
前回、「黒田後」の日銀の金融政策の行方について懸念する記事を上げました。
黒田総裁が主導して行なっている「量的緩和政策」は決して目新しいものではなく、2008年のリーマンショックから米経済を回復させたFRBの手法に遅ればせながら追従しただけの話です。
その量的緩和政策を実行した当時のFRB議長がバーナンキ氏です(冒頭画像)。
そのバーナンキ氏のノーベル経済学賞受賞が決まりました。
ことしのノーベル経済学賞 米FRB元議長のバーナンキ氏ら3人 | NHK | ノーベル賞2022
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221010/k10013854141000.html
リーマンショックという未曾有の事態から速やかに米経済を回復させたバーナンキ氏の実績が評価されてのノーベル賞受賞は
(受賞理由はこれではありませんが)、日本にとっても朗報です。
極めて単純化して表現すれば、
アベノミクス
vs
アンチアベノミクス
の論争は
バーナンキ氏のノーベル賞受賞で
完全に決着がついた
という事になります。
とっくに決着がついていた話なんですけど、黒田総裁の任期切れが近付き、安部元首相が亡くなり、原材料価格高騰等で一部製品価格が上昇する中で「円高デフレ論者」がゾンビのように蘇ってきていただけの話です。
今回のバーナンキ氏のノーベル賞受賞は、そのようなゾンビ達を駆逐するための追い風となりそうです。
黒田総裁が10年間やってきたことや、現在進行形で続けている金融政策が間違っていないことは経済メディアの中の多くの人達も本当はわかっているはずです。
しかしながら、どういうわけかこれをネガティブに報じようという勢力があります。経済に関して無知な国民に誤った話を吹聴し、日本経済を低迷させたままにしておきたい勢力って一体何者なんでしょうか?
前回酷評させていただいた日経新聞ですが、「経済部長」に引き続き「金融部長」までがトンデモ記事を配信しました。
日銀緩和依存、ツケは「弱いニッポン」: 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB213RE0R20C22A9000000/
この筆者だって「バーナンキの背理法」くらいは知っている筈です。ノーベル賞受賞者の発言がすべて正しいなどと言うつもりはありませんが、
ノーベル経済学賞受賞者
が言っている事と
日経新聞が書いてる事の
どちらを信じますか?
その日経新聞だってバーナンキ氏が日本・日銀に対して何を言っていたか?ちゃんと知っています。
バーナンキ氏は中銀が物価上昇率に目標を設定する「インフレターゲット」の提唱者としても知られ、90年代後半にはデフレに苦しむ日銀に採用を求めた。02年には、ノーベル経済学賞受賞者のミルトン・フリードマンの言葉を引き「ヘリコプターからお札をばらまけばよい」と発言し、日本に大胆な金融緩和を説いたこともある。
ノーベル経済学賞に元FRB議長・バーナンキ氏ら3人: 日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD291T80Z20C21A9000000/
これを期に日本の経済報道が「正常化」し、経済・金融政策が正しい方向に進むよう願わずにいられません。
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2022/10/10 20:42:45