
これまでにインフレの話題をこのブログでも書いてきました。消費者物価の総合指数で前年同月比+2.6%という現在の日本の状況で「物価高」だと騒ぐ人々に対し苦言を呈させていただきました。
自分は子供の頃に第一次オイルショックにともなう「狂乱物価」を経験してますが、子供でしたので自動販売機のジュースの値段が上がっていくのを見ても「そういうものなんだ…」という認識しかありませんでした。物価の上昇に合わせて小遣いの額も上がっていきましたし…
高度経済成長が一段落したところで誕生した田中角栄首相は新潟県選出の衆議院議員でしたので、太平洋側の大都市を中心とした経済発展に対し
「国土の均衡ある発展」を掲げ、上越新幹線をはじめとする整備新幹線や高速道路、飛行場などのインフラ整備などのために積極的な財政金融政策を実施していました。
そんなところに第四次中東戦争にともなう第一次オイルショックが発生し、石油をはじめとする原材料不足から供給不足をきたし物価の高騰が起こったのが「狂乱物価」です。
その頃のインフレ率は20%を超える水準でした。
7月の英国のインフレ率が10%を超えたという話を前々回の記事に書きましたが、戦争が起これば供給不足によりインフレが発生するのは過去にも世界が経験してきた話です。米国やEUにおいてもインフレ率が8%台を維持するなどしてますが、それでも第一次オイルショックの時に比べればまだまだマシな水準です。
昨年12月に
トルコ経済は何処へ逝く?という記事を上げました。
トルコのエルドアン大統領は元々インフレが亢進していたトルコの経済状況下で、かつこの世界的なインフレのご時世に、あろう事か利下げを実施しました。
当然ですがインフレ率は更に上ブレてしまいましたが、それでもまだ怯まないようです。
先日はこんなニュースが流れました。
トルコ中銀利下げ、市場に衝撃-インフレ率85%に上昇と予想でも - Bloomberg
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-08-18/RGT5IGDWLU6D01
ここまで強い意志で実行されている政策となると清々しいです。果たしてトルコのインフレがどこまで進むのか?遠巻きに見守りたいと思います。
日本では長期デフレからの脱却を目指して第二次安倍内閣で「アベノミクス」と呼ばれた大規模金融緩和政策が始まりました。
消費税増税などの財政引締め政策に足を引っ張られたアベノミクスはまだデフレ脱却への道半ばという感じですが、アベノミクスが始まった頃にこのような金融緩和政策を批判しまくっていた人もいました。
同志社大学の浜矩子氏などが代表的でしたが、好き勝手なことを言って安倍政権を批判していたこのような人々はむしろ世間からは嘲笑の的となってしまっていました。
そのような人々が現在の世界的インフレの状況下でまたゾンビのように蘇ってきました。
1ドル=500円のハイパーインフレ時代到来?住宅ローンは固定金利にして危機に備えよ|ダイヤモンド不動産研究所
https://diamond-fudosan.jp/articles/-/1111680
住宅ローンを変動金利から固定金利に切り替えたり資産の一部をドルなどの外貨建て資産に組み替えたりするのは悪くないと思いますけど、もう余計なことを言わなければ良いのに…としか思いません。
「ハイパーインフレ」の定義自体は曖昧ですが、短期間に1ドル=500円にまで円の価値が下落したら「ハイパーインフレ」認定で良いでしょう。
そこまでインフレが進むとお考えなら預貯金等の円資産は外貨建資産やゴールド、あるいは不動産等の実物資産に切り替えた方が良いでしょう。日本国債なんて間違っても持っていてはいけません。
はたしてこのような記事を書いてる人や配信しているメディアはそのような行動を取っているのでしょうか?
少なくとも市場参加者の大多数はそんなことが起こるとは全く考えていないからこその今のドル円相場であり国債市場の相場です。
ハイパーインフレといえば少し前まではジンバブエ、そして近年ではベネズエラが有名ですね。
英語版のウイキペディアによればベネズエラのインフレ率は
2014年69%
2015年181%
2016年800%
2017年4000%超
2018年約170万%
だったとのことです。
ここまでくるとインフレ率のグラフも片対数グラフにしないとピンときません。ここ数年はインフレを克服したかのようにも見えますが…
最新データでも前年比+137.1%です(^_^)
だいぶ良くなったんですけどね…
元バスの運転手で労組幹部だったマドゥロ大統領がいくら金融や財政、経済に関して無知だったにしても、ここまでおかしなことにはなかなかできないんじゃないかと思いますが…
この混乱によって、せっかく豊富な原油埋蔵量を誇るベネズエラは今の原油高の恩恵を受けられていません。愚かしい話です。
そして
ジンバブエのハイパーインフレに関する英語版ウィキペディアの記事によれば、
2008年11月の
ジンバブエのインフレ率は
前月比796億%
だったそうで…
その前月の記事ですが、こんなの見つけました。
2008年10月31日
まさに天文学的数字、インフレで1ドル=約4兆ジンバブエ・ドルに - GIGAZINE
https://gigazine.net/news/20081031_zimbabwe/(冒頭画像)
何をどうすればこんなことになるのかさっぱりわかりませんが、日本でも同じ事が起こると警鐘を鳴らされている方がいらっしゃいますので…
もう笑うしかありません(゚∀゚)
Posted at 2022/08/22 22:49:23 | |
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