中和滴定
投稿日 : 2010年05月12日
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中和反応とは酸・塩基の中和反応を利用して,濃度のわからない酸(塩基)の濃度を求める作業を中和滴定といいます。
今回は水酸化ナトリウムを利用して濃度のわからない酢酸の濃度を求めます。
まずは0.1mol/lの水酸化ナトリウム水溶液を作ります。1リットル用のメスフラスコに水酸化ナトリウム4gを入れ、蒸留水を入れて1リットルにします。
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上記で用意した水酸化ナトリウムの厳密な濃度を求めるためにシュウ酸標準溶液を用いて濃度を求めます。
10mlを正確に量ることのできるホールピペットという器具を用いてシュウ酸標準溶液を10ml量りとりコニカルビーカーに入れます。コニカルビーカーは上部が細くなっていて、手で振って混ぜても中の液が外に飛び散ることがありません。
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シュウ酸標準溶液にフェノールフタレイン液を2~3滴垂らします。フェノールフタレイン液は中性付近までは変色しませんが、塩基性になると急激に反応して赤色になります。
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スタンドにビュレットという非常に細長い器具をセットし、その下にシュウ酸標準溶液の入ったコニカルビーカーを置きます。ビュレットの下には栓があり、これを調整することで1滴ずつ液を滴下することができます。
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最初に作った水酸化ナトリウム水溶液をビュレットに入れます。この時の量は時に決まっていないので、半分より少し多めくらいに入れておきます。そしてこの時の目盛を記録しておきます。ちなみに写真では33.86ml入っています。
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これで準備が完了したので水酸化ナトリウム水溶液をシュウ酸標準溶液に滴下していきます。シュウ酸標準溶液にはフェノールフタレイン液が入っているので中和点を越えた時点で赤色になります。
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フェノールフタレイン液の変色域液は狭いため、中和点に近づいてきたら1滴ずつ滴下します。左側くらいなら許容範囲ですが、右側の色は水酸化ナトリウムを滴下しすぎて色が濃くなっています。左側と右側とでは1滴くらいしか滴下量が違いません。このように1滴でも色が全然変わってしまうので慎重に滴下します。
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中和したら滴下をやめ、その時のビュレットの目盛を読みます。そして滴下前の量との差を求め、滴下した水酸化ナトリウム水溶液の量を割り出します。これを数回繰り返します。そしてその滴下量の平均値を求めます。
そして
a×c×V=b×c’×V’ (a:酸の価数、c:酸の濃度、V:酸の体積、b:塩基の価数、c’:塩基の濃度、V’:塩基の体積)
の式を使って水酸化ナトリウム水溶液の濃度を求めます。価数はシュウ酸、水酸化ナトリウムともに1です。
これで水酸化ナトリウムの濃度がわかったところで、今度はシュウ酸標準溶液の換わりに濃度不明の酢酸を使って同じ作業をします。そして同じように数回作業を繰り返し、上記の式に数字を代入して酢酸の濃度を求めます。酢酸も価数は1です。
これで濃度のわからない酸や塩基の水溶液の正確な濃度を求めることができます。
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