ポルシェ911(964)Eng停止後ブロアファン作動に関する考察
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
中級 |
作業時間 |
12時間以上 |
1
エンジン停止後に写真の赤矢印で指しているブロアファンが雰囲気温度によって作動するというのが正常と知ったのですが、うちのは特にそういった動きがしないのでいろいろと調べてみました。
まず、このブロアファンは強制空冷ファンのところから空気を取り込み、青矢印の方向に送り込みます。その先はエキパイを取り囲むヒートエクスチェンジャーに繋がっていて、サイドシルを経由しキャビン前方へ温風を運び、ヒーターの熱風となります。
Eng停止後に作動するのはEngルームの雰囲気温度が高い時に換気して冷却するためです。実際に、左右を横断する1stマフラーの熱害でナンバー灯配線が硬化してバキバキに割れたりしますし、要換気なのだろうと思います。
◆作動条件について:'89~90はEng停止後15分間、’91~は20分間、ブロアー手前のNTCセンサーで温度監視。
40~75℃で低速、75℃以上で高速、70℃以下になったら低速に切り替え。
※最後(工程9)に情報追記
◆Engルームブロアファンの動作確認方法:キーをひねって、IGN On(Eng始動不要)状態で、エアコン設定温度最高、設定風量1で低速作動、設定風量2以上で高速作動。
◆エアコンコントロールユニットに関して:上下ダクトフラップ開閉に外気内気切り替え、左右ヒーター経路のフラップの5つのサーボモーター制御、オイルクーラーファン制御、室温監視、Fr左右&Engルームブロアファン制御など、多数の制御をやっています。
2
Engルーム左のリレーボックスにブロアファンのリレーが入っています。赤丸のがそうで、高速と低速のスイッチが1つのリレーに入っています。
まず、高速ないしは低速で動かない場合はここが疑われます。
3
ブロアファン手前のダクトに、青丸のNTCセンサー(温度センサー)と赤丸の低速作動時にブロアファンと直列に配線されるレジスターが刺さっています。
温度センサーは90度ひねると簡単に外せます。レジスターは金属クリップではまっているだけなので、引っこ抜くようにすると外せます。
4
と、ここまででまずはきちんと高速、低速でのファン動作はするようなので、エアコンコントロールユニットの故障か温度センサーの問題かとなりましたが、亡父がエアコンコントロールユニットの背面のファン配線をお店がバッテリー上がり防止に切ったと言っていたのを思い出し、スマホをセンターコンソール下にねじ込んで撮影してみると、なにかのカプラーが外れているのを確認。
5
なんとか手を突っ込んで差し込んで確認すると、背面の室内温度センサーに空気を送るファンの電源コネクターでした。
確かにここは壊れやすいところのようで、Eng停止後作動しっぱなしになる場合が多いようです。それで、ここを切断するとEng停止後の温度監視をやめるようで、ある意味先回りして外したようでした。
接続して確認するときちんとEng停止後20分前後で作動を止めたので、まだ壊れていないようです。同時にここを接続してから、Engブロアファンの近くの温度センサーのカプラーを外すと20分前後はブロアファンが高速稼働するということも判りました。(温度センサーを外して良いのかは判りませんが)
また、ブロアファン側温度センサーは0℃で28.8~36.4kΩ、25℃9~11kΩ、50℃3.1~4kΩの抵抗値に対し(室温で比べてそれっぽい抵抗値を示し、温めると抵抗が低下したのでひとまずセンサーは大丈夫と判断)、Eng温間時の停止後すぐに可変抵抗で0.8kΩ以下にするとファンが高速作動を始めたものの、もう少し抵抗値を増やしても低速作動はせず。
実際に温度センサーを装着してヒートガンであぶっても高速作動はするものの低速作動はしませんでした。
謎です。
6
そこで続いて、念のためブロアレジスターを確認。サービスマニュアルの配線図にはわざわざ0.35Ωと抵抗値が書かれているためです。
しかし測定すると0.7Ωくらいあって、異なるようなので交換することにしました。
なお、赤矢印で指しているところのように幅方向に広がる金属クリップで穴にはまって固定されているため、簡単に引っこ抜けます。
また、ブロアファン低速作動時はこのスプリング状にカールした部分が発熱して、手で触ると即火傷するくらい熱くなるので注意が必要です。
7
新品を発注しました。
側面に06/23とあり、23年製なのかと。もしそうであるとすると、なかなかの頻度で注文される部品≒壊れやすい部品なのかもしれません。
肝心の抵抗値は0.15Ωで配線図と異なるのがいったい?という感じですが、使いこんだやつとも違います。どう影響するのか判りません。
8
ちなみに部品番号の末番が02になっていて、2回設計変更されたようです。00は写真の赤矢印にある高温時に配線を切断する温度リミッターがないそうで、不具合による過加熱時に火災につながる危険なものだそう。日本ではリコールで交換されているはずです。
ということで、エアコンコントロールにより高速/低速作動はするので、ブロアファンとリレーはOK、コントロールユニット裏のファンは接続&停止後20分前後の作動OK。温間停止時すぐの温度センサー加熱で高速作動確認まではOK。のち、ブロアレジスターは新品交換。
あとは実際にこれからの暑い時期に作動確認かなぁと思います。
皆さんの964のブロアファン作動状況はいかがなものでしょうか?情報/アドバイスをお待ちしております。
あと作業時間は調査とかいろいろ入れるとの話で、直りきったかどうかも判らない現在進行形のためです。難易度も私にとっては原因不明のためです。
9
※情報追記
ふと車両説明書を読んでいたらリアファンの温度モニターという項がありました。
そこにはEng停止後15分間温度モニター、95℃以上で高速作動・93℃以下になったら停止し、そこから15分モニター継続。その15分に温度を越えなければモニター停止とありました。
1項の情報は海外掲示板等を探して転記したものですが、こちらの方が正確でしょう、きっと。
なんといっても本家の説明書ですから。
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