
連休前でちょっと忙しい1日の仕事を夜8時頃にようやく終え、家路につく前にスマホを手にしてニュース等をチェックしていたら驚きました。
なんだ!?この相場は!?
誤解のないようにあらかじめ書いておきますが、自分は現在投資の類を一切やっていません。
全額日本円現金ポジションだろ!って言ってしまえばそれまでですが、それを言うなら一応不動産は持っています。
それはともかく、ドル円相場の乱高下に
何事だ!?
と思ってニュースを見たら、更に驚きました。
驚いたのは二点
政府・日銀が円買いドル売り介入をした
事と次のニュースです。
緩和継続を強調、金融政策の先行き指針の変更は2―3年ない=日銀総裁 | ロイター
https://jp.reuters.com/article/kuroda-boj-idJPKBN2QN0OZ
日銀の緩和政策がいつまで続くのかは日本のインフレ率の動向次第でしょうが、デフレマインドが染み付いた日本において、諸外国のような深刻なインフレを来たしていない現状では
「早すぎる引き締め」政策の実施は非常にマズい、というのが個人的意見です。
黒田さんが日銀総裁である限り、余程のインフレ高進がない限り金融政策が引き締めに転じることはないだろうとは思いますが、その黒田総裁の任期は来年4月で終了します。
次期総裁は雨宮副総裁の昇格が有力視されていますが、雨宮さんが「黒田路線」を継承するのかどうかは懐疑的な見方もありました。
実際にはその時の経済状況次第でしょうが、今回の日銀政策決定会合では黒田さんの任期が終了した後も日銀の政策スタンスは変更させない旨の明確な意思表示をしました。
これで当面の金融政策は日本が緩和、米国は引き締めということがあらためて明確になりました。
日銀の政策決定会合後の黒田総裁の会見の前にどの程度情報が流れていたのか?時系列がよくわからないのですが、ドル円相場が急速に円安に動いた後、なんとここで日本側によるドル売り円買いの為替介入が行なわれ、相場は一転して円高に向かいました。
完全変動相場制の建前上
本来このような市場介入は
行なうべきではありません
マーケットは情強の人も情弱の人も参加しての先読み合戦ですから、ここに何らかの政治的意図が介入するのが好ましくないのは言うまでもありません。
これだけの介入が行なわれるということは、何兆円もの円資金が市場から吸い上げられるということを意味します。
また、日本は潤沢な外貨準備を持っているとはいえ、円買い介入では資金は有限です。しかも外貨準備の中には米国債もあり、これを動員する事態になれば米国債市場にも影響が及びます。
イールドカーブコントロールのための日本国債市場への介入とは全く異なります。
金融政策は物価安定の目的で実施するものであり、為替相場をコントロールするために行なうものではありません。
本来であれば世界各国が適切なインフレ率にコントロールできていれば、自ずと為替水準も適切な水準に維持されるはずです。
前回お伝えしたタイヤ価格を見ても明らかですが、インフレが高進しているということは通貨価値が実体経済では下落している事を意味します。
為替や株式等の資産市場では、市場参加者が将来の金融政策や経済状況を先読みしながらポジションを張りますので当然実体経済とのズレが生じます。
このズレが生じることで、投資により大きな利益を出したり損失を生じたりすることになるわけですが、ここに政治や行政の意志が介入するとなれば市場が不健全なものになりかねません。
予期せぬ所に悪影響を及ぼしかねないこのような人為的介入は原則として慎まなければなりません。
「為替操作国」とのレッテルを貼られる可能性もありますし、市場参加者がその足元を見て投機アタックを仕掛けてきたり、逆に日本の膨大な外貨準備にビビって疑心暗鬼になったりもします。
今回は日銀ではなく財務省が主導した介入だったようですが、「日本が円安を嫌がっている」という誤ったメッセージを市場に送りかねない今回のような行動は好ましくありません。
口では
「急激な為替変動は好ましくない」と言いながら、自らマーケットを混乱させるのはどうなんでしょうか?
「投資は自己責任」ですが、今回の急激な変動でロスカットを喰らい大きな損失を出してしまったFX投資家には「御愁傷様です」としか言いようがありません。
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2022/09/23 04:19:19