
皆様御存知の通り、オミクロン株流行にともなうマンボウ…「まん延防止等重点措置」が3/21で全国的に解除になります。
過酷な自粛生活で忍耐を強いられながら流行拡大の防止にご協力をしていただいた国民の皆様には、一医療者として感謝の気持ちを申し上げたいと思います。
今回の第六波では一日の新規感染者数が全国で最大10万人を超える水準になりましたが、
高いワクチン接種率と比較的重症化しにくいオミクロン株という特殊性もあって、大阪府を除いて重症者数は昨夏のデルタ株による第五波の時の水準以下、昨冬の第四波の時と同水準で推移しました。
大阪府では今でも随分と重症者が多く発生しています。何があったのかはよくわかりませんが、大阪の医療関係者の皆様の苦労は察してあまりあります。
高齢者の追加接種が遅れた事で無駄に重症者や死亡例を出す結果になったことは残念でしたが、行政側には今後の教訓として活かして欲しいと思います。
オミクロン株に対するワクチンの「感染予防効果」ですが、当初懸念されていたよりも効果があった事を示唆するデータが出ています。
もちろんワクチンだけで完全に防ぎきれるものではありませんが、このデータだけを見てもオミクロン株が主体の現在においても、特に高齢者等の重症化ハイリスクな人々に対してはワクチン接種が有効であるというのは明らかです。
一方、健常な若年者においては重症化しにくいオミクロン株に感染してしまって免疫を獲得するのとワクチン接種によって免疫を獲得するのとではどちらが安全なのかは明らかではありません。
ワクチン接種翌日に原因不明の突然死に至った中学生の事例を自分は知っていますし、オミクロン株感染で基礎疾患のない小学生の死亡事例も知っています。
米国等、小児へのワクチン接種が先行している国々からのデータが出てくるのを待ちたいと思います。
自分は今でもマンボウのような国民の権利を侵害、抑制する措置は軽々しく行なうべきではないという立場です。
今回のマンボウが感染拡大に全く役に立たなかったとは言いませんが、宴会・会食クラスターをある程度抑制できたに過ぎなかったと思います。今回の第六波では、ワクチン接種されていない小学生等の小児への流行が家庭内感染により大人へと広がった傾向が強かったと思います。
マンボウにしても緊急事態宣言にしても、飲食業界等を中心に経済的ダメージが甚大です。これらの政策がどういう影響をもたらしたのか、検証作業が必要だと思いますが充分になされてはいないと思います。実施された政策の評価を国に求めたいと思います。
ワクチンの追加接種を済ませた人も随分と増えてきました。
昨秋のような水準で流行が鎮静化するとは思いませんが、梅雨明けくらいまではある程度流行は静まるものと予想します。
夏までにオミクロン株対応の新型ワクチンが出回るとは思えませんので、残念ながらまだまだコロナ禍は続くと思われます。
マンボウが終了してもマスク着用や手洗いうがいの励行など、基本的感染予防対策を継続する必要があるのは言うまでもありません。
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2022/03/19 15:20:00