
ポルシェが
迷走しています。CEO不在の中、業績不振により2期連続の減収減益が濃厚となる中、2022年に行われた上場(IPO)は成功しましたが、2025年9月にはドイツの
主要株価指数「DAX」から除外されることが発表されました。除外は株価の低迷によるもので、過去1年間の株価が
33%下落しており、トランプ大統領による欧州車への関税、電気自動車(EV)需要の低迷、中国市場での販売不振が業績を圧迫したことが原因とされています。
さて、ポルシェは過去に何度か経営危機を迎えていますが、その当時はまだスポーツカー専属の
少量生産メーカーでした。1回目は70年代、2回目は90年代初頭。90年代の経営危機については、剛腕ヴィーデキング社長主導の基、起死回生の製品(ボクスター、その後カイエン)展開や、当時飛ぶ鳥を落とす勢いだったVW社の支援により見事
復活しました。しかし、当時と今とでは決定的に状況が異なります。まず、メーカーの生産規模が
大幅に拡大しました。2000年くらいの時代は、年産30000台規模のメーカーでしたが、2022年には
30万台の大台を突破しています。つまり、20年ちょっとの間に生産台数が10倍に増えた事になります。当然そこにかかる開発費、設備投資費、人件費も
莫大なモノになります。長くポルシェの屋台骨を支えて来たのは911を柱とする
内燃機関モデルであることは言うまでもありませんが、昨今の欧州のEVシフトでポルシェも方針転換を余儀なくされました。しかし、肝心のEVモデル(タイカン、マカンEV)は想定していた需要がなく、
低迷しています。結果、一部工場の閉鎖や運転停止が相次いで発表されています。
素人でも分かる事なんですが、ポルシェ最大の魅力ってやっぱり
エンジン=内燃機関だと思うのですよ。同社で70年以上培ってきた内燃機関のノウハウ、技術は付け焼刃で太刀打ちできるモノではありません。しかしEVはいわば新しい技術で、その歴史も20年程度しかありません。新興メーカーにも十分つけ入る隙はあり、実際中国や韓国のメーカーから出たより安価でコストパフォーマンスに優れるモデルに欧州メーカーのEVは
駆逐されつつあります。自らの強みを放棄して勝負に出ようなんて、浅はかにもほどがあります。もちろん、欧州の環境汚染に対するプレッシャーは凄まじく、Euro規制などもあった結果、というのは理解出来ます。しかしながら、SUVのみEV化するならまだしも、ピュアスポーツカーである718系までEV化の方向に舵を切ったのは
悪手と言わざるを得ません。実際、この度再度方針変換をし、718の内燃機関モデルの生産を継続することがほぼ決定的となりました。年産30万台規模のメーカーとしては、深慮遠謀の目が無さ過ぎるように思います。社長不在の影響なのか分かりませんが、とにかく行き当たりばったりの印象を否めません。
ガレージクレヨンの岡本さんもおっしゃってますが、EVスポーツをどうしてもやるなら
小型コンパクトスポーツのエントリーEVモデルを作るべきだと思います。356とか、空冷のようなキュートでコンパクトな見た目に控えめのパワー・トルク・・そうですね、
350㎰もあれば十分ではないでしょうか?その代わり徹底的な
軽量化と
簡素化に拘り、航続距離600㎞、車重1.4トン以下、価格1000万円を実現出来れば
めちゃくちゃ売れると思います。少なくとも私は買いますw。一方で、パナメーラとタイカンは統合してEVとハイブリッド、SUVはカイエンとマカンを統合して、EV一本、911はフラッグシップモデルとして引き続きハイブリッド(純ICEはもう現実的には持続無理)とすれば
綺麗に棲み分けが出来て生産ラインも統合・効率化出来るのではないでしょうか?私がもしポルシェのCEOなら上記のように方針を打ち出しますけどねw。まあ兎にも角にも、ファンとしては是が非でもポルシェには何としてでも存続してもらわなくては困りますし、中国辺りに振興メーカーに買われたのでは目も当てられません。
速やかな経営改革を望みます!!
Posted at 2025/09/29 08:47:30 | |
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