2020年11月24日
こんにちは。
昨今、週末になるとじじいが車のバッテリーターミナルを外して、ごちゃごちゃといじっているのを息子ちゃんが見ており、素朴な質問を受けました。
「バッテリーターミナルを外してしまうと、エンジンコントロールユニットが学習した記憶が消えてしまうんじゃないの? あんまり外さない方が良いんじゃない?」と質問されました。
息子ちゃんは、どうやら最適燃焼を行うためにエンジンコントロールユニットが学習を行っているものと勘違いしているようでした。
そもそも電子制御化された背景は、排気ガス規制によるものであり、電子制御化しないと目標値を達成出来ない事情があったからなんです。
電子制御化=排気ガス規制なので、最適燃焼によるパワーアップではないのです。
燃費と排気ガス規制の双方を満足させることは難しく、リーンバーンで燃費を優先すれば排気ガス規制を満足出来ず、排気ガス規制を優先すれば燃費を満足出来ないと言ったことになり、自動車メーカーはミラーサイクルエンジン、EGRシステムなどで双方を満足するように努力してます。
排気ガス規制は法律なので、これを侵すことは法律違反、リコール対象になるので、必ず守らなければなりません。
自動車メーカーでは、車両を模擬したエンジンベンチで始動時から走行時までの排気ガス規制を達成出来るように空燃比、点火時期などの色々なデータを取得して、最適データがプログラミングされています。これがデフォルト値になります。
市場環境では、温湿度、気圧、燃料のオクタン価など、色々な環境条件が変化します。このような環境変化が発生しても排気ガス規制を満足するように、エアフロメータ、A/Fセンサ、O2センサ、Noxセンサ、ノックセンサなどで検出した値を基に点火時期や空燃比をフィードバック制御しています。
走行距離が延びると、エアクリーナの目詰まり、インジェクタの目詰まり、各種センサの特性劣化が起こってきます。
このフィードバック制御をデフォルト値から補正したのでは、始動時から排気ガス規制を満足出来ない場合があるので学習機能で補正をしているのです。
よって、この学習データが消えてしまってもデフォルト値から再学習するので、ちょっとの期間だけ排気ガス規制を満足出来ないかも知れないと言うだけです。
普段からエンジン系をメンテナンスされている方は影響はないと思います。
また、アクセルポジションなどの消えては困るデータは不揮発メモリに格納されてます。
前の車で通信ツールを用いて、点火時期調整や学習データのクリアを良く実施しましたが、学習データのクリアでエンジン調子が悪くなったことはありませんでしたね。(逆に良くなったと感じたけど、ちょっとすると元に戻った・・・)
どちらかと言えば、バッテリーターミナルを外すことにより、ラジオやTVの放送局メモリなどが消去されてしまう方が面倒ですね。
と言うことで、あまり気にする必要はないと考えますよ。
車を替える度に思うのですが、雨天の方が調子が良いんですよね?
推測ですが、晴天時にはノックセンサが検知しやすくなって点火時期を遅角、逆に雨天時には進角しているんじゃないかと考えてます・・・。
電子制御化される前は、この逆で晴天時に合わせて調整したので、雨天時はかぶり気味になった記憶があります。
排気ガス規制を考慮すると逆になってしまうんですかね???
間違っていたら指摘して下さいね。
Posted at 2020/11/24 14:08:07 | |
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