
冒頭画像は
14日に実質賃金について書いた記事と同じ物で
世界経済のネタ帳 - 世界の経済・統計 情報サイト
https://ecodb.net/
さんから拝借してます。
第二次安倍政権が始まって当時の白川日銀総裁が更迭されて現在の黒田総裁になりインフレターゲットが2%と設定されました。しかしインフレ率が目標の2%に達したのは消費税増税(5%→8%)による物価上昇があった2014年だけです。
なぜそんなことになってしまったのか?理由は簡単です。
需要が不足しているからです。
当たり前ですが、物価は需要と供給のバランスで決まります。何らかの要因で一時的に物価が上がっても、需要が萎んでいれば物価は持続的な上昇には至りません。
24日、日経がこんなニュースを報じました。
1~3月期の需要不足、20兆円に: 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA247KU0U2A620C2000000/
最近の「物価高」を盛んに煽っている日経新聞がこんな記事をしれーっと流していることに呆れ果ててしまいますが、内閣府の発表をそのまま報じてるだけですので仕方ありません。
月例経済報告 - 内閣府
https://www5.cao.go.jp/keizai3/getsurei/getsurei-index.html
需給ギャップのデータ(エクセルファイル)への直リンは
こちら
https://www5.cao.go.jp/keizai3/getsurei/2212gap.xls
14 日の記事に書きましたが、金融緩和で物価が上昇し始めても直ちに賃金が上がってくるわけではありません。正社員の賃金が上昇し始めるまで1年以上はかかるでしょう。
目標インフレ率を長期に渡って維持していくためには、賃金が上昇し始める局面まで何らかの財政政策で需要をサポートしてあげる必要があります。
アベノミクスが始まった2013年頃から政府が適切な財政政策を実施し需要をアシストしてあげれば良かったのですが、安倍政権はここでまさかの消費税増税をやらかしてしまいました。
金融政策は緩和政策を取りながら財政政策は緊縮に舵を切りました。将来の社会保障に関しての不安を過度に煽られ、それを口実に増税をされたら人々の消費意欲が萎えて需要が萎むのは当たり前の話です。
当時安倍さんは増税に反対していたけど財務省に押し切られた…なんて話もありましたが真相はわかりません。しかし2017年の総選挙で安倍政権は堂々と消費税のさらなる増税を公約に掲げて勝利しました。
安倍さんは2019年に再度消費税増税をやらかし、結局アベノミクスで何をやりたかったのか謎のまま、コロナ禍が始まって間もなく健康問題で退陣しました。
2020〜21年はコロナ禍と増税の影響で更に需要が萎み、携帯電話料金の値下げの影響もあってインフレ率はマイナスに落ち込みました。
繰り返しますが、持続的に物価が適度な水準で上昇し続けるには、消費者の消費意欲(=需要)が適切な水準を維持し続ける事が必要です。
むしろ消費者の消費意欲を適切な水準に維持し続けて良好な経済状況を継続させるのが目的で、その結果として目標水準のインフレ率が維持される事になります。
日銀による金融緩和政策の継続が必要なのはもちろんのこと、財政政策による需要の掘り起こしが必要です。
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2022/06/26 11:08:48