
先月エチオピアの青ナイル川流域に巨大な水力発電ダムである大エチオピア・ルネサンス・ダムが完成し、発電を開始しました。
このダムに関しては下流域のスーダンやエジプトがイチャモンをつけているようですが、脱炭素社会を目指すなら水力発電開発は必須です。
内戦で混乱が続くエチオピアですが、これを機にインフラ整備が進み平和が訪れる方向に発展していけるように願いたいものです。
一方、日本には新たに水力発電所を作れそうな地形の所はほとんど残っていないと言われています。
寒の戻りで冷え込んだ3月22日、東北電力と東京電力管内で需給状況が逼迫している旨盛んに報道されました。
先の地震で一部の火力発電所が操業停止となり、電力供給に制約が出ていたところでの寒の戻りで暖房需要が増えると予想された上での節電要請です。
中部電力などから融通してもらったり、電力会社の現場で働いている方々が色々ご苦労なさって大規模停電にならないよう努力されているようですが、それとは別にここぞとばかりに好き勝手な事を言い出す輩がいて閉口してしまいます。
このブログでも繰り返し書いてきたことですが、
将来の日本のエネルギー政策についてのまともな議論が一向に進みません。
本来ならこの夏の参議院選の一大争点とならなければいけない問題です。
今回の騒ぎは議論をサボってきたツケが回ってきただけの話です。
脱原発を主張する人、原発再稼働を主張する人、再生エネルギー推進を主張する人…それぞれが好き勝手に喋っているだけで、まともな議論になっていません。
今回は原発再稼働を主張する人々が過剰に騒いでる感が強いですね。
自分も原発容認派ですが、電力需給が逼迫している状況に乗じて再稼働を言い出すのはどうかと思います。
脱原発し、石炭火力も否定し、ロシアからの天然ガスの輸入も否定したら日本国内のエネルギー需要を賄えないのは自明です。
わかりきっていた話です。
脱炭素を目指すなら原発再稼働は必須でしょう。
再生エネルギーだけで賄えると主張されるなら、具体的に数値で示していただかないといけません。
この天気では太陽光発電はほとんどできません。
風力発電もそうですが、風まかせ・天気まかせです。
再生エネルギーで賄うなら蓄電技術にイノベーションが必要です。具体的な見通しはあるのでしょうか?
そもそも、地球環境を本気で心配するなら今すぐにでも化石燃料消費を極力控えてCO₂排出を可能な限り削減する方向で頑張らなくてはならないのに、今回のような事態に陥ってから節電・省エネを頑張るっていうのは根本的に間違ってます。
それだけ節電できるなら日頃からやってなくてはいけません。環境活動家達はこう主張しなければなりません。
「自分達は既に限界まで節電している」と。
ロシア産原油や天然ガスの禁輸で先物市場がパニクってますが、欧米各国が本気で脱炭素に取組むつもりがあるなら何も慌てる必要はないはずです。
SDGsなどと呼ばれる偽善の化けの皮は既に剥がれてます。
EVやヒートポンプシステムなど、電気エネルギーで代替できる分野は積極的に電化を進め、それに必要な電力は原発で賄いつつ、再生エネルギーや蓄電技術のイノベーションを待つ以外の方法があるのなら是非とも提示していただきたいものです。
電気エネルギーへの依存度を高めておきながら節電を要請されるのであれば、小市民達はたまったもんじゃありません。
今回は東日本大震災みたいな「千年に一度」のレアケースではありません。当たり前に予見できていなくてはならなかった事態です。
Posted at 2022/03/23 06:20:07 | |
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