
先日Twitterで触れましたが今回はこのレポートから
税収増が止まらない ~2022年度は72兆円程度への上振れを予想~ | 星野 卓也 | 第一生命経済研究所
https://www.dlri.co.jp/report/macro/241265.html
一部引用します
国の一般会計税収が大幅に増加している。足元の月次税収の趨勢を踏まえ、2022年度は72兆円程度への着地を予想。22年度税収は当初予算時点で65.2兆円のところ、昨年11月の補正予算時点で68.4兆円と上方修正がなされたが、ここから更なる上振れ着地が予想される。
税収は当初の見込みが65.2兆円だったのが72兆円へと約10%増収となりそうだということです。
このレポートの根拠となった「租税及び印紙収入、収入額調」は財務省のサイトで公開されています。
租税及び印紙収入、収入額調一覧 : 財務省
https://www.mof.go.jp/tax_policy/reference/taxes_and_stamp_revenues/data.htm
Google検索で「税収」というフレーズで検索しようとすると「税収 7兆円増」などとサジェスト表示されますが、ニュース検索してもこの件を伝えているメディアは今のところないようです。
メディアがまだこの話を知らないのか気付いていないのか、あるいは「報道しない自由」を行使しているのかはわかりません。
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自動車税や固定資産税のような資産(ストック)に対する課税もありますが、所得税や消費税、法人税などの多くの税金はお金が動く時(フロー)に課税されます。
経済が回ってフローが増えれば当然税収は増えます。
名目GDPの上昇率に対し税収がどの程度増えるかを示した数値を「税収弾性値」といいますが、財務省など政府はこれを1.1程度と見込んでいたと言われてます。すなわち名目GDP成長率が1.0%の時の税収増は1.1%程度と見込んでいたということです。
いわゆるリフレ派の人達は税収弾性値は3程度あるとし、税収増を目指すなら税率を上げるのではなく経済成長による自然増収を目指すべきであると主張されていましたが、当然財務省はこのような意見に聞く耳を持っていませんでした。
人口減少社会に入り経済成長が困難な状況で経済成長は見込めない(全くエビデンスのない話です)とか、自分達が主張する税収弾性値を根拠に増税を押し通しました。
2022年度の名目GDP成長率がどの程度だったのかはまだわかりませんが、彼らの主張が正しければ、税収は当初見込みより10%増えたわけですから名目GDPは当初見込みより9%程度増えていなければなりません。
いくらコロナ対策の補助金などの財政政策や黒田日銀の異次元の金融緩和政策があったといっても、昨年度の日本の成長率がそんなにあったとは思えません。
このニュースが広まるとこれまでの政府や財務省の言い分が正しくなく、リフレ派の有識者の主張が正しかった事が明らかになってしまうだけでなく、今後の増税の必要性にも疑問符が付く…というかそもそも増税自体必要ないことがバレてしまう事になります。
一方でインフレ目標を設定し、それが達成されるまで粘り強く金融緩和政策を継続していく事の大切さの証明でもあります。
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統一地方選の前半戦が終わりましたが、これが終わればまた増税の話が出てくる…と思っていたら、既に数多くの観測気球か上がってて閉口します。
岸田首相 少子化対策の財源「社会全体が広く負担する視点重要」(FNNプライムオンライン) - Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/a4cf2c9d8a996e6dd97cda49192855ff5b32df74
岸田政権の財源政策は“筋違い”? 今すぐ「法人税・消費税」増税を議論すべきワケ 連載:野口悠紀雄のデジタルイノベーションの本質|FinTech Journal
https://www.sbbit.jp/article/fj/110723
岸田政権が突き進む増税シナリオ「消費税14%」が必要に - NEWSポストセブン【動画公式】 | Yahoo! JAPAN
https://video.yahoo.co.jp/c/4303/aba59ff7ea51c9455b955b0fb853445320e5148b
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言うまでもなく今増税の必要性は全くありません。これまでの金融緩和政策をもう少し継続しつつ、
岸田政権が余計なことをしなければあと1-2年でデフレ脱却、適切な水準のインフレ率を維持出来る経済状況に持っていけそうな状況です。
物価と雇用が安定した状態を維持できれば、今回ご紹介させていただいたレポートにあるように税収は勝手に増えていきます。
過去数十年に渡るデフレ経済下ですっかりデフレ脳になってしまった日本人にとって思考を転換させなければならない事態ですが、日本経済や国益ににとってそれが望ましい姿であるのは言うまでもありません。
それでも増税を主張される「有識者」や政治家は後を断たないでしょう。しかしこんなのは増税によって新たに生まれる利権にありつける人がポジショントークで喋っているだけの話でしょう。
欧米各国のようにインフレが加熱しすぎたならともかく、今の日本の状況では増税など論外です。
そしてその事に多くの国民が気づき始めた…ように感じる昨今です。
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2023/04/13 19:42:46