってみましたが、400万円近く
出してまで乗りたい車とは正直思えませんでした。

メカニズムとか凄いんでしょうけど、インサイトの
CMのように手が届かないHVカーって意味が無い
と思いますし、6カ月も待って買おうとしている
お金持ちの方々も、HVカーを買うより普段乗っている
車の使用回数を減らす方がよっぽどエコな気がする
んですけどねぇ、、、
コメントへの返答
2009年12月16日 22:51
返信遅れてすみません。

400万円出すなら国産・輸入車含め相当いろんな車がターゲットになりますよね。
私ならBMW3シリーズにします。

クラウンなど上級車からプリウスに買い換える人が非常に多いようなので、トヨタとしても客単価を上げたいんでしょうね。

何のかんの言ってお金持ってる人は多いので、そういう人からどうお金を取るかってことをトヨタは考えているんでしょう。

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