
欧米各国が利上げに踏み切る中で日本だけが低金利政策を継続し金融緩和政策を継続していることの妥当性について、このところ書いてきました。
それでもメディアは一部商品価格の値上げのニュースを針小棒大に報じ、経済メディア等が日銀の緩和政策に対して批判的に報じている事に自分はこのブログで苦言を呈してきました。
その後債券市場では海外時間になると日本国債利回りが上昇(国債価格下落)し、日銀が指値オペをして元に戻るという事を繰り返しています。

自分のような医療関係者が見たら「心電図みたいだな…心房細動で時々右脚ブロックか?(大した意味はありませんのでわからない方はスルーしてしまってokです)」と思ってしまうチャートですが、こんなにわかりやすい相場だと相当儲けた人もいらっしゃるんじゃないでしょうか?
そんな中、Bloombergという経済メディアが盛んに日銀に対して批判的な記事を連発しています。日本もインフレになってもらって緊縮政策に転じてもらわないと困る事情でもあるんでしょうか?
日銀の出口政策も前途多難、豪中銀はYCC停止でダメージと総括 - Bloomberg
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-06-21/RDT6A3T0G1KW01
豪中銀がYCC総括、停止の混乱で信頼に打撃-ガイダンスも反省 - Bloomberg
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-06-21/RDSZ17T0AFB401
日銀の国債購入加速、保有規模は「ルビコン川」超えに近づく - Bloomberg
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-06-21/RDTNUMT1UM0X01
「リバース通貨戦争」の号砲鳴る-物価抑制へ各国中銀が通貨高目指す - Bloomberg
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-06-23/RDWYWBT1UM0W01
ここでいう「YCC」とは「イールドカーブコントロール(Yield Curve Control)」の事です。
国債の利回りは償還期限の長い物ほど高くなるのが一般的ですが、短期物と長期物で利回りに大差ない場合「イールドカーブがフラット」と表現され、長期物の方が利回りが悪くなると「逆イールド」と呼ばれます。
Japan Government Bonds - Yields Curve
http://www.worldgovernmentbonds.com/country/japan/
現在の日本国債の利回りは日銀の指値オペの影響もあって10年物で若干利回りが悪くなる逆イールドになってしまっていますが、この利回りが適切になるように市場介入して日銀がコントロールする政策をYCCといいます。
具体的には10年物国債の利回りがゼロ プラマイ0.25%のレンジ内に入るように日銀が市場介入しています。
資源価格高騰その他の影響で欧米各国でインフレが進み、金融政策を緊縮する方向で利上げを行なっている中で円安が進み、日本もインフレ必至と考えている人が多いのでしょう。
四半世紀デフレが続いてきた日本経済が本当にインフレに転じるならこんなグッドニュースはないわけですが、参議院選が公示される中で「インフレ危機」を煽って政権批判するおバカさんが後を絶たず閉口してしまいます。
明日発表の5月のCPIはコア指数で前年比+2.1%と、4月から横這いの予想となっていますが、仮に総合指数で+3.0%以上だったりコアコア指数で+2.0%を超えてきたとしても、それで直ちに日銀の金融政策が緊縮に転じる事はありません。
それに対する批判がメディアを賑わす事になると思いますが、批判する方がおバカです。結果によっては明日のマーケットが荒れるかもしれませんが、あくまでも一時的なものでしょう。
いずれにしても明日のCPIの発表は要注目です。
ブログ一覧
Posted at
2022/06/23 19:49:13