
三菱のアイ(NAのLグレード・2WD)に乗ってきました。
BMWから軽までと非常に節操がありませんが、せっかくの機会なので気になる車には乗りつくそうと思ってます。
(買い替えのための検討というより、最近は純粋に興味があるから乗るという、趣味に走りつつあるのかも…)
ここ最近アイは割高に思える価格のためか、販売はやや苦戦しているようです。確かに軽としてみると、ヴィッツやフィットにも手が届きそうな価格に割高感を覚えるのですが、ミッドシップレイアウトという凝った作りで、並みのコンパクトカーよりも実力があるのではないかと思い、乗ってみました。
結構長時間乗ってみることができました。
ルートは(岡山の方ならわかると思いますが)山陽道・瀬戸中央道で児島IC → 某お山 → 反対側にある某お山 → 市街地&R2BP です。
○だった点
・安心して踏めるブレーキ
ガラガラの瀬戸中央道を走行している際、後ろに車がいないのを見計らって時速100㎞からABSが作動するぐらいのフルブレーキングをしてみました。一般的な軽自動車だと、激しくノーズダイブし前につんのめるような不安定な姿勢になりがちですが、アイは車体全体がグッと沈み込み、4つのタイヤすべてで路面をつかむような安定した姿勢で制動でき、安心感が高いです。
・素直なハンドリング
お山で比較的ハイスピードで走ってみたのですが、後輪駆動車らしい癖のないハンドリングです。タイトコーナーではきちんとブレーキングして前輪に荷重をかけないとアンダーステアが出やすいのですが、基本的にはニュートラルで運転しやすい特性です。
また、サスペンションのストローク自体も長いようで乗り心地が良く、ギャップを乗り越える際もうねうねと伸びて路面を捉え続けている印象です。
・ボディの剛性感
ハイスピードでのコーナーリングの最中、大きいギャップを越えてもボディがよじれたりきしんだりしている感覚がなく、きちんとサスペンションに仕事をさせていなしている感じです。
・個性的なスタイル
従来の軽自動車の枠を飛び越えた、極めて魅力的なスタイルです。軽自動車は若い女性やお母さん向けのデザインの車が多く、大人の男が乗るには抵抗がある車も多いのですが、アイは可愛らしさの中にメカっぽさ、道具っぽさを感じさせるデザインで、大人の男が乗ってもおかしくありません。
・ラゲッジルームの遮熱は良い
エンジンルームの真上にあり、熱には厳しそうなラゲッジルームですが、高速や山を走行後も熱はほとんど伝わっておらず、遮熱の対策は十分なされているようです。これぐらいならば買い物をした生鮮食品を置いておいても大丈夫そうです。
いまひとつだった点
・横風に弱い
瀬戸中央道では吹流しが真横になるぐらいの横風が吹いていたのですが、時速80㎞ぐらいでも進路を乱されました。全高が1,600mmもあるのでやむを得ないかもしれないのですが、もう10センチぐらい全高を下げてもよいのではないでしょうか。
・マニュアルミッションの設定がない
最近の軽自動車としては珍しいことではありませんが、MTの設定がありません。軽自動車としてはかなり重い車重であるため、MTで自分でカバーしてキビキビと走らせたいと思うのですが…
今後この車のプラットホームは次期型パジェロミニやミニキャブと共有するようですから、MTの設定はさほど難しいことではないはずです。今後の改良時にMTの設定を希望します。
・リヤドア内張りが出っ張りすぎ
リヤドア部分が絞り込まれた外観デザインの影響を受けているのか、内張りがかなり内側に張り出しており、リヤシートに座ったときに狭苦しいです。ドアアームレストの形状を変更した方がよいのでは?
またフロアトンネルが横方向にかなり張り出しているため、ドアアームレストを避けようと内側に寄って座ると、今度は足元が狭くなります。
・高速道路でのパワー不足
試乗車はノンターボのLグレードだったのですが、高速ではやはりパワー不足で、3%程度の勾配でも時速100㎞をキープするのがやっとです。高速走行の機会がある方はターボをお勧めしたいです。
・ATセレクターが膝に当たる
ATのセレクターがコーナーリング時に膝に当たり、変速してしまいそうになります。今後の改良時にインパネシフトにしてはいかがでしょうか。
・コンフォートフラッシャー
ウインカーレバーを軽く操作するとウインカーが3回点滅して止まるという「コンフォートフラッシャー」という機能が備わっています。カタログでは車線変更のときなどに便利だということが書いてありますが、本来進路変更の際は、合図をする → ルームミラー・サイドミラー・斜め後方の目視確認 → 進路変更が終わるまで合図を続ける → 車体がきちんと車線に納まってから合図を戻す という手順が必要で、ウインカー3回点滅では到底終わりません。欧州車を真似た機能なのでしょうが、いい加減な運転を助長するような装備を真似る必要はありません。
総評
この車、確かに値段は割高なのですが、なぜその価格なのかが十分に理解できる車です。
特に素晴らしいのはハンドリング、ブレーキなどの動的性能です。正直言って運転するまでは「所詮軽だろう」という先入観を持っていたのですが、そのイメージは完全に打ち砕かれました。
はっきり言ってこの車すごいです。
エンジンパワーについては、やはりNAではアンダーパワーは否めない感じなので、機会があればターボにも乗ってみたいと思います。
欲しい度:☆☆☆☆☆☆☆★★★
楽しい度:☆☆☆☆☆☆★★★★
買える度:☆☆☆☆☆☆☆☆☆★
維持費 :☆☆☆☆☆☆☆☆★★
Posted at 2007/11/18 14:08:55 | |
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新車試乗記 三菱編 | 日記