
ポルシェは本当に
商売上手なメーカーになった、と思います。80年代~90年代、経営難に苦しみ、正に倒産・身売りの危機に瀕していたメーカーとは思えないくらいの大躍進、世界でも類を見ないほどの黒字メーカーになりました。そのブランディング、商品品質も然ることながら、儲かる仕組みとして膨大な数のOP群・・即ち
テクイップメント商法が実に巧妙です。
ポルシェのブランディングの一丁目一番地はなんと言っても
緻密なヒエルラキー構成にあります。911を例に取ると、まず素のカレラがあって、その上にエンジンがスープアップされたカレラS、間にカレラT、さらに上位互換としてカレラGTSそしてターボ、ターボSがあります。また、それぞれのモデルにカブリオレ(カレラTとGTSを除く)の設定があり、さらには4WDモデルの設定もあります(カレラTを除く)。さらにさらに、ガラストップのタルガ系、そしてサーキットスペシャルのGT3とGT3RSがあり、モデルライフの終盤になるとGT2というRWDのスペシャルモデルが出るのが常です。加えてスポーツクラシック、スピードスターなどの
限定モデルが存在するものもはや伝統になりつつあります。
正に百花繚乱のモデル展開ですが、ポルシェの緻密なところはそのプライシングにあります。例えばベースの911カレラに好きなOPを付けていくと、気が付けばカレラSのプライスレンジに入ります。であるなら、とカレラSをベースにOPを付けていくと今度はカレラGTSのプライスレンジに入るといった具合。この
シームレスなヒエルラキー構造が頂点モデルのターボS/GT3RSまで続きます。つまり、
上を目指すとキリが無いのがポルシェです。で、面白いのが、下位モデルに乗っていると必ず上位モデルが気になるように出来ていますw。いったん気になりだすともう止まりません!!で上、さらにその上と目指すようになります。もはや
洗脳ですよね(苦笑)。
で、こうしたヒエルラキー構造の傍ら、ポルシェの
テクイップメント(=オプション)群はとにかく
種類が膨大かつ
高額です。どんどんやりたいようにやっていくと、Dセグメントの輸入車がもう一台買えるくらいの金額になります。ですので、どこまでOPにお金を費やすかは、新車でポルシェを買う人とって
常に悩ましい問題です。で、まあまだ新車で1台しかポルシェを買ったことが無い私のつたない経験からではありますが、
テクイップメント商法の沼にハマって損をしないための5つのTipsをお伝え出来れば、と思います。欲しいモノにはお金に糸目は付けぬ!という
お大仁は対象外ですので、悪しからずw。
その1 最初から上位モデルを狙う
ポルシェの場合、どんなにOPにお金をつぎ込んでも、なかなか
リセールプライスにはこれが反映されません(逆に、人気OPが付いていないとマイナス査定されることはある)。なので、例えば
素のカレラに500万円つぎ込んでも、売るときに500万円高くなるわけではありません。一方、上位グレードは上位グレードなりの価格で買い取りされるので、であるなら最初から上のグレードを狙う、というのはアリな選択だと思います。ポルシェのヒエルラキー商法に屈する形ですが、これが現実。もちろん、あまり頑張りすぎてせっかくの新車なのに欲しいOPをほとんど付けられない、というのでは少々寂しいので
バランスは大事ですが・・。迷ったら上位モデルを狙うというのはポルシェ選びに於いては一つの
王道の考え方かと思います。
その2 自分なりのテーマを決めてOPを選択する
これ、とても重要だと思います。例えば、シンプル・軽量が売りのカレラT。遮音材も省かれており、車内には容赦なくエンジンサウンドやロードノイズが入り込んで来ます。このモデルにブルメスターのオーディオシステムを奢る意味は果たしてあるでしょうか?答えは否です。同様に、豪奢な上位モデルの代名詞である911ターボに、フルレザー+エクステンデッドレザーを選ばない理由は無いと思われます。車種毎にポルシェは明確なコンセプト、テーマを設けています。これに反するようなOP選びはコストがかさむ割に満足度は下がるように思います。モデル選びもそうですが、OP選びも自分にとって何が譲れて、何が譲れないかは明確にしておくべき事柄のように思います。
その3 独りよがりのOPになっていないか精査する
一生そのクルマと添い遂げるという場合を除き、クルマというのは必ず売却する時が来ます。その際に、
少しでもリセールを良くしたいというのが人情です。その際、
過度なパーソナリゼーションは邪魔になります。中古車市場を見ていると、やはりよく回転する車両というのは、まあいわば最大公約数的な無難なOPを付けている場合がほとんどです。スポーツ系モデルであれば、スポーツクロノPKG、スポーツエギゾースト、スポーツPASMなどは必須と言えます。逆に過度な内外装のカラーリングや、ワインポイントで入れたつもりが他人から見れば
悪目立ちするようなOPは避けるべきでしょう。ホイールなども高額な割に自己満足アイテムであることが多いので、よほどの思い入れが無い限り標準のものがコスパが良いと思います。
その4 走行シーンでOPを選択する
スポーツカーは見栄えが大事。ハイ、その通りかと思います。しかし、見栄え重視のために、不要なOPを付けるのは避けたいところ。サーキットはほとんど走らないのにフルバケットシートやロールケージは不要でしょうし、逆にサーキットメインの場合シートヒーターやフルレザー内装は不要でしょう。PCCBは私の大好きなOPの一つですが、交換となると目が飛び出るほど高価なことは皆さんご存じの通りです。サーキット派は避けるのが吉でしょう。このように、自身がどのようにポルシェを使うのか、通勤がメインなのかツーリングがメインなのか、はたまたサーキットがメインなのか。この辺でも選ぶべきOPは大きく変わって来るように思います。
その5 多少はパーソナリゼーションを楽しむ
上記4つと矛盾しているようですが、やはり一つや二つはあまりリセールを気にせず、せっかくの新車オーダーなので好きなOPを付けることをお勧めします。そうすることで愛車に
愛着が湧き、正に新車でポルシェをオーダーをした悦びに浸れます。そうでないと、わざわざ新車でオーダーするメリットが半減してしまいまもんね?
(転売目的の方を除き)しかし、ここでも注意が必要なのはあまり突拍子もないものは選ばないこと。ポルシェは生産されたすべての車両の70%が実稼働していると言われますが、次のオーナーにバトンタッチした際に、次のオーナーさんがついニンマリしてしまうような
粋なOPを付けたいものです♪
まとめ
ポルシェの
テクイップメントの数は膨大で、カーコンフィギュレーターを弄っていると本当に
時が過ぎるのを忘れてしまうほど、クルマ好きにとってOP選びは
至福の時間です。そして、実際にオーダーした通りの車両が手元に届いた時の喜びもまた非常に大きいモノです。しかしながら、お金は多くの方にとって限りのあるものですし、無駄なく自分の理想の仕様を仕上げるために、上記5つのポイントを押さえてみてはいかがでしょうか?とまあ偉そうに講釈を垂れてみましたが、私自身
煩悩の塊みたいなものなので、半分くらいは自分への戒めとして書きました(笑)。
※ヤ〇ー記事風にまとめてみましたが、本記事は飽くまで私見です^^
Posted at 2023/01/16 22:14:40 | |
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