BMWの車検で30万円も整備費がかかることはダメ押しになったに過ぎず、そもそも何時もの「車欲しい病」が発症していたのが乗り換えのきっかけです。
で、そのきっけというのは、何時かは乗ってみたいと思っていたハイドロのエグザンティアが無くなるという情報でした。
車を乗り換えるたびにハイドロが気になっていたのですが、今回は真剣に事を進め、乗り物にちょっと弱かった娘を連れて高速も試乗して酔わないということも確認し、最終モデルのエグザンティアを仮予約までしました。
さあ、いよいよハイドロ生活間近か、という矢先、魔が差したと言いますか、日本に輸入が始まって以来ずっと気になっていたRover75を見ておこうという気になったのです。
インポートカーオブザイヤーにも選ばれ、徳大寺有恒氏も乗っていたこのRover75。
貧乏サラリーマンにはちょっと手が出ない価格帯でしたので諦めていたのですが、なんということでしょう、100万円も値引くというのです。
なんでも、千葉のPDIセンターに置いていた時、雹が降ってルーフやボンネットに傷が付き、補修したからだというのです。
ただネットでいろいろ探ったところ、本当に被害に遭った車体は保証書にその旨の記載がされているらしく、私のクルマにはそんな記載が見当たりませんでした。多分おそらく、BMWがMINIだけ残してローバー社を手放した煽りで輸入がストップしましたので、困ったBMWジャパンが在庫処分の理由にしたのではと思います。
そんな経緯で急転直下オーナーとなったRover75ですが、惚れ惚れするような美しいウォールナットとレザーの内装は、これぞ英国車!という設え。ウッドとレザーとのコンビのステアリングをオプション装着した車内は、いやもう乗る度に惚れ惚れするような佇まいで大満足。
さてこの車、BMWがローバー社を買収して急ぎ設計開発したため、照明スイッチ・ATモードスイッチ・エアコンなどにE36の部品が多々流用されているとともに、アルミ鍛造の足回りなど、随所にBMWの設計思想が垣間見えました。
購入して早速、Rover75を所有している英国マニアの方のウェブサイトに登録し、大阪でのオフ会を何度も開催しました。
その当時、CG誌でも長期テストをしていましたので、Niftyサーブの時代から存じ上げていたCG誌の記者の方に連絡し、東京でのオフ会の様子がCG誌で紹介されました。
心配した故障は、初期のマイナートラブルだけでE36より遥かに少なく、スキーにロングドライブにオフ会に活躍してくれました。
とにかく、高速のロングドライブが楽で、体感速度はBMWよりも20km/hほど高い程でした。FWDによる直進性の良さ、英国車らしいいなしの効いたしなやかな乗り心地、走行音が小さくて静か、ということが理由だったと思います。
内装だけでなく外装のデザインも素晴らしく、所有する喜びに満ち溢れた車でしたが、ぐにゃっとした感触のステアリングだけは、BMWに慣れた者にとって、大いなる不満でした。
操る喜びに溢れたRWDのステアリングが懐かしい、という想いが次第に膨らんできたことと、ローバーがBMWに見捨てられたので今後のメンテに不安を覚え、2回目の車検を前に手放すことにしました。
もう滅多に見かけることが無くなりましたが、ほんとうに最高のデザインのクルマでした。