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2024年01月15日

アバルト500eはホンダeの二の轍を踏まずに済むのか?

アバルト500eはホンダeの二の轍を踏まずに済むのか? 現行アバルト695は本国の在庫限り終了、というお触れが昨年11月末に出まして、今年中には後継のEVモデル(500e/600e)に完全移行する予定です。さて、先行投入されている500eですが、YouTubeのレビューを見る限り、走行性能の面ではまずまずの出来栄えのようです。

サイズ的にも現行695より一回りは大きいモノの十分にコンパクトと呼べるサイズ感ですし、ICE→EVという大幅な変更ながらなんとかキープコンセプトは出来ているように思います(チコちゃん顔は個人的には好みではありませんが)。車重も200kgくらい重くなりますし、重量物がフロントエンド→フロアボトムに変わっているので、操縦性はかなり違うと思いますが、いわゆるスポーティーなキビキビ感は維持しているようです(この辺は一度試乗して確かめてみる必要がありそうです)。さて、問題となるのが「価格」と「航続距離」です。価格は、現行695でも乗り出し500万円オーバーという高値になっていますが、アバルト500eは何と車両のみで600万円の大台を超えて、615万円、カブリオレに至っては660万円となっています(EV補助金はありますが)

そして二つ目の問題は航続距離。一応メーカー公称値では、クーペが303km、カブリオレで294kmとなっています。昨今EVが普及するにつれ、常識になりつつありますが、EVのメーカー公称値はほぼ「参考値」程度に考える必要があり、寒冷地などでは半分ほどに距離が短くなってしまうことも珍しくありません。303kmの半分というと、150kmです。首都圏在住の場合、御殿場まで行って帰って来るのもヒヤヒヤという、レベルです。ましてや峠をガンガン攻めるとなると・・。そう、つまりアバルト500eはスポーツモデルでありながら、電費を気にせずガンガン乗る、という乗り方は出来ず、実質タウンユースでしか使えないということになります。セカンドカーとしても不安が残るレベルです。

ご存知の方も多いと思いますが、似たような姿形、スペックのクルマでホンダが試験的に2020年に投入した『ホンダe』というモデルがありますが、こちらは航続距離308km(JC08モード)でした。実質200km程度の航続距離ということや、アバルト500e同様に車格に対して高額な車両価格(500万円)ということが災いし、国内での販売台数は3年間でわずか1800台、ついに2024年1月一杯で生産終了が決まっています。乗ってみると、ホンダの走りへのこだわりが随所に見られ、結構fun to driveなクルマだったようですが、結局この「価格」と「航続距離」がネックとなり、誤解を恐れずに言えばマーケティング的には大失敗に終わってしまったモデルとなりました。

アバルト500eとホンダe。非常に酷似する点が多く、ホンダeが盛大にコケたことを考えると、アバルト500e(そしてこれから登場する600e)には不安を抱かざるを得ません。しかも、ホンダのような大企業と違って、アバルトはすでにICEの生産・販売終了を宣言しているため、今後売るクルマが500eと600eしかなくなってしまいます。これがコケると企業自体の存続が危ぶまれます。どんなに走行性能が良かったとしても、EVが売れるためには「低価格化」と「航続距離の延長」は避けられない課題です。ホンダeのように、販売してから一切年次改良を加えず、ファームウェアのアップデーても行わず、航続距離が303kmのままだとアバルト500eも同じ運命をたどるように思えてなりません。

改めて、ステランティスグループがICEを捨てるという選択をしたことは、さすがに勇み足だったのではないか、と個人的には思います。少なくともしばらくはICEとEVの併売を続け、場合によっては繋ぎとしてハイブリッドモデルの投入も検討すべきだったのではないでしょうか?(同じグループのアルファロメオブランドには「トナーレ」というPHEVおよびマイルドhybridモデルがあり、ある程度技術的ノウハウはあったハズです)現行アバルト乗りとしては、企業が倒産してしまうのはパーツの安定的なサプライという点でも、アフターサービスを今後とも受けるという点でも、是非とも避けていただかなければなりません。そういう意味でも500eの行く末は大いに不安と言わざるを得ません。
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Posted at 2024/01/15 13:47:14

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