
私は
ジブリ世代ど真ん中で、人生をジブリ映画と共に歩んできたと言っても過言ではありません。ルパン三世カリオストロの城に始まり、ナウシカ、ラピュタ、トトロ、千と千尋、もののけ姫、などなどすべての作品を観て来ました。そんな宮﨑駿監督の久々の長編アニメということで、お盆休み中のレイトショーに1人で行って参りました!結論から言うと、ジブリファン、宮﨑駿監督(注:本作から崎→﨑に漢字が変わっている)ファンなら
絶対に観ておいて損はない作品に仕上がっていると思います(歴代宮﨑駿監督作人の中でも、過去最高傑作だと個人的には思っています)。
さて、何故みんカラで本作品に触れるかというと、作中で主人公の裕福な父親が転校後登校初日に
「ダットサンで息子を学校まで送って行く」というシーンがあるんですね(「明日ダットサンで送って行ってやる、皆ビックリするぞ!」とまで言っています)。戦時中にマイカーを所有すること自体、
相当レアな事だったハズですし、こんなことをして疎開先の田舎の同級生の反感を買わないハズがなく、案の定主人公は
同級生からのイジメを受けることになります。過去には千と千尋の神隠しでも、千尋のお父さんが映画冒頭のシーンで家族の反対を押し切り、
Audiクワトロで
未舗装を爆走するシーンが出て来ます。目をギラつかせて、「大丈夫だ!このクルマは四駆だぞ!!」と叫びながら・・。まあこの見るからに傲慢なお父さんは、その後油屋の世界で湯婆婆に豚の姿に変えられてしまうワケですけどw。
宮﨑駿監督世代の方にとってはシンプルに
クルマを所有している=お金持ち(しかも少々鼻に付く)という構図で、クルマは正に
富の象徴でした。今では死語となった
マイカーという言葉が示す通り、マイカー(My Car=自分のクルマ、和製英語)を持つということ自体が
凄い事だったんですね。それが今となっては一家に一台は当たり前、クルマというモノに対し誰も何の憧れも抱かれなくなりました。
クルマの家電化と言いましょうか、多くの人にとってクルマはもはや冷蔵庫やテレビのような存在なのだと思います。地方だとまだまだ交通インフラが整備されていない地域も多く、とりあえずクルマがないと生活が成り立たない、安くて燃費が良ければ何でも良いや、といった具合ですね。
そもそもクルマというモノは
移動の手段であり、AからBまで安全に運んでくれれば本来それで良いワケですが、そこに我々のようなクルマ好きは+αの要素を求めます。で、+αの要素を含んだクルマというのは、往々にして高価なワケですから、それに見合った価値を買う側が見出さなければ買われることはありません。2023年現在、我々のように+αを払ってでも楽しいクルマに乗りたい!と思う人は残念ながら
圧倒的少数派と思われます。上述の通り、大多数の人は
クルマ=家電という風に考えているワケですね。故に、「クルマごとき」にン百万もン千万も出すような人は大多数から見れば酔狂に見えることでしょう。でも、それで良いんデス!
躍る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損損♪
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四方山話 | 音楽/映画/テレビ
Posted at
2023/08/18 14:05:58