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2009年11月07日 イイね!

新型マークX乗ってみました

新型マークX乗ってみました 新型マークXに乗ってみました。
 グレードは250G“Sパッケージ”、ボディカラーはブラックです。
 私は仕事柄、先代マークXにはよく乗る機会があるので、その印象とも比較してみたいと思います。
(カメラを持って行ったのに、SDカードを入れ忘れてしまったので、実車の写真を撮っていません。写真はカタログを撮影しました。つーかスキャナー買えよってwwwwwww)


○だった点
・素直な運転感覚
 トヨタの車といえば一般的には、路面のインフォーメーションをほとんど伝えないステアフィール、曖昧な直進性、剛性感の低い操作系、ヤワなくせに変にゲインの強く、追い込んでいくと腰砕けになる足回りと、運転そのものを楽しむとか車を味わうという感覚とは無縁のものが多いように思いますが、マークXはトヨタ車としてはかなりしっかりした運転感覚です。
 この車がレクサスISやGS、クラウンなどトヨタを代表する高級車とプラットフォームを共用するという事情もあるのでしょうが、通常のトヨタ車に比べ足回りにはお金が掛かっている印象です。
 また、後輪駆動ゆえタイヤの切れ角が大きく狭い道でも小回りが利き運転しやすいです。

・2.5Lがレギュラーガソリン仕様になった。
 先代はすべてハイオク仕様でしたが、新型は2.5Lがレギュラーガソリン仕様になりました。今のご時世、経済性を考慮するとレギュラーガソリン仕様はありがたいです。
 エンジン出力は先代2.5Lから比べると11KW(12PS)低下しており、確かに多少パワー感が低下していますが必要十分で、この程度なら十分納得できます。
 
・価格が少し安くなった
 ベースグレードの250G“Fパッケージ”は車両本体価格238万円と、このクラスの車としてはリーズナブルな価格設定です。もちろんこの価格にはナビが入っておらず、このクラスらしいパワーシートなどもオプションとなりますが、買い易い価格である事はありがたいですね。

・子供っぽさの少なくなった内外装デザイン
 先代マークXは、マークⅡまでの高齢化したユーザー層を若返らせるためか、内外装がちょっと過剰にデザインされていました。
 見た目はかっこいいのですが、やや使いにくいエアコン・オーディオ操作部、昔のラブホみたいな(笑)大型のルームランプ、取って付けた感のあるヘッドライトなど…
 新型はそういった粗削りだったデザインが洗練されて、このクラス相応の高級感があり、なおかつ若々しさも感じさせます。
 ただ、フロントグリルのミッフィーの口みたいな×マークがなぜか先代よりでかくなっていますが…(笑)

・2.5L級セダンとしては良好な使い勝手
 2.5L級の後輪駆動セダンとしては珍しくトランクスルーやリアシートリクライニングが備わっており、できるだけミニバン等との使い勝手の差を感じさせないようにする努力が見られます。

・大きくなりすぎていないボディサイズ
 全幅が20mm拡大されて1,795mmとなりましたが、それでも1.8m未満で、全長は先代と同じ4,730mmです。ここ最近の新型車はモデルチェンジでボディサイズを拡大させることが多い中、むやみにボディサイズを拡大させなかったことは、この種の車の使われ方やユーザー層を熟知しているトヨタらしく配慮の行き届いているところだなあと思います。


もう少し頑張ってほしい点
・ボンネットが高くて前方の視界に圧迫感がある。

 外観から「先代よりも妙にボンネットが厚く見えるなあ…」と思っていたのですが、実際に乗り込むと明らかに前方が見にくくなっています。
 最近の新型車は対歩行者の傷害軽減のため、エンジンヘッドとの間隔をとるためボンネットフードが高くなる傾向がありますが、運転席からの直接目視による視界が良いことは安全運転の基本だと思うのですが…

・レクサスやクラウンに比べて明らかに雑な走行フィール
 絶対的にはこのクラス相応の滑らかな走行フィールではあるのですが、この車とプラットフォームを共用するレクサスIS・GSに比べると明らかに雑な印象です。
 絶対的な車内騒音は静かですが、音質がなんとなくラフです。源流対策をして音や振動の発生自体を減らしたレクサスに対し、防音材でごまかしているマークXという印象です。
 トヨタとしてはトヨタブランド車とレクサスブランド車との間に走りや内外装の質感に明確な差別化をしたいのだと思うのですが、ちょっと露骨ですね…

・プレミオ・アリオン、カムリに似ているスタイル
 同じ世代の同じメーカーのセダンで、車格も近いのである程度やむを得ないのですが、外観が先代よりもプレミオ・アリオンやカムリに似た印象になってしまいました。
 マークXはある程度プレミアム性を持たせた車なのですから、あくまでも大衆セダンであるプレミオ・アリオンやカムリとは明確な差別化を図った方がよかったのではないでしょうか。

・室内空間が狭い
 スタイル優先のためか、室内空間はやや狭いです。後席足元空間は十分なのですが、頭上・側頭部とも髪の毛が天井に触れます。
(私の身長は175cm)
 また前席も良く言えばコックピット感覚があってタイト、悪く言えばセンターコンソールが幅広で狭いです。
 先代マークXは個人タクシーにもよく使用されていましたが、現行型のこの狭さで大丈夫なんでしょうか…?

・リアシートヘッドレスト
 試乗車の250G“Sパッケージ”などはリアシート左右席が独立式のヘッドレストではなく、ハイバックシートです。
 トヨタのことですから、ヘッドレストの重要性は認識しているのでしょう。一方で現行型ユーザーへのクリニックを行った結果、リアヘッドレストを有効に活用していないということが判明して、コストダウンを兼ねて調整機構を省略したのでしょうが、ユーザーに使われていない安全装備は使うように啓蒙するのもメーカーの責務です。このような改悪はやめていただきたいものです。

・なんのための排気量拡大?
 先代マークXはエンジン排気量が3.0Lと2.5Lの二本立てでしたが、新型は3.0Lが3.5Lへと排気量を拡大させています。3.0Lでも動力性能が不足ということはないと思うのですが、なぜ今日日こんなに排気量を拡大させるのでしょうか?
 おそらくいろんなエンジンを準備するよりも、クラウン、アルファードブレイドなど多数のトヨタ車に搭載されている3.5Lの2GR系に集約し、3.0Lの3GR系を廃止しようということなのかもしれませんが、それなら3.0Lに集約してもよいのでは?
 
・ボディカラーが少ない
 外装色はたった6色しか設定されていません。売れ筋になるのはどうせ白・黒、後はせいぜい銀だから、ボディカラーは少なくていいとトヨタは思っているのかもしれませんが、コンパクトカーのヴィッツが13色、iQが12色なのに、はるかに高額なマークXのボディカラーが選べないのは納得いきません。
 ちなみにBMW3シリーズは12色、メルセデスベンツCクラスは11色です。いくらコストダウンのためとはいえ、3シリーズやCクラスよりも台数が売れているであろうマークXのボディカラーが少ないのはどういうことなんでしょうか?

・内装の質感が今一歩?
 試乗車の250G“Sパッケージ”はシリーズの中でも内外装をややスポーティに装ったグレードで、黒の内装色が特徴ですが、シート生地などの質感がイマイチ安っぽく、ノア/ヴォクシーなどと大きく変らない気がします。
 皮やアルカンターラだから上質というわけではないですが、ファブリックの質感をもう少し向上させていただきたいです。


総評
 先代マークXはトヨタの車としては運転感覚がシャープでしたが、新型もその美点を受け継いでいます。この車がクラウンやレクサスIS・GSなどトヨタを代表する高級車とプラットフォームを共用していることや、フロントエンジン・リアドライブの3BOXセダンというコンベンショナルなレイアウトであることなど、運転していて違和感が少なく、トヨタの車の中では楽しく運転できます。
 プラットフォームは先代からのキャリーオーバーで、機構的にも特に目新しいところのない保守的なモデルチェンジですが、手堅くまとまっているので新型もコンスタントにボチボチ売れるでしょう。

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2009年11月03日 イイね!

カムリに乗ってみました

カムリに乗ってみました トヨタ カムリに乗ってみました。
 グレードはG“リミテッドエディション”、ボディカラーはホワイトパールクリスタルシャインです。

 本当は私の試乗記はできるだけ新車登場直後に試乗して書きたいと思っています。登場から時間が経ってしまうと、ネットや各メディアでの評価が定まってしまって、それを私が見て評価がブレてしまったり、すでにオーナーになっている方が見てお気を悪くされたりということがありそうなので…(悪口を言うつもりはないんですが…)
 が、先日のCX-7試乗記でも書いたのですが、もともとメーカーやディーラーに売る気がない車は試乗車が準備されないことがあり、そういう車はず~っと乗れないです。
 カムリもそんな車だったのですが、先日来何度か運転する機会がありましたのでレポートしたいと思います。

 この車も個人所有の車なので写真は撮っていません。(写真はカタログを撮影しました)


○だった点
・鷹揚な運転感覚
 昔は日本国内でも兄弟車のビスタと合わせて年間10万台以上販売する人気車だったカムリですが、現行型の販売台数は月数百台程度と縮小してしまったかわりに、北米・オセアニア・中東・中国など世界中で販売されるワールドカーになりました。
 現行カムリは日本国内の事情を反映していない分、大陸的な鷹揚な魅力があります。最近日本国内市場ではスペース効率重視のミニバンか経済的なコンパクトカー&軽自動車、もしくはハイブリッド車しか売れなくなりましたが、カムリのようなゆったりしたオーソドックスなセダンは独特の魅力があります。
 4気筒2.4Lエンジンで167PSと、動力性能は決して余裕しゃくしゃくではありませんが必要十分で、おっとりした出力特性や脚の味付けで、ゆったりと流すにはピッタリの車です。
 ボディサイズは異なるものの同クラスのプレミオ・アリオンと比べると、細かい突き上げ感が少なく、同乗者の観点からは圧倒的にカムリの方が快適です。

・ボディサイズのわりにカジュアルで運転しやすい
 全長4,815mm・全幅1,820mmという大柄なボディサイズですが、比較的視界が広くて車体形状もスクエアで車両感覚が掴みやすく、また車全体の運転感覚や操作感覚が軽快なため、あまり気負わず運転できます。


もう少し頑張ってほしい点
・安っぽい操作系
 一見ソツのない室内ですが、なんらかのスイッチやレバーを操作すると質感が非常に低く、途端に「あ、所詮安い車だなあ…」とガッカリします。特にシフトレバーの操作感は「カシャカシャン」とした感じで、大変失礼ながらヴィッツなみの質感です。
 各スイッチ類やドアハンドルなども、例えばマークXなどに比べるとどこか剛性感がありません。日常的に使う操作系の質感が低いので、車全体の質感を安っぽく感じさせられます。
 それにもかかわらず、木目調の内装パネルを使って妙に高級感を出そうとしていたり、光が透過するエアコン操作部のパネルなど、違和感のある演出が目に付きます。
 まるで普通のオッサンがチョイ悪オヤジを気取ろうとして、何か失敗しているようです(笑)
 
・価格が高い
 250.5万円~347万円と、4気筒2.4Lの車としてはものすごく値段が高いです。これなら先進性や経済性を考えるならSAIかプリウス、高級感を求めるならマークXやクラウン、室内空間の広さを求めるならノア/ヴォクシーやアルファード/ヴェルファイア、このクラスらしい高品質感・高密度感を求めるならBMW3シリーズレガシィアコードの方が良いということになり、カムリのメリットは全く感じられません。

・安全性が高くない?
 アメリカの道路安全保険協会(IIHS:Insurance Institute for Highway Safety)が2009年4月に発表した衝突実験レポートで、トヨタカムリ対ヤリス(日本名ベルタ)、ホンダアコード対フィット、メルセデスベンツCクラス対スマートフォーツーで、同一メーカーの重量の異なる車同士の衝突実験を行っていました。
 この実験は北米でも台頭しつつあるコンパクトカーが、車重の大きい車に対して衝突時に危険であるという事を証明するためのものだったのですが、この中で重量が重い側のカムリ、アコード、Cクラスのうちカムリのみが最高評価のGood(優)ではなくAcceptable(良)でした。
 この結果だけでカムリが危険だとは言えませんが、自分よりも重量の軽い車と衝突したにもかかわらずこの結果というのは不安を感じますね。
(この実験の詳細はCAR GRAPHIC誌2009年8月号に詳しく記載されています。)
 

総評
 2代目V10系3代目V20系など昔のカムリはトヨタのセダンの中でも非常に良心的な車でした。「クラウンと同等の室内空間」を売り物にし、広い室内空間、大きすぎないボディサイズ、スクエアで掴みやすい車両感覚、広いグラスエリアによる明るい室内、飾り気の少ないシンプル&クリーンな外観スタイル…と、ファミリーカーの理想を体現したような車でした。
 またトヨタ車の中ではかなり前輪駆動化が早いという先進的な面や、スポーツツインカムの3S-Gエンジン搭載車がラインナップされると言うスポーティな面も兼ね備えていました。

 しかし、ファミリーカーの中ではミニバンが主流を占めるようになったり、5代目V40系のように景気後退の影響を受けてコストダウン丸出しの安っぽい車になったり、6代目XV20系以降現在までのように北米仕様をそのまま日本に持ってきたため、日本国内の道路事情にそぐわなくなったりと、カムリはだんだん主流から外れてマイナーな存在になってしまいました。
 現行型が日本国内で販売されているのは、トヨタカローラ店での最上級車という位置づけからなのでしょうが、SAIが登場して以降は立場を失ってしまうのではないかと思います。
 私個人的にはこのような鷹揚なセダンには頑張って欲しいと思うのですが、現行カムリには「カムリでなければいけない!セダンでなければいけない!」という強い魅力はありません。率直に言ってこの車は「でかいだけのカローラ」の域を出ておらず、「スタイルが気に入ったら、まあいいんじゃないか」という程度の消極的な選択方法しかないように思います。

 近年トヨタは歴史ある車を全く新しい車に刷新したり、日本国内と海外併売だった車を海外専売にしたりしていますが、もしかするとカムリも現行型が国内で最終になるかもしれないですね。
 

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2009年10月02日 イイね!

新型プラドに乗ってみました

新型プラドに乗ってみました 新型ランドクルーザープラドに乗ってみました。
 試乗車のグレードは2.7Lの豪華装備グレードのTX“Lパッケージ”(4速オートマチック)、ボディカラーはホワイトパールクリスタルシャインです。



○だった点
・ボディサイズの割りに取り回しが良い
 全長4,760mm、全幅1,885mmの大柄なサイズですが、角張ったデザインや比較的アップライトな運転姿勢を取れることにより車両感覚が掴みやすいです。
 それにサイズの割りにはハンドルがよく切れて最小回転半径が小さいので、思いの外取り回し性は良好です。

・乗用車的な滑らかな乗り味 
 プラドクラスの大型四輪駆動車といえば、脚と上屋がバラバラのゆらゆらした動きをしたり、バネ下重量の大きさ故、ギャップで強い突き上げがあったりと、常に車重やマスの大きさを感じさせられましたが、プラドの街乗りはきわめて快適な乗り心地です。

・使い勝手のいいサードシート&荷室
 サードシートは床下収納式となっていますが、これによってフラットな床面が実現できています。またサードシートをサイドに跳ね上げると窓を塞いでしまい死角になってしまうのですが、床下収納だとそれがありません。
(ただしその分床面がやや高く、女性や小柄な人、重量物の積み降ろしはやや難儀しそうです。)
 

もう少し頑張ってほしい点
・ディーゼルエンジンが欲しい
 先代に引き続きガソリンエンジンのみのラインナップです。ひと昔前に比べ大排気量ガソリンエンジンの燃費は飛躍的に向上しましたが、それでも燃費や燃料費の面からディーゼルエンジンが有利ですし、こういった四輪駆動車にとっては泥ねい路走行等での極低速トルクの太いディーゼルは欠かせないのではないかと思うのですが…

・エンジンパワーがもう少し欲しい!
 ガソリンエンジンは2.7Lの2TR-FE型と4Lの1GR-FE型の二種類ですが、今回試乗した2.7Lはもう少しエンジンパワーが欲しいです。平坦路なら問題ないのですが、7~8%程度の勾配だと途端に苦しげになります。
 私は仕事でよく同じ2TR-FEエンジンを搭載したハイエースバン(スーパーロング・ワイド・ハイルーフ)に乗ります。

ハイエース…車重:2,170kg、エンジンパワー:150PS、パワーウエイトレシオ:14.47kg/PS
プラド…車重:2,090kg、エンジンパワー:163PS、パワーウエイトレシオ:12.82kg/PS

…ですが、ハイエースよりもなんだかドン臭いです。
 おそらくよりもこの2.7Lが販売の主力になると思われますが、このエンジンパワーではとても高級SUVとは言えませんね。
 ちなみに形式こそハイエースと同じですが、エンジンフィールはプラドの方が遥かに洗練されています。

・先代までに比べて掴みづらい車両感覚
 先代120系、先々代90系は四輪駆動車らしいアップライトなドライビングポジションと高い全高により、街乗りでも車両感覚が掴みやすかったのですが、新型はウエストラインが高くて側方の死角が大きいです。
 試乗車にはサンルーフが装着されていたのですが、そのせいもあって室内高が低く、側方の死角を補おうとシート座面高を上げると私の身長(175cm)では頭上に握りこぶし縦一個分程度しかなくなります。

 余談ですが、新型プラドは先代まで兄弟車として存在したハイラックスサーフを吸収する形となりましたが、歴代ハイラックスサーフの四輪駆動車としては問題のあるドライビングポジション(乗用車的に脚を前に投げ出して座るポジションのため、車の直近の様子が見えにくく、サイドウインドウの天地が低いので、さらに見づらい)をそのまま真似をしているのかと思ってしまいます。このようなポジションしか取れないのは、四輪駆動車としていかがなものかと思います。

・今時4速オートマチック
 4Lは5速ですが、2.7Lは今時4速オートマチックです。上記のとおりエンジンパワーが厳しく、登り坂ではキックダウンを多用せざるを得ないのですが、そういう状況でもシフトショックが大きく、キックダウンしていきなり騒音が大きくなります。
 シフトダウン時のショックはほとんどなくスムーズなのですが、やはりパワーのないエンジンだからこそ多段化して限られたエンジンパワーを有効に使うべきだと思います。


総評
 ここ最近の環境意識の高まりの中、プラドのような大型四輪駆動車を発売するのはいかがなものかという意見がトヨタ社内でもあったようですが、需要があるものを生産するのが自動車メーカーの仕事であり、そもそもプラドは世界中で年間15万台以上が販売されているそうで、これをなくしてしまうのはちょっと問題があるでしょう。

 新型は先代までに比べ、オンロードでの快適性は劇的に向上しています。四輪駆動車とはいえ、プラドは荒地に乗り入れることを想定した本格四駆ではなく、SUV的色合いの強い車なので、オンでの快適性にますます軸足を移さざるを得ないのでしょう。
 短時間での試乗のためオフでの性能は試すことはできませんでしたが、正直本格四駆としての性能は期待しないほうがいいのでしょう。

 それにしても、本文でも書いたのですが、四駆らしからぬドライビングポジションはちょっといただけません。
 先代までは兄弟車としてハイラックスサーフという車が存在しましたが、このサーフという車、基本的にボンネットピックアップをベースとしたアメリカ偏重の車でした。それ故四駆としてはかなり乗用車的な周囲の状況を掴みづらいポジションで、道路や駐車場の広い北米なら許されても、日本国内で使うにはいかがなものかという車でした。
 今回そのサーフが日本国内ではなくなり、プラドに吸収される形となりましたが、問題のあるドライビングポジションまで引き継ぐ必要はなかったのではないかと思います。


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2009年05月27日 イイね!

新型プリウス乗ってみました

新型プリウス乗ってみました 新型プリウス乗ってみました!

 グレードはG、ボディカラーはレッドマイカメタリックです。話題の205万円のLグレードではなかったのが残念ですが…
(写真は展示車のG“ツーリングセレクション”(アイスバーグシルバーマイカメタリック)です。)


○だった点
・プリウスであること
 プリウスが世界初の量産ハイブリッドカーとして登場してから12年経ちましたが、環境問題・エネルギー問題がクローズアップされるにつれ、この12年間でプリウスの存在感は非常に大きくなりました。今やプリウスはエコカー、もっと言えば日本車を代表する車であり、高いブランド性を確立させたなと思います。
 ハイブリッドカーの先駆車としての安心感・子どもからお年寄りまで誰にでも認識されるブランド性はプリウスの魅力でしょう。

・スピード感のあるトヨタの経営
 新型発売前には、エンジン排気量がアップして車格が上がるため、価格が上昇するのではないかと言われていましたが、実際には205万円からと、先代を下回る低価格で発売されました。2月に発売されたホンダインサイトの影響で急遽価格を引き下げたと思われますが、あれほどの巨大組織でありながら市場の変化に即座に対応するトヨタの経営のスピード感は素晴らしいですね。

・ハイブリッドカーとしての洗練
 初代プリウスといえばか細い省燃費タイヤとヤワな足回り、不十分なエンジン(プラスモーター)パワーという車でした。さらにCVTやインバーターの唸り音や、もっさりした動力性能、回生ブレーキが停止寸前にカックンブレーキになるなど、いかにも過渡期の車だなと感じました。
 新型に試乗した後、たまたま初代10系プリウスの初期型を運転する機会があったのですが、新型と比べるとずいぶん原始的なフィーリングだなと思いました
 新型はモーターの出力レベルをドライバーが任意で切り替えることができ、レクサスGSハイブリッド的なパワー重視のパワーモードがある一方、エンジンを始動させずにEVモードで走行できる距離も長くなっています。パワーモードにすればなかなか鋭い加速ですし、CVTの音やカックンブレーキもほとんど気にならないレベルです。


もう少し頑張って欲しい点
・バーチャルでわざとらしい運転感覚

 ハイブリッドカーだからあえてバーチャルな運転感覚にしているのかもしれませんが、この車ほど自動車を運転しているという感覚が希薄な車も珍しいです。
 車を発進させるのにエンジンが掛からない、車速とエンジン回転が一致しない、スイッチのようなシフトレバー、路面フィールのほとんど伝わらない電動パワステ…
 トヨタもこの車の運転感覚の希薄さは自覚しているようで、パワーモードでパワフルな走りができるようにしたりはしていますが、それすらも何かゲーム的なおもちゃっぽさが拭えません。
 ハイブリッドカーとはこんなものなのかもしれませんが…

・シートの出来が悪い
 試乗時、30分ぐらい運転しただけでお尻が少し痛くなりました。シートの出来が悪いのはトヨタの車の多くに共通していますが、高速料金が1000円になって遠出する機会が増える昨今、もう少しシートの作りには力を入れてほしいものです。

・露骨なインサイトつぶし
 プリウスのハード自体の問題ではないのですが、新型プリウスで一番気になるのがこの点です。
 当初はエンジンの排気量が上がって車格が上がるので、価格もそれ相応に上がるだろうと言われていましたが、結局最廉価グレードのLで205万円と先代のSスタンダードパッケージの226.8万円よりも安い価格です。
 もちろん一消費者の立場からすれば価格が安いことは嬉しいのですが、本来高くなるはずだった価格が急遽こんなに安くなった裏に、一体どれだけの下請け・孫請け企業の努力があったのでしょうか。とりあえず売価を安く設定しておいて、サプライヤーには「この値段で売ることにしたから、部品の納価は○円でよろしく!」と押し付けているんじゃないのかと勘繰ってしまいます。

 ここ数年のトヨタはハイブリッド車を安く売って普及させると言うよりも、レクサス各車やエスティマ、アルファード、ハリアーのハイブリッドに代表されるように、高付加価値仕様として展開させたかったようです。
 ところが先ごろ登場したホンダインサイトが189万円からという、ハイブリッド車としては衝撃的な低価格で登場したことに影響されたのか、一気に低価格戦略に舵を切ったようです。
 インサイトを始めとするホンダのハイブリッドシステム(IMA)は、トヨタのハイブリッドシステム(THS)よりもはるかにシンプルな仕組みで低コストであることは当然だと思うのですが、それに対してトヨタはなりふり構わぬ対抗策を打ち出してきた印象です。
 トヨタのようなコスト管理の厳しい会社の製品が、他車と部品の共用化率を上げているからといって先代よりも大幅に価格が下がるというのはにわかには信じられません。

・大きくなったボディサイズ
 ここ最近登場する車はほぼ例外なく旧モデルよりもボディサイズを拡大させていますが、新型プリウスも全長でプラス15mm、全幅でプラス20mm拡大しています。先代に比べて実用上の不便さが増しているとは感じないのですが、先代でも特に不都合は感じなかっただけに、無意味なサイズ拡大には疑問を感じます。
 プリウスは代々燃費対策のため空気抵抗を減らすのを目標とし、新型もCd値が0.25と優秀な数値ですが、ボディサイズが拡大しているということは前面投影面積が増えるということで、その点でボディサイズが小さいインサイトのほうが合理性があるように思います。本当に燃費や空力を考えるならボディサイズを大きくするのはおかしいと思うのですが…

・大して広くない室内
 上記のボディサイズ拡大とも関係してくるのですが、サイズが大きくなっているにもかかわらず、室内空間は先代とあまり変わりません。
 トヨタはプリウスの室内空間がインサイトよりも広いのがご自慢のようですが、
ボディサイズが大きけりゃ室内が広いのは当たり前じゃんwwwww
 後席膝前の空間にはかなり余裕がありますが、頭上は私(身長175cm)が座って頭の上に指2本程度、側頭部も同じぐらいです。そりゃ確かにインサイトよりは広いですが、自慢するほどのものではありません。むしろインサイトよりもプリウスのほうが65mmも全高が高くて空気抵抗が大きいのにこの程度か、というレベルです。
 
・フロントの見切りが悪い
 最近の車は全体的に対歩行者の衝突安全性を向上させるためボンネットが高くなる傾向がありますが、プリウスも例外ではなく、先代よりも前方の見切りが悪化しているように思います。視界が良いことは安全性の第一歩だと思うのですが…

・カタログ数値と実燃費の乖離
 新型プリウスはカタログ燃費38km/Lと非常に素晴らしい数値ですが、これが本当に達成できるのか疑問です。一般的にカタログ数値と実燃費は乖離する傾向がありますが、プリウスは特に乖離が大きく、燃費サイト「e燃費」を見ると先代プリウスのカタログ数値に対する実燃費の達成率は60%と他車よりも悪いです。極めて限られた条件でしか出せない燃費をカタログに堂々と載せるのは詐欺に近いです。
(ちなみに私のスイフト1.3XGはカタログ数値18.8km/Lに対して2万キロ走った総平均は17km/L、達成率は90%です。)

 ついでの話ですが、自動車雑誌などモータージャーナリズムはよくプリウスやインサイトを使って省燃費走行大会をやって、高速道路をトロトロ走ったり、大型トラックを風除けに使って車間距離を詰めて走って○○km/Lだった、カタログ数値を上回ったなどと喜んでいますが、
阿呆か!
と言いたいです。
 そんなお遊びをやる前に、もっとこういう点を追及すべきだと思うんですがねえ…


総評
 空前の自動車不況の中登場した新型プリウスは、まるで日本自動車業界の救世主のような持ち上げられ方です。前人気も高く、既に受注は11万台、今注文しても納車は秋ごろにもどうかという人気ぶりです。
 実際に新型プリウスに乗ってみると、さすがにハイブリッドカーとして長い歴史を持つ車らしく、エコカーのイメージリーダーとなっており、常に最先端でありながらハイブリッドカーのデメリットを極力つぶしていると感じます。
 ただ、今年になってホンダからインサイトが189万円からという低価格で登場したことにより、ハイブリッドカーを高付加価値車として売りたかったトヨタの戦略は大きな転換を迫られたようです。
 プリウスの開発責任者いわく、新型の開発が始まった4年前の時点で既に価格は決まっていたということですが、排気量が増えて車格が上がっていたり、またここ数年のトヨタのハイブリッド車へのマーケティングを見ていると、最初から205万円で売ることが決まっていたとは到底思えません。やはりインサイトの価格の情報を得たトヨタが大慌てで売価の設定を変えたというところが真相でしょう。
 しかし、正直言って私はトヨタのこういう所が大嫌いなのです。価格が安ければいい、安ければ売れる、販売台数が多ければいいということではないのです。付加価値の高い商品なら自信を持って高く売ればいいのです。安売り競争の先にはペンペン草も生えない不毛の大地が広がっているだけです。トヨタのような自動車業界の、ひいては日本の産業界のリーダー的企業は商品を適正な価格で販売し適正な利益を上げ、取引先や従業員、ひいては社会全体に利益を還元していく義務があります。

 それから、プリウスの運転そのものはバーチャルで全く面白みがありません。自動車を運転するというよりプレステでグランツーリスモでもやっているような印象で、まるでこの車が自動車であることを自ら否定しているかのようです。
 先日私はモデルチェンジして日本市場に投入されたフォルクスワーゲンゴルフⅥに乗ってみました。確かに巷間言われるようにコストダウンの形跡を感じないわけではなかったのですが、依然として質が高いドライビングの世界を持つ車で、街中をゆっくり走っていても飛ばしても運転が楽しめる車でした。
 フォルクスワーゲンはブランドスローガンとして「Das Auto(=The Car:これが真の車)」を掲げています。同じ大衆車メーカーでありながら、まさに真の車であることを実感でき、自動車の楽しさを感じることのできるフォルクスワーゲンに対して、プリウスをはじめとするトヨタの車は家電的というか携帯電話的というかiPod的というか、自動車ではない何かを連想せざるを得ず、自動車ならではの楽しみを感じることはありません。
 トヨタをはじめとする国内自動車メーカーは、販売不振や若者の車離れに苦しんでいますが、自動車を運転することが楽しくない車に魅力があるわけがありません。今の不振はこのような車を作り続けてきたメーカーの当然の帰結であると思います。自動車であることを否定した自動車に未来があるとは思えないのですが…
 トヨタがこのことに早く気付き、本当に尊敬される車を世に送り出すことを願ってやみません。


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2009年04月05日 イイね!

新型ウイッシュ乗ってみました

新型ウイッシュ乗ってみました 新型ウイッシュに乗ってきました。グレードは2リッターのベースグレードの2.0G(2WD)、ボディカラーはダークブルーマイカです。


○だった点
・よく練られた使い勝手
 最新型ミニバンらしく、室内の使い勝手は大変優れています。
 3列目シートを折りたたんだ際荷室が完全フラットになるのはもちろん、2列目シートのダブルフォールディングにより2列目もフラットになり、長尺物や大物の積載に大変便利です。
 2列目のスライド幅が大きく、後ろにスライドさせて足元空間を余裕を持たせることができますし、3列目の足元空間を確保するためかなり前にスライドさせても、1列目のシートバックのえぐりが大きいため、2列目があまり我慢している印象はありません。
 頭上空間については1、2列目はもちろん3列目も比較的余裕があり、天井に頭が触れるということはありませんし、ストリームに比べると窓の面積が大きいため、どの席でも開放感があります。
 全高約1.6mと、基本的にセダンやステーションワゴンとほとんど変わらないため、立体駐車場などの制限も少なく、日常用とで気を遣うことはほとんどありません。

・5ナンバーサイズ
 標準グレードの2.0G、1.8Xは5ナンバー枠に収まる全幅(スポーティグレードの2.0Z、1.8Sはフェンダーのフレアやオーバーフェンダーで3ナンバー幅)、全長も4.6m未満と非常に使い勝手のよいサイズです。
 また、サイドウインドウのサイズが大きくて見切りが良いため、車両感覚が掴みやすいということも相まって、バックでの駐車もしやすいのはライバルのストリームや先代ウイッシュに対するアドバンテージです。
 この車は主婦など女性が乗る機会も多いのでしょうが、女性が日常的に使いやすい車だと思います。

・15インチタイヤ
 標準グレードの2.0G、1.8Xのタイヤサイズは15インチです。最近はミニバンでも17、18インチが標準のものがありますが、動力性能や安全性が確保されるならコストパフォーマンスや乗り心地の点からサイズが小さいほうがいいですね。 

・VSCが全車標準装備
 横滑り防止装置(VSC)が全グレードに標準装備され、さらにこのVSCはトラクションコントロールや電動パワステまで統合制御される高度なものです。ウイッシュのようなミニバンは多人数乗車の機会が多く、車の重心や前後輪への荷重配分の変化により運転特性が変化しやすいと思われますが、ミニバンこそこのような安全装備の必要性が高いですね。


もう一歩だった点
・ストリームを追いかけたスタイル
 先代ウイッシュは先行したライバルのホンダストリームの成功を見たトヨタが、ストリームとほぼ同一のボディサイズで発売し、ストリームの人気をさらっていった車でした。
 ストリームは一足先に新型になり、先代よりもスポーティさを強調したスタイルとなりましたが、新型ウイッシュも全グレードフルエアロ風の外観で妙にスポーティになりました。そこまでしてストリームを追いかけなくても…と思いますが…
 (ただ、新型の写真のフロントマスクとテールランプを隠してみると全体のスタイルは先代とあまり変わり映えしません。なんとなくモデルチェンジのためのモデルチェンジという気がします。)

・少し割高な価格
 最近のトヨタ車の通例で、標準はオーディオ(ナビ)レスです。もっともベーシックなグレードの1.8X(2WD)が184万円ですが、これにナビを付けると200~220万円です。新型プリウスが200万円前後と言われていますが、それに比べるとちょっと割高感がありますね。


総評
 新型ウイッシュは人気モデルだった先代の正常進化版という印象で、爆発的ヒットにならないまでもコンスタントに売れるでしょう。先代で少し気になった視界の悪さも改善されており、最新トヨタ車らしい出来の良さです。突出した部分はありませんが、普通のファミリーが普通に使うにはちょうどいい車でしょう。
 あとは、天下の大トヨタが臆面もなくホンダの後追いをしてパクったこの車に納得が出来るかどうかという感情的な問題だけでしょうね(笑)。

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所持運転免許 ・大型自動車第一種 ・中型自動車第一種(8t限定) ・中型自動車第二種(8t限定) ・大型特殊自動車第一種 ・大型特殊自動車第二種 ・...

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