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2007年12月23日

ヴィッツ乗ってきました。

ヴィッツ乗ってきました。  ヴィッツに乗ってきました。

 最初にお断りしておきますが、今回は写真を撮り忘れてしまい、カタログを撮影しました。試乗車は1.0Fのミディアムシルバーメタリックです。

 
 普通車が売れない昨今にあって、ヴィッツは毎月コンスタントに1万台前後の販売台数を記録するヒット作です。やはりこれだけ売れている車を候補から外すことはできないと思い乗ってみました。

 結論としては大変残念ながら、売れている車が必ずしもいい車ではないということ、エコと経済性のイメージ作りが上手なだけで売れているということが理解できる車です。

 「いい車ではない」と言っても、車にあまり関心はないが、近所への買い物の足や通勤などで使うので、あまり手がかからず、維持費が安く、動けばよいという車を探されている方には最高に「いい車」だと思いますし、実際に購入されても満足度は高いと思います。
 ただ、その満足というのは白物家電や原付バイクに対する満足と同質のものであり、車に少しでも趣味性を求めたり、車のハードのダイナミックな性能に全面的な信頼をおきたいという方は、この車の隠された一面に驚愕すると思います。
 
 先代ヴィッツは高速域でのスタビリティやエンジンパワーに問題がありましたが、従来の小型車とは全く違ったものを作り、ヨーロッパで勝負しにいくという成り立ち、従来のトヨタの車からかけ離れた斬新で垢抜けたスタイルとカラーリング、コンパクトなサイズと広い室内空間の高次元での両立、高い経済性など、随所にトヨタの本気をひしひしと感じる車でした。私の義理の父や親友の嫁さんが乗っていて、たまに乗せてもらったりするのですが、今でもいい車だなと思います。

 しかし現行型は燃費性能や日常的な使いやすさには力が入っているのですが、一般のドライバーにわかりにくいところ、例えばシートやシャシー・ブレーキ性能などで徹底的に手を抜いている印象です。従来の小型車の枠を越えた小型車を作ろうとした先代の高い志は消えうせ、ただの安車、営業車に成り下がった印象です。
 特にシャシー性能については、恐らくメーカーのトヨタは「どうせ年寄りやおばちゃんが家の近所で乗るんだからこの程度でいいだろう、営業車として乗る人たちには会社の車ってことで我慢してもらおう」と考えて、意図的に現状のようなセッティングをしているように思います。(詳細は下記に)
 このような車が売れていることに暗澹たる気持ちになります。
 「大丈夫かトヨタ!?ええ加減にせえよ!!」と言いたくなります。



○だった点
・回転半径の小ささ
 最小回転半径が4.4m(F、B)と小さく、取り回しが楽です。道幅が狭く、「一発でUターンできるかな?」と思えるところでも余裕で転回できます。
(ただしカタログを見ると、1.5RSは5.5mとコンパクトカーにもかかわらず非常に大きいので注意が必要です。5.5mってレクサスLS460より大きいじゃんwwwwwwwww)

・室内空間が広い
 3.8mに満たない全長でありながら、室内の前後方向が長く大人4人がゆったり座れます。また、横方向や頭上空間にも余裕があり、狭苦しさとは全く無縁です。
 さすがにラゲッジルームは最小限となってしまいますが、折りたたんだA型ベビーカーが無理なく収まります。

・まずまずの燃費性能
 試乗の際は燃費は全く考えず、結構飛ばしたのですが、それでも15.5㎞/Lを記録しました。乗り方を問わず高い燃費性能を示すのは、世界中で大量に販売されるこの車にとって非常に大事なことだと思います。



×だった点
・最悪のシート
 とにかくシートの出来は悪いです。1時間程度運転しただけで、背中からお尻にかけて痛くなり、車から降りたあともしばらく重い感じが続きます。長距離、長時間走行することは想定されておらず、近所の買い物用を主目的にされているのでしょうが、あまりにもひどすぎます。「ヴィッツは、人が好き」とはこの車のCMコピーですが、ほんとに人が好きならこのシートをどうにかして欲しいです。
 商売上手なトヨタのことですから、恐らく欧州版ヤリスとはシートにかけるコストが全く違うのでしょうが、もしも日本仕様と同一だとすると、ヨーロッパ人はこのシートで満足しているのでしょうか?

・限界のつかみにくい挙動
 ちょっと乗った限りでは、コーナーでの限界が高く、かなり高い速度でコーナーに突入しても、何事もなくクリアします。その特性により、自分の運転が上手になったように感じるのですが、そのコーナーに路面にギャップがあった場合やブラインドコーナーの先に障害物を発見して、それを回避するためブレーキをかけたときなどに、テールの振り出しがかなり唐突で怖い思いをします。
 そんな走り方をする車ではないと思われるかもしれませんが、11月に千葉県の県道で高校生の運転するヴィッツが時速100キロで走行中、カーブで対向車線に飛び出し、後席に同乗していた友人3人が死亡、高校生本人と対向車の2人が怪我をするという事故がありました。もちろん速度超過と運転技術の未熟さが事故の原因でしょうが、ヴィッツのそのようなシャシー特性も事故の遠因になっているのではないかという気もします。

・コントロールしにくいブレーキ
 ブレーキアシストの影響でしょうか、高速域からABSが作動する程度の強いブレーキをかけた際、ABSの作動を感じてブレーキの踏力を緩めても、そのままABS作動状態が続くような、ブレーキを引きずっているような感覚があります。車から「お前は運転下手なんだからこっちに任せとけ」と言われているようです。

・高速走行時の不自然なステアフィール
 高速走行時の直進性は結構高いのですが、ステアリングが重い、というより渋く、無理やり直進させられているようでかなり不自然なステアフィールです。
 実はこの車は後輪の限界が低く、高速域でヨーモーメントが発生すると簡単に破綻してしまうので、ヨーを発生させにくくするためにステアフィールをダルにして、強制的に直進させているのかと勘繰ってしまいます。

・不自然なエンジン回転感覚
 まるでプラグがかぶっているかのように、ブルブル言いながら走ります。タコメーターがなかったので正確なエンジン回転数はわかりませんが、燃費の向上のために相当の低回転に誘導しているようです。正直不自然で気持ち悪いです。

・センターメーター
 相変わらずのセンターメーターですが、どう考えても左右ハンドルでダッシュボードを作り分ける必要がない、コストダウンの産物であるものを、視線移動が小さいなどと理屈をつけて採用し続けないでいただきたい。私はセンターメーターが見やすいと思ったことは一度もありません。



総評
 冒頭にも書いたのですが、恐らく車に趣味性を求めない方、道具として割り切る方にとっては、この車は最高の買い物かもしれません。しかし、そういう人がターゲットの車であっても、シャシー性能を適当にしていい理由はありません。むしろ逆で、日常生活に密着し、どのようなドライビングスキルの人が運転するかわからないコンパクトカーこそ、高いシャシー性能が必要なはずです。
 トヨタというメーカーは本当に高い技術力を持っていると思うのですが、にもかかわらず意図的にこのような低レベルのシャシー性能を持つ車を出し、販売力とイメージで売りまくっている限り、いつまで経っても尊敬されるメーカーにはならないでしょう。
 販売台数が多ければ、売上を上げればいいというものではないのです。ポルシェやメルセデス・ベンツ、フェラーリがなぜ尊敬され、なぜ高級ブランドであり続けているのか、トヨタはもう一度よく考えた方がいいと思います。
ブログ一覧 | 新車試乗記 レクサス・トヨタ編 | 日記
Posted at 2007/12/23 22:32:05

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