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2023年01月16日 イイね!

ポルシェのテクイップメント沼にハマらないために大事な5つのこと

ポルシェのテクイップメント沼にハマらないために大事な5つのことポルシェは本当に商売上手なメーカーになった、と思います。80年代~90年代、経営難に苦しみ、正に倒産・身売りの危機に瀕していたメーカーとは思えないくらいの大躍進、世界でも類を見ないほどの黒字メーカーになりました。そのブランディング、商品品質も然ることながら、儲かる仕組みとして膨大な数のOP群・・即ちテクイップメント商法が実に巧妙です。

ポルシェのブランディングの一丁目一番地はなんと言っても緻密なヒエルラキー構成にあります。911を例に取ると、まず素のカレラがあって、その上にエンジンがスープアップされたカレラS、間にカレラT、さらに上位互換としてカレラGTSそしてターボ、ターボSがあります。また、それぞれのモデルにカブリオレ(カレラTとGTSを除く)の設定があり、さらには4WDモデルの設定もあります(カレラTを除く)。さらにさらに、ガラストップのタルガ系、そしてサーキットスペシャルのGT3とGT3RSがあり、モデルライフの終盤になるとGT2というRWDのスペシャルモデルが出るのが常です。加えてスポーツクラシック、スピードスターなどの限定モデルが存在するものもはや伝統になりつつあります。

正に百花繚乱のモデル展開ですが、ポルシェの緻密なところはそのプライシングにあります。例えばベースの911カレラに好きなOPを付けていくと、気が付けばカレラSのプライスレンジに入ります。であるなら、とカレラSをベースにOPを付けていくと今度はカレラGTSのプライスレンジに入るといった具合。このシームレスなヒエルラキー構造が頂点モデルのターボS/GT3RSまで続きます。つまり、上を目指すとキリが無いのがポルシェです。で、面白いのが、下位モデルに乗っていると必ず上位モデルが気になるように出来ていますw。いったん気になりだすともう止まりません!!で上、さらにその上と目指すようになります。もはや洗脳ですよね(苦笑)。

で、こうしたヒエルラキー構造の傍ら、ポルシェのテクイップメント(=オプション)群はとにかく種類が膨大かつ高額です。どんどんやりたいようにやっていくと、Dセグメントの輸入車がもう一台買えるくらいの金額になります。ですので、どこまでOPにお金を費やすかは、新車でポルシェを買う人とって常に悩ましい問題です。で、まあまだ新車で1台しかポルシェを買ったことが無い私のつたない経験からではありますが、テクイップメント商法の沼にハマって損をしないための5つのTipsをお伝え出来れば、と思います。欲しいモノにはお金に糸目は付けぬ!というお大仁は対象外ですので、悪しからずw。

その1 最初から上位モデルを狙う

ポルシェの場合、どんなにOPにお金をつぎ込んでも、なかなかリセールプライスにはこれが反映されません(逆に、人気OPが付いていないとマイナス査定されることはある)。なので、例えば素のカレラに500万円つぎ込んでも、売るときに500万円高くなるわけではありません。一方、上位グレードは上位グレードなりの価格で買い取りされるので、であるなら最初から上のグレードを狙う、というのはアリな選択だと思います。ポルシェのヒエルラキー商法に屈する形ですが、これが現実。もちろん、あまり頑張りすぎてせっかくの新車なのに欲しいOPをほとんど付けられない、というのでは少々寂しいのでバランスは大事ですが・・。迷ったら上位モデルを狙うというのはポルシェ選びに於いては一つの王道の考え方かと思います。

その2 自分なりのテーマを決めてOPを選択する

これ、とても重要だと思います。例えば、シンプル・軽量が売りのカレラT。遮音材も省かれており、車内には容赦なくエンジンサウンドやロードノイズが入り込んで来ます。このモデルにブルメスターのオーディオシステムを奢る意味は果たしてあるでしょうか?答えは否です。同様に、豪奢な上位モデルの代名詞である911ターボに、フルレザー+エクステンデッドレザーを選ばない理由は無いと思われます。車種毎にポルシェは明確なコンセプト、テーマを設けています。これに反するようなOP選びはコストがかさむ割に満足度は下がるように思います。モデル選びもそうですが、OP選びも自分にとって何が譲れて、何が譲れないかは明確にしておくべき事柄のように思います。

その3 独りよがりのOPになっていないか精査する

一生そのクルマと添い遂げるという場合を除き、クルマというのは必ず売却する時が来ます。その際に、少しでもリセールを良くしたいというのが人情です。その際、過度なパーソナリゼーションは邪魔になります。中古車市場を見ていると、やはりよく回転する車両というのは、まあいわば最大公約数的な無難なOPを付けている場合がほとんどです。スポーツ系モデルであれば、スポーツクロノPKG、スポーツエギゾースト、スポーツPASMなどは必須と言えます。逆に過度な内外装のカラーリングや、ワインポイントで入れたつもりが他人から見れば悪目立ちするようなOPは避けるべきでしょう。ホイールなども高額な割に自己満足アイテムであることが多いので、よほどの思い入れが無い限り標準のものがコスパが良いと思います。

その4 走行シーンでOPを選択する

スポーツカーは見栄えが大事。ハイ、その通りかと思います。しかし、見栄え重視のために、不要なOPを付けるのは避けたいところ。サーキットはほとんど走らないのにフルバケットシートやロールケージは不要でしょうし、逆にサーキットメインの場合シートヒーターやフルレザー内装は不要でしょう。PCCBは私の大好きなOPの一つですが、交換となると目が飛び出るほど高価なことは皆さんご存じの通りです。サーキット派は避けるのが吉でしょう。このように、自身がどのようにポルシェを使うのか、通勤がメインなのかツーリングがメインなのか、はたまたサーキットがメインなのか。この辺でも選ぶべきOPは大きく変わって来るように思います。

その5 多少はパーソナリゼーションを楽しむ

上記4つと矛盾しているようですが、やはり一つや二つはあまりリセールを気にせず、せっかくの新車オーダーなので好きなOPを付けることをお勧めします。そうすることで愛車に愛着が湧き、正に新車でポルシェをオーダーをした悦びに浸れます。そうでないと、わざわざ新車でオーダーするメリットが半減してしまいまもんね?(転売目的の方を除き)しかし、ここでも注意が必要なのはあまり突拍子もないものは選ばないこと。ポルシェは生産されたすべての車両の70%が実稼働していると言われますが、次のオーナーにバトンタッチした際に、次のオーナーさんがついニンマリしてしまうような粋なOPを付けたいものです♪

まとめ

ポルシェのテクイップメントの数は膨大で、カーコンフィギュレーターを弄っていると本当に時が過ぎるのを忘れてしまうほど、クルマ好きにとってOP選びは至福の時間です。そして、実際にオーダーした通りの車両が手元に届いた時の喜びもまた非常に大きいモノです。しかしながら、お金は多くの方にとって限りのあるものですし、無駄なく自分の理想の仕様を仕上げるために、上記5つのポイントを押さえてみてはいかがでしょうか?とまあ偉そうに講釈を垂れてみましたが、私自身煩悩の塊みたいなものなので、半分くらいは自分への戒めとして書きました(笑)。

※ヤ〇ー記事風にまとめてみましたが、本記事は飽くまで私見です^^
Posted at 2023/01/16 22:14:40 | コメント(3) | トラックバック(0) | ポルシェ | クルマ
2022年10月22日 イイね!

992カレラT…申し込みしちゃいました^_^

992カレラT…申し込みしちゃいました^_^話題のカレラTですが・・発表翌日にオーダーを入れましたw。997.2以降、GT系も含めどうにも「新車で買いたいと思えるポルシェ」がありませんでしたが、ついに欲しいのが来た!という感じで、悩んでいる暇もあまり無かったのでさっそく担当に話を通してデポジットを入れました!!(そもそも割り当てがあるかも、納車がいつになるかも分からない、という注釈付きではありますがw)

ちなみに、10月21日(つまり、発表から2日目)の時点で私の担当販売店ではオーダー殺到によりオーダーストップという状況となっていましたので、よほどの太客でないと今からの新規オーダーは難しいかもしれません。販売店によってはそれなりに割り当てがあるのかもしれませんので、一概には言えませんが・・現状かなり厳しいと聞いています。そもそも役物ではない、通常モデルのバリエーション、しかもベースは素カレラという極めてベーシックな911カレラTがなぜこれほどまでに注目を集めるのか?これにはいくつか理由があるように思います。個人的に911カレラTに惹かれた理由について述べてみたいと思います。

理由その① 唯一のカレラ系MT選択可能モデル

正確に言うと、カレラGTSではMTが選択可能ですが、2年近く前にオーダーした方が未だ納車になっていないという滞りぶりで、役物ではないものの新規発注が現実的ではありません。エンジンは非常にパワフルですが、日常使いでは持て余すレベルで、多くの方にとってはオーバースペック(&オーバープライス)なのではないか、と想像します。本国ではカレラ、カレラSいずれもMTモデルがオーダー出来たと思いますが、日本ではPDKのみ。すなわち、シンプルな素のカレラでMTが選択出来るのはカレラTのみということになります。ちなみに991.2にもカレラTの設定はありましたが、日本国内ではPDKのみの導入だったため、そういう意味でも今回のカレラTは価値のあるモデルと言えます。

理由その② お得な装備・専用装備

日本仕様の素のカレラは本当に何もついていない状態で、今となっては必須と思えるようなOP(スポーツクロノPKGや、PASM)を付けていくと、あっという間に物凄い価格帯になってしまいます。実際、992カレラオーダー寸前まで言った時のコンフィギュレーターでも2000万円近い価格になっていました。で、カレラTはカレラ系を軽量化・簡素化したモデルですが、スポーツPASM(10mmローダウン)や、スポーツクロノPKGが標準装備されます。これ以外にも内外装に細かい専用装備があり、一つ一つ選択するよりも大分お得です。いつもコンフィギュレーターをやると500諭吉を超えて来るのですが、今回は367諭吉ほどで済みました。なお、現行911カレラ系の中でもっとも軽量なモデルというのも魅力ですし、無償でリアシートも追加可能となってるのも私のような現役パパさんには嬉しいOPです^^。

理由その③ 最後の純ガソリン+MTかも?!

これが最大のポイントかと思いますが、992.2後期型の正式アナウンスはないものの、GT系以外はマイルドハイブリッド化されるのではないか、と噂されています。欧州のCO2エミッションの縛りが今後益々厳しくなることを考えると、これは恐らくその通りなのではないか、と推察します。で、GT系はおそらく他モデルとの差別化も考慮し、MTを死守するものと思われますが、カレラ系にMTの設定は無くなるものと思われます。まあ「これで最後かも?」と思わせるポルシェの商法にまんまと引っかかった形ですが、今回ばかりは乗せられても良いかな?と。もしそうなら、資産性という意味でも価値のある一台になるかもしれません。

というワケで、992前期型を締めくくるのには大変相応しいモデルであると同時に、いわゆるオールドスクールスポーツカーという意味では最後のモデルになるかもしれません。唯一の懸念は、みん友さんにもご指摘いただきましたが、欧州排ガス規制の関係で触媒関係がかなりごつくなるみたいで、このことで従来のサウンドがかなりスポイルされるのではないか、という点。現行992のカレラ系はそれほど悪い音ではないのですが、それよりも「劣化」してしまうのでは、という懸念ですね。音フェチとしてはこれは大変痛い情報ですが、それ以上に車両の魅力が上回るので、まあこの辺はアフターマーケットに期待することにします!w

あ、そう言えば来週296の試乗&商談だったんだ・・どうしようww
Posted at 2022/10/22 14:56:16 | コメント(8) | トラックバック(0) | ポルシェ | クルマ
2022年08月29日 イイね!

何かおかしくないですか?

何かおかしくないですか?ポルシェがすべての718系モデルと911系モデルの受注を9月1日を以て停止するとのこと。方々のSNSや匿名掲示板でもそれらしき情報が飛び交っているので、恐らく近日中に正式なアナウンスがあるものと思います。911に関してはちょうどFLのタイミングなので、それに伴う受注停止の可能性もありますが、718はポルシェ・スポーツラインのエントリーモデルなので、個人的には由々しき問題だと思っています。

本ブログでも繰り返し半導体不足に加え、ウクライナ危機等によって様々な分野に於いて品薄状態が常態化している問題について触れて来ましたが、ポルシェにもついにその影響が出て来たと考えざるを得ません。で、私が一番違和感を覚えるのはタイカン、カイエン、マカン、パナメーラなどの非スポーツモデルは一切受注停止の話が出ていない、という点。つまり、これらの非スポーツモデルは今まで通り普通に買える、という事です。えーっと、私の記憶が正しければ、ポルシェってたしかスポーツカーメーカーでしたよね?何なら20年ほど前まではスポーツカー専用メーカーだったハズです。それがいつの間にこのように一般乗用車がメインで、スポーツカーはオマケのメーカーに成り下がったのでしょうか??

しかも一説に拠れば、タイカンやらパナメーラやらの在庫がダブついている不人気車種を何台か買えば、意中のモデルが買えるとか??やっていることはいわゆる抱き合わせ商法(=違法行為)みたいなモノですよね。子供の頃、ファミコン全盛時代に、欲しいソフトを買うために不人気ソフトを何本か掴ませてきた近所の悪徳おもちゃ屋の親父の顔が想起されますw。まあ似たような事は高級機械式時計の世界でもあって、パテックフィリップなんかも、不人気なレディースモデルやら装飾モデルを何本かお布施として買って、ようやく欲しいモデルが手に入るという構図になっております。欲しいモデルがあって、買うお金もあるのに、お布施をしないと買えないというワケです。此れ如何に。

こうしたポルシェのビジネススタイルには個人的に大いに疑問を感じます。そもそも、ポルシェは今も昔もスポーツカーメーカーであったハズです。にも拘わらず、欲しくも無いセダンやらSUVを買わないと、本来の目的であるスポーツカーが買えないというのはどう考えても理屈に合いません。しかも、今盛んに言われているSDGsの精神にも反します。そもそも環境性能云々と言いながら顧客に「不要な買い物」をさせて環境負荷を増やしてどうする?という話です。何年待っても良いから、受注は受けるべきです。もちろん、一部の限定車や極端に生産台数の少ないモデルについてはある程度の制限は必要かと思いますが、それでも公平に抽選するとか、いくらでも方法はあるハズです。

買いたくてもモノが無い、というこの状況はコロナ以降あらゆる分野で顕著になってきており、個人的にはかなり食傷気味です。それでいて、個人的には抱き合わせに乗っかってでも欲しい!!と強烈に思えるような魅力的なモデルがラインナップに無いのもまたやるせない気持ちになります。992.2辺りはポルシェが造る「最後の純ガソリン車」になるかもしれませんし、人生で最後の新車911にしようかと思っていましたが、この状況ではちょっと躊躇してしまいますね・・。まあそれでも欲しい人は欲しいんでしょうし、お布施をしてでも有難がってポルシェを買う人は買うのでしょうから、私ごときがとやかく言うべきことでもないのかもしれませんが。

もちろん、ポルシェだってビジネスだというのは良く分かりますし、インポーターや販売店にはそれぞれノルマがある、というのも頭では理解出来ます。でも、こういう商法であったり、色々過去のヘリテージを食いつぶすようなやり方を見ていると、ポルシェというメーカーに対するリスペクトというか畏敬の念みたいなモノが削がれていきますよね。まあ旧いポルシェに乗っている身としては、メーカーには存続してもらわないと困る、という事情もあるので痛し痒しではありますが(溜息)。このような現状に於ける親愛なるポルシェラバーの皆さまのご意見をぜひお聞かせ願えれば、と思います。
Posted at 2022/08/29 14:31:55 | コメント(8) | ポルシェ | クルマ
2022年05月27日 イイね!

旧車を大事にするポルシェの企業姿勢

旧車を大事にするポルシェの企業姿勢996C4Sの近況連絡が来ました。一番の懸念事項だったインターミディエイトシャフトについては問題無いとのこと。細かい作業内容についてはまた別項でアップしますが、とりあえず大きな不具合はなく、一部国内で欠品しているパーツの到着待ちとなっています。また、一部のパーツは本国でも欠品しているようで、現在生産中とのこと。ただちに走行に影響するパーツではないため、もしかしたらやれるところまで作業をしていただき、一旦退院になるかもしれません。

さて、今日はポルシェというメーカーの、旧車に対する企業姿勢について私見を述べたいと思います。自動車メーカーにとって、一番利益率が高いのは、新車を売る事であることに間違いありません。しかも、出来るだけ上位のモデルを出来るだけOPてんこ盛りで売るのがメーカー側からすれば最高に儲かります。しかし、ポルシェのような息の長いブランドでは、旧車に対する需要も一定数あり、本国AGでもレストアプログラムがありますし、各国にポルシェクラシックパートナーと呼ばれる旧車の認定修理工場を設けています。新車が売れればそれで良いやではなく、旧車を大切にするという企業姿勢は大いに共感に値します。過去に生産されたポルシェであればどんなに古くてもパーツを注文出来るというのは本当に素晴らしいです。

ポルシェの更に凄い所はテクイップメントと呼ばれる純正OPパーツも(すべてではありませんが)、後から取り付けが可能なところです。例を挙げると、私の996C4Sに装着されているスポーツエギゾースト(PSE)。これは997世代から国内仕様でもテクイップメントとして選択可能となり、一気に普及したパーツですが、実は996販売当時も本国でのみ設定がありました。これが何と、2017年12月(996の生産終了から14年後)から後付OPとしてポルシェジャパンでも取り扱いが始まり、しかもバルブ開閉スイッチまで車内に増設されるという本格的な代物です。旧車のOPを後出しジャンケンで設定しよう、というこの企業姿勢は凄いと思います。ちなみにマフラー自体は997のPSEと同じドイツEISENMANN製のようです。

インターミディエイトシャフトのリコール作業もそうですが、ポルシェはブランドイメージを保持するのに何が大事かということを良く分かっているメーカーなんだと思います。いつまでも安心して乗れるからこそ、高いお金を出して新車を買っても良い、と顧客は思えるわけですね。旧車はもう作られることはありませんが、これだけメーカーが手厚くパーツを供給し、何なら当時のOPパーツまで注文出来てしまうというのは、ユーザーにとってはぐんと旧車の敷居が下がります。これは旧車好きにとってはとてつもなく有難いことです。生産終了から10年そこそこで純正品が手に入らなくなるようなメーカーも多い中、ぜひポルシェにはこのスタンスを貫いていただきたい、と思います。

そんな旧車を大事にするポルシェの公式You Tubeチャンネルに、つい最近964オーナーにスポットを当てる動画がアップされていて、感銘を受けました。すべての世代のポルシェラバーを大事にするポルシェの企業姿勢に乾杯♪

Posted at 2022/05/27 13:41:06 | コメント(2) | ポルシェ | クルマ
2021年07月10日 イイね!

空冷ポルシェの都市伝説

空冷ポルシェの都市伝説さて、愛車の退院を明日に控え、3か月ぶりにポルシェ・オーナーであったことを思い出しつつある不肖黒蛙ですw。私はかつて水冷ポルシェを3台乗り継ぎましたが、水冷ポルシェは良くも悪くも「普通」でした。ここで言う普通とは、性能的な事ではなく、いわゆる乗用車として真っ当、「普通に乗れる」という意味です。ウェット路面での高速走行はやや気を使いますが、その他の場面では数多あるスポーツカーと同じ感覚で乗れてしまいます。

そういう意味では、空冷ポルシェはやや敷居が高いと言いますか、ちょっと特殊なクルマであるという印象をお持ちの方も少なくない事と思います。そして、他のスポーツカーには無いちょっとした作法であったりクセがあるため、様々な都市伝説がまことしやかに囁かれています。本稿では、これから空冷ポルシェに乗りたいと思っている方の疑問を解消するために、巷でよく耳にする空冷ポルシェにまつわる都市伝説について少々私見を述べたいと思います。飽くまで私見ですので、空冷乗りの諸先輩方から見れば鼻で哂われてしまう内容かもしれませんが、まあ何せまだ空冷ポルシェについては初心者ですので、ご容赦くださいm(_ _)m。

都市伝説➀~アイドリングスタート~
ポルシェはクラッチが繊細で、エンジンのトルクが太いため、原則アイドリングスタートをすべし、という話をよく聞きます。これは本当でしょうか?私もかつて、他人様の空冷ポルシェを試乗させていただく際には、細心の注意を払ってアイドリングスタートを心がけたものです。しかし、実際にオーナーになってみると、少なくとも964以降の空冷ポルシェについてはあまり気にすることないというのが目下の結論です。かつての、「ポルシェシンクロ」と呼ばれた時代のトランスミッションについてはたしかに気を使う部分があったようですが、G50ミッションになって以降は、普通のクラッチミートで壊れたとかそういう話は一切耳にしません。

クラッチのミートポイントがやや手前なので、コツは必要ですが、普通につないで普通にアクセル入れてまったく問題ありません。それよりも、私が最初に面食らったのはオルガン式ペダルの独特のペダルタッチですね。水冷ポルシェの場合はアクセルペダル以外は吊り下げ式となっているため、まったく違和感なく操作できたのですが、空冷の場合は全ペダル床からにょきっと生えているため、操作性が独特です。加えて、ホイールハウスが車内にせり出している関係で、ややペダルが中心より右側にオフセットしているため、さらに慣れを要します。ただ、慣れてしまえば操作性が悪いというわけではありません。H&Tは無理ですけどね。私は端から諦めていますw。

都市伝説②~オイル漏れ~
空冷エンジンのクランクケースはいわゆる縦割りなので、構造上シーリングが劣化してくるとオイルが漏れます。クランクケースをつなぐボルトのパッキンが劣化しても漏れます。実は新車でも漏れるらしく、とにかく漏れます。空冷エンジンブロックが漏れるのは間違いありません。1000㎞走行で1Lほどオイルを注ぎ足さなくてはならないのは通常運転です。空冷ポルシェ乗りは、常に自宅にオイル缶の予備を置いていて、ゲージをチェックして減って来たな~、と思ったら注ぎ足します。ちなみに、通常のクルマと違って、空冷ポルシェの場合はエンジンを回した状態でオイルを注ぎ足すのが正解とのこと。大量のオイルでエンジンを冷却・潤滑する別名「油冷」エンジンですから、オイル管理は大事です。繰り返しますが、オイルは漏れます。

都市伝説➂~直進安定性が悪い~
空冷911はリアに重いエンジンを積んでいて、ホイールベースが極端に短い(2272mm)ため、直進安定性に欠けるという話をよく聞きます。どの速度域を以てそう評するかに拠ると思いますが、個人的にはドライ路面での通常の高速速度域(80km/h~120km/h)では直進安定性が悪いと感じた事はありません。以下、クローズドコースでの話になりますが、水冷911の場合は120km/h~180km/hはたしかに多少ふらつく感じがありました。しかし、さらに上の速度域になるとダウンフォースが効いて逆に安定する印象でした。空冷ではこのような速度域は経験したことないので、分かりませんが・・恐らくそう大きく印象は変わらないのではないか、と想像します。

都市伝説➃~カミソリのようなエンジンレスポンス~
ナナサンカレラの時代の排気量の小さいエンジンを積んだ空冷911はバイクのようにシャーンと回って、ストンと回転が落ちるエンジンだったと聞きます。964(カレラ系)は、というとそこまでではありません。一番の要因は964カレラで採用されているダブルマスフライホイールにあると思います。低速域では極めて扱いやすい一方、空冷らしいレスポンスとシャープさには少々欠けます。クラッチO/Hのタイミングで、RS用のシングルマスフライホールに交換する手もありますが、エンジンマッピングが合わなくて、かなりエンストするみたいです。サーキットを走るならまた話は別でしょうが、通常の街乗りでは多少もっさりしていてもダブルマスフライホイールの扱いやすさの恩恵の方が大きいでしょう。

ちなみに水冷モデルですが、空冷同様のGT1クランクケースを持つ996GT3RSはシングルマスフライホイールと相まって、正にカミソリのようなレスポンスでしたね(今でも個人的には996GT3RSが「現代のナナサン」だと思っています)。排気量が3.6Lもあるにも関わらずあのレスポンスの鋭さは驚愕するほかありませんでした。ただまあ日常使いとなるとクラッチワークに気を使いましたし、やはりサーキットが主戦場というモデルであることは間違いありません。話が逸れますが、現行992のGT3系ももちろん素晴らしいと想像しますが、個人的には996前期型GT3クラブスポーツをぜひいずれ所有してみたいと密かに狙っています!

都市伝説⑤~まるで金庫の中にいるようなボディ~
これも良く聞きますね。ドアを閉めると、Gクラスに通ずる「カキーン」とも「ガチャン」とも取れる独特な金属音がして、物凄い気密性の高い空間の中にいるような感覚になります。モディサイズの小ささが一役買っているのもあると思いますが、何とも言えない凝縮感と塊感です。水冷ポルシェの普通乗用車っぽい「ボスッ」と閉まるドアの感覚と一番差を感じることの出来る空冷らしい部分かもしれません。そして操作系も、フロントスクリーンもとにかく身体に近い。「ポルシェを着る」という言葉がありますが、まさに言い得て妙です。今のポルシェは肥大化してしまって、どんなに高性能であっても、この「着る」感覚だけは到底空冷911にはかないません。現代の最新技術で空冷911サイズのEVポルシェとか出したらバカ売れする気しかしないのですがねぇ、ポルシェさんw。

都市伝説⑥~サイズが小さいのに小回りが利かない~
ハイ、コレも本当です。とにかくステアリングの舵角が有り得ないくらい小さく、まったく小回りが利きません。普通の幹線道路のUターンでさえやっとこさというレベル。それもそのハズ、最小回転半径5.6mもあるらしいです(汗)。しかも、パワステのクセにステアリングも激重なので、車庫入れとかも望外に苦労します。普通に走っている分には何ら違和感なく、ハンドリングも極めて良いのですが、とにかく極低速域での取り回しが難儀します。同じ世代のクルマでも、メルセデスベンツなんかは圧倒的にステアリングが切れるんですけどね・・。なので、この点に関してはホイールベースも全長も全然長いE63AMGの圧勝です(最小回転半径5.3m)。空冷911はとにかく小回りが利きません、ハイ。

いかがでしたでしょうか?まあ正しい都市伝説もあれば、間違った都市伝説もある、といったところでしょうか。空冷ポルシェというと、とにかく何かと敷居が高い印象が付きまといますが、個人的にはちょっと古いロータスとか355以前のオールドフェラーリと比べれば遥かに敷居は低く、維持しやすいと思っています。パーツにしても、今回のタコメーター騒動でお伝えしました通り現在進行形でポルシェAGが供給してくれていますし、とにかく壊れたら治せないというパーツはほぼ皆無なので、サステイナビリティという点でもかなり安心感があります。空冷に興味がおありであれば、あまり巷の都市伝説にビビらず、ぜひめくるめく空冷の世界に一歩足を踏み入れる事をお勧めします。ただし泥沼になっても責任は負いかねますが、ねw。
Posted at 2021/07/10 14:23:33 | コメント(2) | ポルシェ | クルマ

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