
というわけで、またしても思い出の地がなくなるんだなぁ。と。
河合塾文理(予備校)時代。二浪目を共に過ごしたゲーセンが消滅します。
〇 二浪目。
「お金がないから私大は受けないでくれ」と親から土下座されたのを、「僕は僕の進学をしたい」と土下座返しして某国立大を休学。予備校に通わせてもらった挙句失敗。高校の友達はみな東京の私大に進学するも、僕はその行く気もない大学に学籍が残っていたためろくに私大受験もさせてもらえず、怒りの土下座で二浪突入。
なんつうか、こういう滑稽なことになるから貧乏って大嫌いだ。
さて。そういうわけで二浪目。気づくと独りぼっち。
そしてこれは浪人生あるあるなんだけど、一度受験用に組み立てただけあって、春先の模試とかめっちゃいいの。めっちゃビビる点数が出る。ただ当然そこから現役の高3がバリバリ伸ばしてくるから夏休みが終わるころにはいつもの位置に来てんの。これマジでメンタルにくるのでお勧め。
で。浪人生だからといってさすがに365日24時間勉強するのは無理だ。だからといって、金なし友達なしである。家でゲームなんてもってのほかだ。年間44万の学費(当時)を投げ捨てて予備校に高い金を払わせるわけだ。つーかゲーム機もねえ。
当時はまだ漫画にビニールかけてない書店とかあったが、さすがにそれで何時間と潰してしまうのはやばい。マジやばい。
で。僕の手元には昼食代の500円がある。ファミマのカフェオレが90円。パンが100円として、うん、300円あるな。よし、ゲーセン行こう。
〇 F-1 と ドリーム
仙台。アーケード。F-1とドリームというゲームセンターがあった。
どちらも地下に降りていくと暗い空間に筐体が並ぶ、昔ながらのゲームセンターであり、何より「100円2クレ」がうれしかった。
さて。軍資金は200円~300円。当時はすでに格ゲーの対戦が流行っていたが、さすがにこんな秒で終わるゲームに投資はできない。
100円で長く遊べるゲームは・・・
シューティングだ!
〇 長く遊べるゲーム
まず長く遊ぶゲームの定番といえばクイズゲームだ。
当時はオンラインアップデートなんてものはないから、問題を憶えれば憶えるほど長く遊べた。
もちろん、問題がある。目的が「時間つぶし」ならそれでいいのだが、予備校生である。決して時間つぶしが目的ではないのである。
でもまぁ、今でももしかしたらワンコインでクリアできるかもしれん。
同じ理由で対戦ぱずるだま。とかも長くプレイできた。
だが、あくまでゲームの目的は気分転換である。潰されそうなメンタルを奮い立たせるためのものである。何があるか。そうだ。
シューティングだ。
さて。当時のSTG事情は。というと、一時期馬鹿みたいに難しくなったためユーザーが流失。格ゲーブームと相まって風前の灯火。みたいな状況だったのが、いわゆる彩京シューティングで復活。みたいな感じだった。
〇 ダライアス外伝
通称ダラ外。特徴としては当時ブームの縦シューからボンバーが輸入されたこと。
で。これはコースによって難易度が変わったため、簡単なコースを選ぶと僕でも最後まで遊ぶことができた。
僕は今回閉店するエフワンというと、予備校時代ひたすらダラ外をやっていた気がしないでもない。まぁ、お向かいのドリームでは沙羅曼蛇2かな。めっちゃやってた。
〇 ティンクルスタースプライツ
これもなんでかエフワンで流行ってた。コインがもったいないからと乱入格ゲーなんかやらなかった僕だが、ここはなぜか対戦台があり、CPU戦を楽しむ僕が乱入されることもあった。返り討ちにすると、めっちゃ気持ちいいな、アレ。
つーか、対戦STGってだけあって、これもプレイ時間が長めで嬉しかった。
〇 STGとは。
敵を撃って倒すのがSTGでしょ? というのは間違ってる。
STGとは、耐えるゲームなのだ。耐えて、耐えて、また耐える。
STGの易化により、各社1面くらいは簡単にクリアさせてくれた。そして、STGというのは一番いい音楽を1面に起用するものなのである。コインを入れる。素晴らしいゲームミュージック。圧倒的敵弾。耐える。耐える。
味方の方が敵より多いSTGはたぶん存在しない。圧倒的な戦力を前に、ひたすら耐える。これが独りぼっちの予備校生にはすごく心地が良かったのだ。
そして彩京以降のSTGは学習すればなんとかなるバランスになっている。つまり、ユーザーが上達を実感しやすいのだ。
頑張れば報われる。現実でそんなことはそんな多くない。現に浪人生なんて勉強してもしても現役が伸びるので偏差値は落ちていくものなのだから。
僕はなけなしのお金で、空っぽのお腹で、昼間でも薄暗い地下のエフワンで。
人生で一番真摯にゲームをしていたのだ。
さようなら、エフワン。
Posted at 2022/08/29 11:37:45 | |
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