エアコン効かない対策・ヒーターバルブ取付【取付編】
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
  中級 |
作業時間 |
6時間以内 |
1
前回整備手帳【準備編】に続き【取り付け編】ですがまず注意事項です。
紹介する方法が正しいか不明ですので参考程度とお考えください。最悪の場合オーバーヒートしますので自己責任作業です。また、正確な水温をモニターできるように水温計の取付を推奨します。
では本題です。エンジンルーム奥にあるヒーターコア出入口前にヒーターバルブを取り付けます。
ここは車内につながるグロメットの前でもありますのでワイヤースイッチを取り付けるにはここがベストポジションです。
写真中央に見えるS字のホース2本がヒータバルブを割り込ませるヒーターホースです。
このページを見てるくらいの皆様はご存知でしょうが念の為に①④がエンジン側、②③がヒーター側でLLCは①②③④の順で循環します。
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作業前にラジエーターのドレンコックからLLCを抜こうと思いましたが今回はヒーターコア周辺のLLCだけ抜く事にしました。
下準備でLLCがエンジンや車体にかからないようビニルシートで養生します。車体の下に置いたドレンパンが見えるよう水路状に養生して廃液がドレンパン以外に飛び散らないようにします。
チューブを引き抜いた際LLCが排出されやすいように水下の位置にあるヒーターコア側②③のホースから引き抜きます。
プライヤーでホースクリップを緩めたらホースを左右にグリグリねじりながら引き抜きます。手の大きい人やホースまで手が届きにくい人には難作業です。作業中は手や腕を傷付けないよう長袖作業服と軍手をしましたがすでに滝汗、夏前に作業しといて良かったです。
ホースが抜けてLLCがジョ~ッと出た後しばらくジョロジョロと出続けます。
完全に出なくなったら反対のエンジン側のホース①④を抜きます。
①はチーズ継ぎ手で3本がつながり浮いた状態で動くため引き抜き作業は更に困難です。マイコペンは1年半前エンジンオーバーホールした際にヒーターホースを交換してたので固着していませんでしたが古くて固着してたら切り裂かないと取れないかもしれません。
ヒーターホースとLLCが抜け切ったらウォーターラインにゴミが入らないよう接続口をテープで塞ぎます。
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設置場所が確保できたらホースの取り回しを検証します。
ホースは外径21mm、厚み4mmと太く肉厚で丈夫なため小半径で曲げるとホースが凹んでエア噛みや水流に悪影響が出そうです。狭い空間でエンジンや他の部品に当たならいように緩やかな経路を確保するのは知恵の輪状態でした。
外した純正S字ホースと2mの汎用ホースをあーでもないこーでもないと位置合わせして仮置き、それを修正して仮置き、だいたい確定したら長目にカットして接続、外して微調整して再カット、ようやく1箇所完成したら次のホースを位置合わせして~以下同文・・・。と4箇所完成するまでに軽く3時間近くかかったと思います。
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これが3時間かけて組んだヒーターバルブ&ホースです。
③のヒーターからエンジンに帰るホースは270度大回りさせるため60cmくらいの長さになりました。
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①②は純正をカットして再利用。S字そのままでOKなのですがヒーターバルブの配管直径が純正配管よりも2mm大きいためホースがちょっと膨らみL字の手前も少々狭くなってるのでそのうち潰れないか定期的な点検が必要です。
④は純正S字をカット+SUSエルボ+汎用ホースでつなぎました。
接続箇所が増えるのでSUSエルボは使いたくなかったのですがホース1本で大回りさせる経路が取れなかったのでしょうがなく使いました。保険の意味でエルボを買ってなかったら軽く頓挫していたかも。
③の汎用1mはインテークパイプとバッテリーの間を上から下に270度大回りさせてヒーターコアに繋いでますがエンジンと周囲のケーブル類に触れないようにホース用の断熱材を巻いて保護しました。
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組み上がったヒーターバルブを接続する前にワイヤーケーブルをエンジンルームに引き込みます。
ヒーターコアの上にあるグロメットから車内に引込線を突っ込んで引込線とワイヤーケーブルの先端を結んだらエンジンルームに引き戻してワイヤーを引っ張り出します。
このワイヤーケーブルは硬い針金ワイヤーなので引き込む際にしなやかさは無くグロメットを裂いてしまいそうで取り回しにコツが要りました。
ちなみにグロメットに貫通している他のケーブル2本はブースト計のエアチューブと水温計の信号線で茶色いのは以前塗布した固定用の耐熱コーキングです。
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ワイヤーが通ったらワイヤーの長さを確定させるためスイッチBOXを取り付けます。
コペンにはとても貴重な物入れ空間が減りましたが元々あまり有効活用していなかったので問題なし。
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ここまで終わったらあとは①~④のホースを取り付けます。
ホースを挿し込みやすくするためシリコンスプレーを配管周りに吹き付けます。
4本全て差し込んだらホースの向きを全体的に調整しバルブとワイヤーの位置が合ったのを確認したら最後にホースクリップでホースを固定します。これでヒーターバルブが完全に固定されました。バルブは当然浮いてるのですが結構ガッチリ固定された感じであまり動きません。
次にワイヤースイッチの輪っかをバルブ回転軸のピンに入れて室内ワイヤースイッチを一番押し込んだ時にバルブOFFの位置にガタ無くカッチリ合うところに合わせてワイヤークリップでワイヤーを固定します。
このワイヤー調整が甘いとバルブが100%閉めきれずアツアツのLLCが循環してしまいます。後日試運転の際にバルブを閉めてもアツアツだったので作業失敗かと焦りました。
原因はワイヤークリップを締め込むM4ネジの頭の六角レンチサイズが日本のサイズではなかったようで加えてマイナスドライバー用の切り欠きも浅かったためネジの締め込みが甘くワイヤーがずれてバルブが少し開いてしまったようです。
後日M4ステンネジを買って締め直したらガッチリ固定されました。
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取り付けが終わりホースバンドの締まり具合や繋ぎ間違いがないかなど念入りに確認したら最後にLLCの補充です。
ホースが長くなって270度縦に大回りさせてるラインもあるのでエア抜きはかなり長目に行いました。
LLCの補充量ですがホース距離が長くなったためかドレンパンに排出された量よりも結構多く入りました。
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続いて水温上昇対策の強制ファンスイッチの接続です。
グローブBOX内のECUを引っ張り出して下から二番目のカプラーの角から出てる『緑に白細線』のファン配線にトグルスイッチの配線を割り込ませます。
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忘れないように割り込ませた配線には『強制ファンSW』のタグを付けときました。
以上で作業はすべて終了、残るは試運転です。
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ワイヤースイッチとバルブの位置関係の写真です。
冬場の暖房時はスイッチを引っ張りバルブが開いてLLCがヒータコアを循環します。
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夏場スイッチを押し込みバルブを閉じるとヒーターコアにLLCが流れずダイヤルを暖房にしても熱風は出ません。
強制ファンスイッチをONにすると無事にファンも回りました。
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数日間試運転して今のところ正常に機能していますが気温がまだ暑くないので真夏にならないと効果は確認できません。でも何となく一つ大きな懸念というか嫌な予感があります。
図のようにバルブを閉じても青丸で囲んだ経路は遮断されておらずLLCはコアに流れ込まないとしても液体で繋がっているので長時間走行したら熱伝導してコア内が熱くなると思われます。
またバルブ本体も金属なのでアツアツになってますからそこからも熱伝導すると思います。
いずれ効果は報告しますが、しばらくは助手席にLLC積んで、場合によってはいつでもノーマルに戻せるよう純正ヒーターホース新品2本もトランクに積んでます。
コペンで数少ないヒーターバルブ情報をみんカラにあげてる「パパマル」さんが使ってるバルブがプラ製でコアとも完全に遮断されている様なので違うバルブの再選定も考えてみます。
全てうまく行ったらNA乗りだけでなくコペン乗りの間でも流行らせたいです。
以上、長々とお読み頂き有難うございました。
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