
今回は先週流れたこのニュースから…
南スーダン 国の3分の2が“洪水”…90万人超に影響
https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000272897.html
今年はパキスタンでも同様に洪水被害があったり、一方で中国長江流域や欧州、北米では旱魃があったりと、異常気象が世界各地から伝えられています。
日本では例年に比べて自然災害が比較的少ないようにも思いますが…
この手のニュースになるとすぐに「気候変動がー!」「温暖化がー!」と始まるわけですが、果たして因果関係があるのかどうかを科学的に証明するのは非常に困難な話だと思います。
南スーダンといえば10年程前にエジプトの南、ナイル川上流に位置するスーダンから分離独立した国です。
北部の方はアラブ系民族が主でイスラム教徒が多く、南部はアフリカ系が多く旧宗主国が英国であった影響もあってキリスト教徒が多い地域です。これでは北部と南部ではなかなか仲良くできませんし、南スーダンが分離独立したのは必然だったとしか言いようがありませんが、その国境線周辺に油田が多く発見されている事が話をややこしくしてしまっています。
治安・政治状況が落ち着けば石油資源を元に経済的に発展する可能性を秘めているのでしょうが、昨今の気候変動問題で石油関連の投資が制限されてしまっている事も不幸に拍車をかけています。
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日本の関東平野は、江戸幕府が利根川の治水事業を開始するまでは水害が多く、人々が安心して暮らしていける土地ではありませんでした。
今東京が世界を代表する大都市にまで発展できた裏にはこのような治水事業の成果があった訳です。
地球温暖化・気候変動問題に関連して産業革命以降の文明社会を否定するかのような議論もありますが、このような近現代の土木技術の進化の恩恵により自然災害による被害を軽減できているというのも否定しようがない事実です。
ロシアによるウクライナ侵攻以降エネルギー資源価格の高騰に見舞われていますが、産油国にとってはボーナスステージ、資源を持たない新興国にとっては経済危機という状況です。
本来ならスーダンも南スーダンも発展するチャンスなんですけど、政治・治安状況と脱炭素への世界的ムーブメントでそれを棒に振ってしまっています。
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11月にエジプトのシャルム・エル・シェイクというシナイ半島南端・紅海沿岸の観光都市でCOP27が開催されます。
昨年同様環境活動家達が大騒ぎをするのでしょうが、エネルギー資源の供給不足と原油高・ドル高のダブルパンチで新興国はそれどころではありません。彼らにとってこの問題は「平和ボケ金持ち国家」の寝言でしかありません。
一応経済大国である日本でさえメディアが「大変だー!」って騒いでる訳ですから新興国では死活問題です。人々が貧困に追い込まれれば、暴力によって解決を謀ろうとする者が出てきます。
かねてよりこの気候変動問題を過剰に問題視すると戦争になりかねない旨このブログでも警鐘を鳴らしてきた訳ですが、既に現実の問題となっています。
気候変動問題を話し合うのも結構ですが、その結果として世界経済が混乱すれば世界は破滅への道を歩み始めます。
欧米先進国のインフレが亢進して世界経済に暗雲が立ち込めている今、COP27の参加者にはシャルム・エル・シェイクから然程遠くない南スーダンの現実も視察して、世界が今何をすべきなのかをもう一度冷静に考えていただきたいものです。
Posted at 2022/10/31 01:53:24 | |
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