LM3886を使った50Wx2chシングルエンドDCアンプの3号機が完成しました。
電圧帰還型にするか?電流帰還型にするか?悩みましたが、電流帰還型はスピーカーのネットワーク特性にアンプ性能も左右されてしまう可能性があると考え、電圧帰還型にしました。
アンプ製作も3度目なので、少しは上手に出来ました。
1号機、2号機製作時は、「あちゃ~、しまった!」の連続で苦戦しましたが、今回は過去の教訓から失敗が少なく出来ました。
じじいはパフォーマンスを高めるためにお酒を飲みながら回路製作したので、ミスが多いこと、多いこと・・・。ミスが多くても「やる気」のパフォーマンスは向上しますので・・・。
緊張の初電源ON時にトランジスタが燃えて焦りましたよ~!+24Vに接続する配線を-24Vに接続してしまったんですね~。友連れで他の部品も破壊・・・。
正常動作するまで、その他、諸々のバグが・・・・・。
2号機(BTL)では下記の問題点がありましたが今回は対策しました。
①無信号時、ボリュームを最大にすると微かにスピーカーからホワイトノイズが出力されてしまいましたが、今回は撲滅!シングルエンドだからかなぁ~?
②ヘッドホンを使用した後にヘッドホンジャックを抜くとスピーカーからポップ音が出力されることがありました。ヘッドホンジャック内蔵スイッチでLM3886のMUTEを制御していますが原因が判らない・・・。多分、MUTE解除時にDCサーボ回路が追従出来ないものと推定・・・。今回はMUTE制御+スピーカーリレー制御にして解決。ついでに2号機も改良。
③メインボリュームのギャングエラーが酷く、低音量時に使い辛かった。
台湾製からアルプス電気製に変更したら良くなりました。高級品ではなく、180円くらいの廉価品です。やっぱり日本製が一番!!!
④密閉構造にしたので筐体温度がちょっと高くなってしまったので、今回は通気孔を設けて自然対流放熱をプラスしました。
音質は2号機(BTL)、3号機(シングルエンド)ともに大きな違いはありませんが、
シングルエンドの方がシンバルのような金属音の高音が微妙に綺麗に聞こえるんですよ~!!!
音質について、じじいは2号機=3号機と思っていたので何が違うんだろう???
BTLは高音に弱いのか???
BTLは音を2つアンプで作る共同作業なので、パワーは出るが繊細な仕事は難しいのかな??? シングルエンドは一人仕事なので、パワーは出ないけど繊細な仕事が出来るのか???でも、ネットサーフィンしてもBTLが高音に弱いと言う情報はないし・・・。
2号機(BTL)の特性が悪いのか???
2号機はオペアンプ比較が出来るような回路構成にしたので、余分な回路と経路が多いのが要因かなぁ~?
2号機は入力段にカップリングコンデンサを入れているが、3号機は完全DCアンプにしたことが要因かなぁ~?
2号機は±13.5V電源、3号機は±24V電源、電圧差が影響しているのかなぁ~?
2号機は雑だった部品レイアウトと配線、3号機はちょっとマシになった違いなのかなぁ~?
上下のアンプ間とスピーカーを含めた配線の影響で位相差が発生しているのかなぁ~?でも、じじいは1chオシロスコープしかないので確認出来ないし・・・。
要因は色々あるので新たな宿題ですね・・・。
3号機の仕様ですが、2号機を踏襲している部分が多く、詳細は2号機を参照して下さい。電源のバイパスコンデンサは50Wx2ch出力が成立する容量値としました。本当はもっと搭載したいのですが、起動時にスイッチング電源の過電流保護が働く時間が長くなり可哀想なこと、また搭載場所がないので・・・。
・電源・・・±24V(各150W)のスイッチング電源
実効値電流≒7Aは過電流保護(6.8A)をちょっと超えるが何とかなるでしょう。
ピーク電流≒10Aは電解コンデンサ頼り・・・。
・電源フィルタ・・・LCフィルタ(200uH+約30,000uF)
計算では100Hz以上ならば、この容量値でピーク電流≒10Aは何とか・・・。
少し電圧降下するので低音が歪む・・・。
でも、普段使わない爆音レベル、歪んでも分からんので許容・・・。
・オペアンプ電源・・・±15V
・パワーアンプ・・・LM3886TF
・オペアンプ・・・LME49720
・ヘッドホンアンプ・・・OPA1622
・トーン調整回路・・・スイッチでON/OFF
BASSカットオフ周波数:300Hz
TREBカットオフ周波数:2200Hz
ゲイン:±5倍
・DCサーボ回路・・・AD製LTC2058
・DC/AC切替回路・・・スイッチでON/OFF
・スピーカー保護回路
・2色LED入出力レベルメータ
・入力レベル調整
・左右バランス調整
・入力セレクタ
・スピーカーセレクタ
新たな宿題が発生してしまったので解決しないと・・・。
回路図は修正が終わったらアップしますね。
関連情報URLを参照下さい。
では、また。
p.s
シングルエンドの方が高音がきれい理由はこれかな?
BTL構成にすると各アンプから見たスピーカーのインピーダンスが見かけ上、1/2になるそうです。評価したスピーカーは4Ωなので、各アンプから見ると2Ωを駆動しているように見えることになります。
LM3886は4Ωまでは駆動出来ますが、それよりもインピーダンスが下がると出力が低下するようです。出力が低下するということはIC内部で保護機能が働き諸特性が悪化するので、これが原因かも知れませんね???
8Ωスピーカーで試してみますね。
p.s@2021/7/6
8Ωスピーカーでも試しましたが変わりませんでした・・・。
保護回路が機能する程、出力していないので関係なかったようです。
2号機をDC仕様に変更、トーン回路もバイパスしたら改善されましたが、まだ、シングルエンドには負けてます・・・。
BTLにすると歪率が増加、出力インピーダンスが増加、アンプノイズが増加するのが原因でしょうか? どなたか判る方がいらっしゃいましたら御指南下さい。
じじいが製作したアンプではLM3886はシングルエンドの方が良いという結果になりました・・・。
予定では4号機はシンプルBTL仕様を製作しようと考えてましたが、今回の結果より「ボツ」が決定です。
1号機に始まり、2号機、3号機と音質がステップアップするので楽しいですね。
さて、次は何を作ろうか???
p.s@2021/7/7
ネットサーフィンしてたらBTLに関してこんな記事がありました。
「反転信号を作るのにインバータ回路を前段で使用すると高域の位相がずれてしまう。」
情報を頂き、有難う御座います!!!
あちゃ~、この指摘の通りの失敗!!!
金属音の高音が劣化する原因は、これしか考えられません!!!
部品在庫の都合でパワーアンプ前段のOPAMP出力負荷抵抗を非反転アンプが5kΩ、反転アンプが6.6kΩにしてしまったのもプラス失敗要因・・・。
2号機の回路を見直します・・・。
p.s@2021/7/11
高音での位相問題の対策には頭を痛めていました・・・。
BTL構成の上側アンプは非反転アンプ、下側アンプを反転アンプにして上側アンプ出力を下側アンプに入力すれば良いのですが、LM3886のゲイン問題(>10)があり、アッテネータも挿入しなくてはなりません・・・。上下のアンプを異なる構成にしたら、また位相問題が勃発するんじゃないか?と悩んでいました。
ネットサーフィンしても名案の投稿がないので暗礁に乗り上げてしまいました・・・。
この件は後回しにして4号機の仕様を検討することにしました。
「さて、アンプICは何を使おうかな?」とネットサーフィンしていたら、みんカラ先輩である「ハチ吾さん」のTDA7294アンプの記事が目にとまりました。
内容を拝見するとTDA7294データシートのBTL回路図が示されていました。
「ん?、ん~???。」
「なんじゃこりゃ~!!!、詐欺師じゃん!!!電子の世界にも詐欺が通用するのか!!!」
非反転アンプの構成でありながら、抵抗1本で反転アンプにしてしまう荒業・・・。こんな理に叶った回路は思い付かないです・・・脱帽!!!あっ、また頭髪が抜けた・・・。
と言うことで、この回路構成にしたら2号機(BTL)の位相問題が解決して綺麗な高音が出るようになりました。
「ハチ吾さん、有難う御座いました!!!」