
最近凄く感じるのが、世代間格差もそうですが、世代内格差です。日本は長い事人口の8割が中間層で一部富裕層と、一部貧困層が存在するという「超平均社会」でしたが、
パラダイムが変わりつつあります。特に富裕層の組成が大きく変わってきており、いわゆるニューリッチ層と呼ばれる人たちが増えています。すなわちIT長者や株の売買で「億り人」となった人の割合は年々増えています。
昭和のオジサン世代は、死ぬ気で
コツコツ仕事をして、頑張って来ました。そして一部の「成功者」が
自分へのご褒美として昔から憧れていたスポーツカーやスーパーカーを購入する、という
ロードマップがありました。しかし、現在のニューリッチ層にこうした古典的なロードマップは当てはまりません。You◯ub◯なんかでパッと稼いだ人が、自分の成功と富の証として
ポンッと高級輸入車を購入する、というのがごく当たり前の事になっています。これは日本だけの話ではなく、世界中でこのような「若き成功者たち」がポルシェを始めとした高級輸入車を
気軽に購入しています。こうした人たちの中には、もちろん生粋のクルマ好きも居ると思いますが、大多数は
オートマ限定免許を持っていて、クルマを動力性能がどうという価値基準ではなく、
自己表現のアイテムとして見ています。よって、インフォテインメントが使いやすくて、車内空間が快適で、安心安全に誰でも運転が出来るようなクルマであれば
何も不満は無いワケです。我々のようなオジサン世代からすると、価値基準がまったく異なります。
当然ポルシェのようなメーカーはこうした顧客候補の
嗜好性や
動向の変化に非常に敏感です。これからあと10年~20年しか生きられないような
小うるさいオジサン(失礼!)よりも、これから先30~40年の長きに渡り
善きカスタマーとなってくれる若い人を顧客として取り込みたいワケです。数年前からパテックフィリップが30~40代のヤングリッチ層をターゲットとした招待制の展示会などをやるようになり、若い世代に向けた商品に力を入れ始めているのもこうした戦略の一環と思われます。とにもかくにも、こうした層をターゲットにする以上、商品展開も変えていかないといけません。そういう意味では992.1から992.2に代替わりしたタイミングで、PDKオンリーとなったのはポルシェ側に立てば十分理解できる判断です。だって、MT車なんて望んでいるのはごく一部の
オタクのオジサン(失礼!)ですからねw。そりゃあ若者や女性でも気軽に乗れるPDKの方が売り易いなのは当然のことですから。こうした時代の流れはこれからも変わることはないでしょう。
そう考えると、いわゆる
オールドスクールなスポーツカーに新車で乗れる期間ももうそう長くはないのかもしれません。MT車についてはフェラーリもランボルギーニもとっくのとう(10年以上前)に切り捨てていますが、排ガスや燃費の問題を考えてもMT車は間違いなく
絶滅危惧種でしょう。ポルシェだって、今の所は一部のモデルにMT車を残すことを明言していますが、それこそFMCを待たずして
MT車終了のお知らせはある日突然やってくるかもしれません。買える時に買っておかないと、時すでに遅しということになりそうです。私は992.1カレラTを購入した際にも、これが最後のカレラ系MT車になるかも?と思い、買いました。結果的にはそうはならなそうですが、一切後悔はありません。心の底から買っておいて良かった!そして、MT車がポルシェのラインナップから消える日まで、最新のMT車の購入を諦めずに続けようと思っています。PDKの出来が良いのは百も承知。もうこれは理屈ではなく、昭和~平成の時代を駆け抜けて来た
オジサンの矜持なのです。
Posted at 2024/06/22 15:07:05 | |
トラックバック(0) |
ポルシェ | クルマ