
三菱の新コンパクトSUV・
RVRに乗ってみました。グレードは3種類のうち最上級のG(FF)、ボディカラーはカワセミブルーメタリックです。
○だった点
・コストパフォーマンスが高い
1.8L級のSUVでありながら車両本体価格が178.5万円からと低価格です。もちろん最低グレードの最低価格だとオーディオすら付いていませんし、グレードやオプションによっては300万円近い価格になりますが、基本的にリーズナブルです。
試乗車のGグレード・FFだと本体価格約219万円でHIDライト、フルオートエアコン、17インチアルミホイール、キーレススタート、オートライト、クルーズコントロール、カラー液晶のインフォメーションディスプレイが標準装備と非常に豪華です。
・質感の高い内外装や乗り味
価格が安いからといって安っぽさ丸出しではなく、クラスを超えた質感を持っています。
この車の兄貴分であるアウトランダーは外観は非常にスタイリッシュなのですが、プラスチック丸出しのダッシュボードや、カチャカチャと安っぽい感触のシフトノブ&ウインカーレバー、ガサツなエンジン音、ややラフな乗り心地と、三菱が苦しい時期に開発された車であることを感じさせる、「意あって力足らず」といった車でした。
RVRはプラットフォームをアウトランダーと共用していますが、アウトランダー登場後4年以上立って熟成されているようで、クラスは下にもかかわらず乗り味が洗練されています。
内装にも、ダッシュボードにソフトパッドを用いるなど質感向上の努力が見られます。
・大きなガラスルーフ
Gグレードにメーカーオプションで大型のガラスサンルーフ(パノラマガラスルーフ)が設定されています。開閉式ではないのが残念ですが、フロントウインドウフレーム上端から後席頭上までと面積が大きく開放感があります。
また、ガラスルーフの左右に配されたLEDイルミネーションもユニークですね。
もう少し頑張ってほしい点
・古臭いCVTの制御
少し前までのCVT車は停車直前の引っ張られ感というか、ドライバーである自分が意図している以上に減速して違和感がつきまといましたが、最近はそれが気になる車は少なくなってきました。
ところがRVRは昔ながらの引っ張られ感があります。この特性は4年以上前に登場したアウトランダーと同様なのですが、CVTを改良しないのでしょうか?
・前方視界が良くない
ボンネットが厚くてフロントガラス下端位置が高いため、車両直前の死角が大きくて視界に圧迫感があります。せっかくコンパクトなボディサイズなのに二回りぐらい大きな車を運転しているような印象を受けます。
・圧迫感のある後席空間
アウトランダーとの外観デザインの差別化の必要性からか、キャビン後半が絞り込まれていますが、この影響で後席空間には圧迫感があります。
頭上空間は最小限で側頭部はギリギリ、膝前にも余裕がないうえ、側窓が小さくて視界が悪いという、快適性に乏しい空間です。
・なんとなく没個性なジェットファイターグリル
ギャランフォルティスや
ランエボ、アウトランダーローデストに続いて、フロントグリルが逆スラントしたジェットファイターグリルが採用されていますが、これって三菱の車のアイデンティティとして定着してないような気がするんですが…
他の車と同じ顔なので、なんとなく没個性な気がしますね。
ヘッドライトやバンパー、フェンダーなどフロントセクションのパーツを共用化してコストダウンするのが目的なのかなとも思ったのですが、別物のようなので余計理解しにくいです。
・初代RVRほど自由な感じがない
初代RVRといえば背が高くて広い室内とスライドドア、当時としては珍しかった後席の超ロングスライド、背面スペアタイヤやグリルガードを装備したスポーツギアなど、乗用車とワゴン車、四駆を組み合わせたような、今で言うクロスオーバーのはしりのような車で、何か全く新しいジャンルの車が出てきたなあという印象を受けたものでした。
新型RVRはよくまとまってはいるものの、初代ほどのインパクトはなく、しばらく経ったらライバルの間で埋没しそうです。
・変なCM(笑)
カワセミが水面にとまったと思うと、水の中からRVRがザバッと現れるという変なテレビCMです。環境イメージを訴えているのかもしれませんが、どう考えても逆効果です(笑)
総評
欠点をいろいろ書いたのですが、基本的にはなかなかよく出来た車です。デビュー当初は「どうせ全長を縮めただけのアウトランダーだろ…」と思ってたのですが、アウトランダーの欠点を極力潰し、コンパクトSUVならではの取り回しのしやすさと非常に充実した装備が魅力的な車です。
ただ、この車はメーカーの三菱自身が日産デュアリスがライバルであると言っているようですが、デュアリスのヨーロッパ車譲りの剛性感あふれるキレのいい走りにはちょっと及びません。ライバルと公言するなら、デュアリスのあのレベルの高い走りも見習ってほしかったのですが…
ともあれコンパクトさと充実装備、それにリーズナブルな価格は大いに魅力です。ここ最近販売が苦戦し、プジョーシトロエンとの資本提携が破談になるなど悪いこと続きの三菱に少しでもプラスになるといいですね。
↓↓関連試乗記こちらもぜひ↓↓
新車試乗記 三菱編
フォルティススポーツバック試乗記
パジェロディーゼル試乗記
トヨタFJクルーザー試乗記
エクストレイルクリーンディーゼル試乗記
VWティグアン試乗記
ブログ一覧 |
新車試乗記 三菱編 | 日記
Posted at
2010/03/20 22:50:49