1985年式SR500 チェーン530から520へサイズダウン
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
 初級 |
作業時間 |
30分以内 |
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今回の整備手帳はSR500のチェーンを530から520にサイズダウンしましたのでその様子をご紹介したいと思います。
現在使用しているチェーンは
DIDの530VX3_S&S-104FB
というチェーンです。
1985年式のSR500のサービスマニュアルによるチェーンのサイズの指定は530です
2022年1月に純正指定の530のチェーンに交換したばかりで走行距離も2022年11月時点で5200㎞ほどしか走っていなかったのでまだまだ十分に使用可能だったのですがスプロケットも含めて全交換となりました。
私の無知による530チェーンの交換でエンジン全バラにも繋がるような致命的で重大な問題が発覚したのでその問題を回避するために今回チェーンを530から520へサイズダウン致しました。
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結論から申し上げますと
純正指定の530のチェーンを組付けるとチェーンがエンジンブロック側を削ってしまって最悪穴が開いてしまいます。
穴が空くだけなら加工で何とでもなりそうなのですが、穴の開く場所が大問題なんです
その穴の開く場所がクラッチのプッシュレバーの収まる場所で、しかもオイルの圧力が掛かるのでもし穴が空けばどんどんオイルが漏れるし、さらに肉厚があまりなくてちょっとでも削れるとすぐに穴が空いてしまうというエンジンにとって最悪の場所となっています。
古いSRの弱点の一つでも有ると言われていますね。ちなみにこの問題はいつもお世話になっている半年の順番待ちでやっと入庫できるSR専門の修理工場の親父さんに指摘してもらいました
親父さんありがとうございます!
問題の場所はフロントのスプロケットまで外してやっと目視できる深い箇所になります
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拡大しました
写真は実際の私のエンジンケース側が削られている写真です。
わかるでしょうか?矢印で示した箇所が円を描いて削られている様子が確認できます
現状ではまだオイルは漏れていないですがこのままではやばいですいつか穴が空いてしまいます
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こちらは全く別の車両の同じ個所の写真です。当たり前ですが全く削れていなくて健全な状態ですね
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今回は私の無知による人災が招いたトラブルなのですが、どこでどういう風に間違ったがを丁寧に説明したいと思います
まず、こちらがサービスマニュアルに記載されているのチェーンの企画情報です
規格 DID50HDL
メーカー 大同工業
駒数 400は106 500は104
となっています
この規格の【DID50HDL】を検索すると530と言うチェーンが相当するという結果が表示されます
サイズは530でコマ数は104コマと言う事ですね、530サイズでDIDのホームページの適合表にて調べてみました
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こちらがDIDの適合表です
https://didmc.com/chain/maker_yamaha/
530VX3
530VR46
二つの商品が適合すると表示されています。
【VX3】と【VR46】の違いは有名なライダーとのコラボ商品かスタンダードな商品かと言った違いのようでした。コラボ商品はもちろんパスなので1985年式のSR500には【530VX3】が適合するという結論にこの時点で達しました。
が! ここが今回の間違いポイントです!【530VX3】がSR500に適合すると思った事それが間違いでした
サービスマニュアルの記載の
【DID50HDL】と【530VX3】は同じDID(大同工業)の製品で同じ530なのですが厳密に言うと安全に適合はしない、組めるけど不具合が生じるのです
具体的にどのように違ってどのような問題が発生するかと言いますと、まず違いからですがその違いはシールチェーンかノンシールチェーンかと言った違いです。
多くの人がそんなん分かってるよと心の中で突っ込みを入れられてると思いますが、チェーンは
ノンシールチェーン
↓
シールチェーン
↓
Xリングチェーン
と進化しています。
DID50HDLはノンシールチェーン
530VX3はXリングシールチェーン
この違いはシールが有るか無いかです
もったいぶってすいません
何か言いたいかと言いますと
シールが有ると言うことはシールの分太さが太いと言う事です。
ノンシールチェーンとシールチェーンでは大体2㎜~3㎜太さが違うようです
元々のノンシールチェーンとエンジンケースの隙間はほんとにギリギリくらいしか余裕がありません。そんな隙間の余裕のないところに2㎜~3㎜ほど太いチェーンを組むのですからちょっとでもチェーンが伸びたりしてチェーンが暴れると直ぐにエンジンケースを削ってしまうという事です。
いや~恐ろしいですね
喜んでシール性の高いXリングシールのチェーンとか入れて喜んでたらまさかのエンジンケースを削ってしまってるとか、しかも穴が空いたら修理はほぼ不可能とか考えただけでもぞっとしますね
幸い私のSRはエンジンケースは削れていますがまだ穴は開いて無いようなのでまだチェーンの交換で対応できます
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上が530で下が520です
大きさが全然違いますね
ちなみに530から520に変更しても特に何も問題は無いようなのでサクッと交換します。チェーンの交換と一緒にスプロケットも前後520用に変更します
フロント16丁リア44丁です
これでエンジンケースを削ってしまってオイル漏れするかもしれないという精神的不安を取り除けると思うと心が楽になります
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今回交換する部品たちです
チェーン
520VX3-104FB S&S
フロントスプロケット
サンスター(SUNSTAR) フロントスプロケット 520-16T SR400・500 520コンバート 398-16
リアスプロケット
サンスター(SUNSTAR) リアスチールスプロケット 品番JY-112-44(520サイズ/44T) SR400(520con)
フロントスプロケットのワッシャー
旧部品番号90215-21022
新部品番号90215-21290
リアスプロケットのワッシャー
旧部品番号583-25412-00
新部品番号2XJ-25412-00 3個
結構な出費となりますが仕方ないですね、エンジン全バラする出費よりましですね
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ステップ
チェンケース
チェーンカバー
を外しました
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フロントスプロケットのワッシャーを起こし見えてる32のナットを先に緩めてしまいます。ここを先に緩める理由ですが700Nmほどのまぁまぁなトルクでしまってるのでブレーキを効かしてスプロケットを固定して外します
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ブレーキかけて32のナットで外します
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さくっとリアタイヤとチェーンを外しました
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問題の箇所です
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親父さんがエポキシパテで軽く補修してくれていますがそのパテもちょっと削れてますね
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拡大しました。矢印で指した部分が削れています
オイル漏れは発生していないようなのでこのまま交換作業を続けます
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左が530用で右が520用です
当たり前ですが厚みが違いますね
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フロントスプロケット交換完了
ブレーキを組んでから700Nmで締め付けます
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ワッシャーを起こしてナットを外してリアスプロケットも交換します
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ハブクラッチのグリスアップもついでにしておきます。定番のOリング追加は2年ほど前に行いました
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新品のワッシャーを使って組んでいきます
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ドラム内をエアーで吹いてシューの減り加減も確認しました
左が下側で右が上側
下側が全面ドラムに当たってないような感じですね。 まぁ仕方ないですね
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上が530で下が520太さが全然違いますね
どんどん組んでいきます
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チェーンのクリップを軽圧入して
チェーンアライメントも取りました
しかしチェーンアライメントとってタイヤも真っすぐに回転するようになってるんですがスイングアームの目盛りは全然左右で違ってて9月にスイングアームは新品に交換してるので曲がりなど無いはずなのに目盛りが合わないってどういう事?って感じですね
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520のチェーンを組み込んでからの写真です、あんまり隙間の余裕変わってないように見えますけど、、、、、
まぁ大丈夫でしょう~~笑
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