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2021年02月06日

ポルシェ997ターボ、B16サスキットのスプリング交換

注)このブログではポルシェ997ターボ前期、ビルシュタインB16サスキットでキットのスプリング交換について記載しています。2021年6月の記事を見ていただくと分かりますが、半年後にフロントのショックアブソーバーが折損してしまいました。原因は特定できないものの、複合的要因によるものと考えられ、キットのスプリングだけを交換したことも原因の1つとなった可能性があるとビルシュタイン輸入元の見解もありました。当ブログの削除も検討しましたが、自らの備忘録、及び皆さんの参考になればと思い、注釈を付加した上で記事を残すことにしました。2021年8月追記。

いよいよB16サスキットのスプリングを交換してみようと思います。「してみよう」?一発で「これだ!」って言うセッティングを出したかったので、いろいろ検討しましたが、結局「とりあえず交換してみて、それから考える」またいつもの行き当たりばったりです。
B16サスキットのメインスプリングのレートは
F6.1kgf/mmR12.2kgf/mm。「911days」にも出ていたのですが、
念のためビルシュタインテクニカルセンターで確認しました。
997ターボのノーマルのスプリングレートが分かればよかったのですが、検索しても、PCの担当の人に調べてもらっても具体的な数字が出てきませんでした。みんカラQ & Aでもダメ。
参考にできそうなのが997カレラ前期型PASM搭載車の
F3.4kgf/mmR5.7kgf/mmという数字。
ちなみに996のGT3が
F3.7kgf/mmR6.8kgf/mm。
こうして見るとビルシュタインB16のレートが突出して高く見え、突き上げも強くて当たり前という感じがしますが、例えば996GT3カップカーだと特別なクルマとはいえF22kg、R24kgという数字です。
またB16にはヘルパースプリングが付いていて、伸び側のレートを抑えています。ヘルパースプリングが付いている場合のスプリングレートはメイン、ヘルパーのレートをそれぞれA、BとするとA×B÷(A+B)なので、もとのメインスプリングのレートよりもかなり小さくなります。(縮み側についてはヘルパースプリングは初めから完全に縮み切った状態になっているのでメインスプリングのレートそのままになります。)
997ターボ の数字が出てこないのは積極的に公開していないのでしょうか。テーパースプリングを使っていて明確な一つの数字ではないのも理由の一つかもしれません。私も今回調べていて知ったのですが(何を今さら、という方もいらっしゃると思います。大目に見てください)、テーパースプリング(円錐形のスプリング、部分によって径が変わる)だと、径が変化することによって部分ごとに反発力つまりスプリングレートが異なるので、低いレートで縮み始め、縮むに従って徐々にレートが高くなって行きます。
メリットとしては路面の凹凸に対して初期はスプリングレートが低い状態なので当たりが柔らかくなること、乗り心地の向上が期待できます。速度域が上がった場合には路面からの入力が大きくなるため、スプリングレートが上がります。つまり高速域での路面追従性を犠牲にすることなく乗り心地を向上させることが可能ということになります。
デメリットとしてはスプリングレートが変化するという要素が加わるのでセッティングが大変になります。メーカーぐらいでないと走行テストを重ねて最適値を出すことができないので、市販車では広く採用されているもののチューナーのサスキットではほとんど見られないのだと思います。
直巻スプリングですが、アフターパーツのサスキットなどで使われている通り、サーキット走行など目的が絞られている場合はセッティングがしやすいということになります。一方で自分のように「高速道路を使ったロングクルーズメインで、峠もOK。街乗りでも助手席からクレームは出ない。」というオールラウンドな足回りを狙うとなると、スプリングレートをどうするかが問題です。純正の不満な点を整理するところからスタートして、純正よりは上の速度域に重心を置いた足回りにしたいので、997ターボの純正とB16の中間くらいが良いのかなと。 ただ現状PASM装着車で分かっているのが997カレラのスプリングレートだけなので、そこから考えればカレラとの中間よりはB16に近い数字に持っていけばいいだろうと考えました。フロントはB16がおよそ6kg、自分のクルマを4kgにするとカレラの純正などとあまり変わらないので5kg以外の選択肢はない感じなのですが、そうするとリアは7kg以下ではフロントの5kgに対して小さい気がするし、11kgだと多分B16との違いが分からない。8kgから10kgで迷ったのですが、9kgならB16の12kgとの違いも分かるだろうし、フロントの5kgともバランスが良いような「気がする」。ちなみにB16の997カレラS、4S用はどちらもF5.1kg R11.2kgで結構リアが大きめのレートなので、やはりハイパワーRR車ということでそういう設定なのかもしれません。
スプリングレートはF5kg/mm、R9kg/mmに決めました。

問題は長さ。スプリングに荷重がかかってない場合、つまり伸び縮みしていない状態の長さを自由長と言うらしいのですが、この自由長をどれくらいにするのがいいのか。
通常チューンナップでスプリングを交換する場合は純正では物足りないなどの理由で固める場合が多いと思いますが、その場合は同じ自由長のスプリングでレートだけを上げて、縮みが少ない分車高を下げて以前と同じ車高にするのが最初の基本路線になるようです。
今回はB16からスタートしてスプリングレートを下げるのでデチューンになります。
B16サスキットのスプリングの自由長はF151mmR200mmとのことで、チューンナップのように同じ自由長のスプリングを使ってレートだけを下げると装着した状態(車重がかかった場合)ではスプリングの長さが短くなって車高が下がってしまいます。例えばフロント、自由長152mmという自由長が近い(おそらくインチで表示したら同じ6インチ)スプリングがアフターパーツで売られていますが、これの5kgf/mmだと装着して荷重がかかった状態では、現在よりも1cmほど短くなって、車高もそれだけ下がってしまいます。
車両に装着した状態でB16のスプリングの長さを測定して、決めたレートで装着したときに同じ長さになるような自由長のスプリングを使えばいいのですが、装着状態のスプリングは外から見えないので測れません。また実際の車重も正確には分かりません。
結局車検証の前後の軸重をそれぞれ2分して、車輪ごとのおおよその荷重を求めて、荷重がかかった場合のB16スプリングのおおよその長さを算出した上で決めたレートのスプリングに荷重がかかって縮んだ場合にB16と同じ長さになるスプリングの自由長を計算することにしました。計算は省略しますが、F161mm、R214mmが入手すべきスプリングの自由長となります。あとはこれを買えばOK。ってそんなハンパな長さ売ってないし。特注オーダーすれば良いですね、って高いでしょ。
もともとの計算もそれほど緻密にやってないので、近い長さのものを購入して車高調で調整することにしました。近い長さと言っても長めにするか短めにするのか。あるいはどっちでもいいから少しでも近いほうを選べばいいのか。スプリングはインチ単位で作ってることが多いので、近いところと言っても、20mmくらい変わってしまうこともありそうです。
ここでググったり、人に聞いてみた結果、
乗り心地の改善を主な目的として車高を変えないでスプリングレートを下げる場合は長めのスプリングを選んで装着後に車高を下げて調整するのが良いという結論に達しました。長いほうがスプリングの単位当たり(例えば1cmとか1巻きとか)の負荷が少なくなって反発力が弱まるとのことです。
アイバッハがビルシュタインのショックとは相性が良さそうに思えたのですが、B16のスプリングと同じ内径70mmだと自由長200mmからのラインナップとなっていてフロントに使えるものがなくて断念。SWIFTだと前後が揃うので、
今回はSWIFTを使うことにしました。改めて整理すると
「計算上、荷重状態で現在のものに近い長さになるスプリング、ただし短くはならない」という条件で
フロント5kgf/mm、7インチ178mm
リア  9kgf/mm、9インチ228mm
を使うことに決めました。
スプリングをヤフオクで調達、装着するショップに送ってもらい、
ショップの作業予約をしたタイミングで走行中に異音が発生するようになりました。低速でカドを曲がる時や車庫入れの時などに「カコン、ココン」という音がすることがあります。曲がる時と言っても大きな交差点レベルのスピードでは異音は発生しません。ネットで調べると車高調のスプリングがマウントと当たっているところで発生しているようで、異音業界では知られた存在のようです。
気にしない、という選択肢もありでしたが、スラストベアリングを挟めば解決できるようなので、汎用のものを急遽調達することにしました。ヤフオクで1台分4個7500円。安いものなので良かったのですが、長めのスプリングの上にベアリング(厚さ7mm)を入れたら、車高の下げ調整範囲に収まるかどうかが心配です。
ショップにお願いしてベアリングを入れられるかどうかを現場で見ながら使用の可否を決めることになりました。
長文を読んでいただきありがとうございます。次もよろしくお願いします。

次回予告
ベアリングは入るのか?ポコンポコン泣きながらご近所を回り続けるのか?
やってしまった!腰高ターボ出現でスプリング買い直し!?
車高調整の副産物。
ご期待ください。


ブログ一覧 | 日記
Posted at 2021/02/06 14:43:28

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この記事へのコメント

2021年2月6日 15:45
こんにちは!
とても興味深い内容でした。
僕の進捗は、まず車高調導入のための予算を調達中です(笑)
それと、スプリングレートを何キロにするか検討中でした。
メーカーはほぼ決定しており、仕様用途を選択肢から選びメーカーにお任せorレートを指定するという方式です。
あとはヘルパースプリングの有無も決められるので、計算&きちんと体感して決めなければ…と。ずっと考え中でした。
ターボのセッティング、楽しみにしております!またお邪魔させていただきますね(^^)
コメントへの返答
2021年2月6日 17:18
コメントありがとうございます。スプリングレートなかなか決められないですよね。B16から下げるのは決まっていても、実際にどういう値にするか悩みます。スプリングそのものはもちろん、工賃かかるので、ダメだったからと簡単にやり直すワケにもいかないです。涼さんのボクスターもバッチリ決まるよう祈ってます。
2021年2月6日 16:33
こんにちは。
物凄く情報収拾をされたのですね。私の場合は途中で心折れて『まぁ、やってみて・・・』になってしまう(&で、結局は2,3度やり直す)傾向があります。

おっしゃる通りでレート下げると自由長を余計に取らないと下がってっちゃうんですよね。調整で上げても限界値でベタベタ状態になったり。
経過のブログ、興味津々です。
コメントへの返答
2021年2月6日 18:04
コメントいただきありがとうございます。スプリングだけ換えると言っても、ショックと一緒に脱着するので、工賃も同じようにかかりますから、やり直しは避けたいですね。スプリングレートはエイヤッで決めちゃったのですが、長さはホントに悩みました。そもそも車高調の調整幅±20mmとかなのに、スプリングの長さは約25mmのインチ刻みなので、良いところにピタリと入ったらラッキーくらいの感じだと思います。インチ刻みなので長さの選択肢自体少ないですが、この自由長しかないなら、レート上げたほうが良いのかな?と一旦決めたレートに戻って迷ったりしました。でも最後はとりあえずやってみるか、ですね。次回もよろしくお願いします。
2022年7月2日 22:07
はじめまして。
2007年997TTに乗ってます。コロナでどこにも行けないので、家でガレージライフを楽しんでいます。2020年にネットで情報を検索して自分でB16に交換しました。最初はB16のsportsをイギリスから輸入して装着しました。あまりの乗り心地の悪さに悲鳴を上げてComfortに付け替えました。最近長距離を運転することが多く、ちょっと乗り心地を改善できないかと思い調べていてここにたどり着きました。とても有用な情報ありがとうございます。早速スプリング注文しました。

アッパーマウントの上部の破損の件ですが、自分で交換した経験から申し上げますと、とても力が加わる場所と思いますが、ノーマルのアッパーマウントであれば、構造からして折れる可能性は非常に少ないと思います。スラストベアリングが純正で元からついているのがそのまま使えると思いますので、交換の必要はなかったかと思います。(https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/n1051258410)(リアは可動部がないのでそもそも不要と思います)
もしかしたら、純正以外のものに変えたので、外れてしまってストラットがうまく回らなくてとかで、疲労して折れた可能性があると思いました。

とても参考になりました。ありがとうございました。今後ともいろいろ教えてください。
コメントへの返答
2022年7月3日 2:22
コメントありがとうございます。フロントショック折損の原因についてPCのメカさんとビルシュタイン輸入元の見解を総合すると、第一に固いショックに柔らかいスプリングを合わせたことによってショックに過大な力が加わったこと、次にショックアブソーバーの取り付けトルクの管理不足(締め付け過ぎだったと指摘あり)。スラストベアリングについては特に言及はなかったのですが、余分にスラストベアリングを挟めばそれだけショックが動く余地ができると思われるので可能性は否定できないですね。B16で何だかんだで60万は無駄になりましたww。もしスプリングを交換されるのであれば、一度リアだけレートを少し下げたものにして様子を見るのもいいのではないかと思います。自分の場合、フロントこそぶっ壊れてしまいましたが、リアは特に問題なかったようです。もしフロントもレートを下げるのであれば、スプリングは5kgでも20cmぐらいの長いものにすればショックアブソーバにかかる力を軽減できると思います。最新のブログ記事をお読みいただくと分かるのですが、自分のクルマは現在ではアメリカから取り寄せたB6ショックとアイバッハのダウンスプリングの組み合わせとなっています。なかなか調子いいのですが、これが到達点なのか、通過点なのかは不明です。私は教えるどころか自分で取り付けなんてできない素人ですが、997ターボで「失敗」した経験値はそこそこあると思いますww。今後ともよろしくお願いします。

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何シテル?   11/15 04:57
shirowantaです。よろしくお願いします。
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