
先日発売されたマツダの
新型プレマシーに乗ってみました。
グレードは3グレード構成の最も上級かつスポーティな20S、ボディカラーはカッパーレッドマイカです。(試乗待ちの人がいたため写真が撮れませんでした。)
○だった点
・欧州車的なしっかりした走り味
マツダの車といえばサイズやクラスを問わず、欧州車的なしっかりした走り味が魅力ですが、ミニバンであるプレマシーにもこの美点は受け継がれています。やや重めながら遊びが少なく、路面のインフォメーションを伝えてくるステアリング、ミニバン的な腰高感がなく自然なロール感などミニバン故のネガティブさが感じられません。一人で乗っている時にはドライバーズカーとして十分運転を楽しめます。
・乗り心地が良い
最近のミニバンやコンパクトカーに多く採用されているトーションビーム式の車はポコポココツコツした乗り心地のものが多いですが、プレマシーのリヤサスペンションはマルチリンク式独立懸架で、この好影響で乗り心地が大変良いです。
試乗時は2名乗車だったのですが、このぐらい荷重が少ない状態でも跳ねるような挙動がなく、落ち着いた走り味です。
また、燃費のみを考えればトランスミッションはCVTの方がいいかもしれませんが、5速のトルコン式オートマチックが採用されていることでギクシャク感のない素直な走り味です。
・2列目シートのアレンジ
2列目シートは先代プレマシーやMPV譲りの「カラクリシート」で、中央部を折りたたんで6名乗車&ウオークスルーにしたり、大型センターアームレストモード、また中央席をセッティングして7名乗車にできるなどのアレンジができるのが面白いです。中央席の座り心地は決してよくないのですが、それでも大型ヘッドレストに中央席用の3点式シートベルトが装備されるなどまじめな作りです。
また左右独立スライドの調整量が大きいのもいいですね。
・環境性能の向上
すでにアクセラやビアンテなどに採用されているアイドリングストップ技術「i-Stop」がこの車にも搭載されています。試乗時は気温28度でエアコンは常時使用していたのですが、エアコンオン時でも信号待ちでのアイドリングストップの頻度は高く、一昔前のアイドリングストップ機構のようにエアコンオンだとアイドリングが止まらないということはありません。これなら燃費に貢献しそうです。
・リーズナブルな価格
ベースグレードの20CSは車両本体価格179.9万円からとリーズナブルです。マツダの車ですから値引きは期待できそうですし、エコカー減税+補助金対象車なので相当安く買えそうです。車を乗りつぶす方には相当いい買い物ではないでしょうか。
もう少し頑張って欲しい点
・あまり変わり映えのしないスタイル
ボディサイドに新しいデザインコンセプト「NAGAREデザイン」に基づくプレスラインが入っているのが目新しいのですが、これを除くと全体のシルエットは先代プレマシーそっくりです。フロント・リヤのデザインイメージを敢えて変えているようですが、ちょっと変わり映えがしないように思います。
それから、先代で気になった点として、サイドウインドウ下端が高過ぎて、車の直近が見づらいということがあったのですが、それが改善されていません。
日産のセレナは、運転席から車の直近にいる子供を見やすくするためにサイドウインドウ下端を低くしたデザインとしていますが、プレマシーも機能とデザインの両立を図っていただきたいものです。
・ちょっともっさりした走り
以前、先代の途中まで存在した2.3Lモデルに乗ったことがあるのですが、ミニバンらしからぬ鋭い加速と活発な走りに驚きました。
現行型は2Lモデルで単一エンジンのみのラインナップ(最下級の20CSのみi-Stopなし)なのですが、走りにいまひとつ活発さがありません。車重が1500kgもある上、燃費重視の燃料噴射制御が行われているのかもしれませんが、走りのマツダ車としてはやや不満の残るところです。
・大きなボディサイズ
2L級のミニバンとしてはかなりボディサイズが大きいです。(全長4585mm×全幅1750mm)全長はウィッシュ(4590mm)と同等ですが、その割には室内の前後方向の余裕はウィッシュに劣っているように思えます。
最近のマツダ車はアクセラやアテンザなどもですが、デザイン重視で前後バンパーなどが大型化してボディサイズを拡大させている割に室内空間が大きくなっていない例が多いように思います。
・3列目シートの狭さ
上記のボディサイズの大きさと、長所のところで書いた乗り心地にも関連するのですが、3列目シートの空間は狭いです。背低系のミニバンなので室内が広くないのはやむを得ない部分はあるのですが、ウィッシュに比べても少し狭いです。
マツダの車らしく、各座席のサイズができるだけ確保されていたり、リヤサスペンションをスペース効率重視のトーションビーム式ではなく、走りを重視したマルチリンク式を採用しているが故に、どうしても居住スペースを食われてしまっているので、そのあたりを納得できれば良いでしょう。
・あまりよくない燃費
試乗コースは流れのいい幹線道路、混んだ市街地半々で燃費計表示値で10.1km/Lでした。実燃費は9km/L台前半というところかと思うのですが、今時の2Lクラスの車としてはちょっと良くないですね。
総評
ここ最近、マツダに限らず各社プラットフォームを先代モデルから引き継いで、やや簡素なフルモデルチェンジをする例が多いですが、新型プレマシーも先代のブラッシュアップ版という印象の車です。
先代は日本国内では販売台数も多くなくて地味な印象の車でしたが、欧州などでは「マツダ5」として好評だったので、それをそのまま踏襲するということなのでしょう。
しっかりした走り味なので、通勤距離が長いなど走行距離が伸びる方や、リセールバリューは気にせず乗りつぶす方、夫婦+子供2~3人でたまにおじいちゃんおばあちゃんとお出かけする機会があるという方にお勧めできる車だと思います。
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新車試乗記 マツダ編 | 日記
Posted at
2010/07/15 15:54:39