
プレスのembargo期間が終了し、先日ついに
プレスレビューが解禁となりました。解禁直後からネット記事、YouTube動画が多数アップされ、新型911カレラのレビューが観られるようになりました。それにしても、ポルシェの熱意なのか、プレス側の意向なのか分かりませんが、出ているレビューは
99%がGTSで、素カレラへの言及は
ほぼ皆無ですね^^;。
実際に動画を観てみると、たしかに新型GTSのドライブトレーン、そしてパフォーマンスには
目を見張る物があります。次世代を見据えたポルシェの技術力には素直に
脱帽です。これだけのパフォーマンスアップを成し遂げ、なおかつ車重は50kg増に留めたのは並々ならぬ
努力の結晶と思われます。システムの構造上、PDKしか選択が出来ないのは惜しい気もしする一方で、これだけのパフォーマンスを100%引き出すにはもはやMTでは難しいという感じもします。言わば、人間の腕にはもう任せておけないレベルのパフォーマンスを新型GTSは獲得した、という事でしょう。サーキットでの速さ、安定感は抜群で、高回転域のサウンドも懸念していたよりは大分良かったです。一方街乗りでは非常に静かな印象で、このジキルとハイド的な二面性も新型GTSの魅力かもしれません。細かいネガはさておき、後期型GTSはかなり
魅力的なプロダクトに仕上がっているように映ります。
さて、ここまでは飽くまでプレス目線の話。リアルオーナーとなった場合どうか?やはり気になるのがメカニズムの複雑化に依る
トラブル増加の懸念です。たしかに、これまでもポルシェはパナメーラやカイエンでハイブリッドを投入しており、ハイブリッド車の実績が無いワケではありません。一方、今回採用されたT-Hybridはまったくの新しい仕組みですので、初期不良が皆無ということは
希望的観測に過ぎると思います。長期所有した場合のバッテリー劣化の問題や、その際のメンテコストなどもリアルオーナーであれば気になるところ。フェラーリが提供を始めたバッテリーメンテ・サブスクのようなプログラムも今後登場するのでしょうか?整備性という点では構造がシンプルな方が安上がりであることは間違いないので、メカニズムの複雑化により部品代や工賃が跳ね上がる可能性も当然あります。実際に購入するならこの辺の
リスクを十分踏まえる必要があるように思います。
さて、個人的にGTSはポルシェが992.2のラインナップの中で
もっとも推したいモデルなのだろうと思っています。慣例から言うと、Sと素が出て、遅れてGTSが出るというパターンであったのに対し、今回は敢えて
GTSから登場させたのもその表れだと思います。一方、プレスがほとんど触れない素ですが、こちらは本当にあまり進化がみられないのでしょうか?前期型GTSの大型タービン、インタークーラー、ブレーキキャリパーが装備され、それなりの変更がなされたにも関わらず、情報が全くと言って良いほど出て来ないのが
不思議です。純ICEはもうあまり売りたくない、というポルシェの本音が見え隠れします。さて、今後出て来るであろうSやTはどうなるのか?Tは恐らく前期型同様、素の軽量+MTオプション付きというのは既定路線でしょう。未だ謎なのはS。ハイブリッドのデチューン版になるのか、将又ハイブリッド無しの3.6Lになるのか・・。
追記:価格が上がった事もありますが、中古車市場を見ても、転売と思しき前期型992が市場に溢れています。あまり儲かっていない実情を踏まえ、恐らく992.2に関しては転売ヤーもさすがにちょっと様子を見る事になるのではないか、と想像します。故に、992.1の時と違い、納期はかかるかもしれませんが、レギュラープロダクションモデルであれば「枠が取れない」、ということはまず無いと思っています。ですので、個人的には全モデルラインナップが出揃ってからじっくり考えても遅くはないかな、と思っています。
Posted at 2024/07/12 08:56:18 | |
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