光ファイバーの融着

今回は髪の毛よりも細い光ファイバー２本を繋げて１本にするという作業をします。

写真に写っている道具だけでカローラ１台分の値段になるそうです。

まずはホルダーという道具に光ファイバーを挟みます。３㎝ほど先端を出しておきます。

次にホットジャケットストリッパという道具に先ほどのホルダーをセットし、光ファイバーの被膜を剥ぎます。

これは熱で被膜を溶かし、内臓されているカッターで溶けた皮膜を剥ぎ取る仕組みです。

被膜を剥いだらエタノールで先端を拭きます。

この作業をしないと、細かなホコリやチリが付着したままになり、融着した際にそれが残ってしまい、情報信号の伝達にロスが生じてしまいます。

皮膜を剥いたら、そのままでは先端が長いのと、先端の切り口をきれいに整えるために、専用のダイヤモンドカッターでカットします。

精密なカッターのため、この機器だけで１０万円ほどするそうです。

ここまでの作業を２本分おこないます。

先端を剥いだ２本の光ファイバーを、ホルダーごと融着接続機にセットします。

あとはフタを閉じて、ボタンを押せば自動で融着してくれます。

光ファイバーは４本の束になっているのですが、両側計８本の光ファイバーそれぞれに放電をし、熱で光ファイバー同士を繋げるという仕組みです。

これが融着の様子です。融着接続機の内部をカメラで見ることができます。写真では両側の光ファイバーが離れていますが、これが自動で繋がり、放電され、数秒で融着が完了します。

光ファイバーは非常にデリケートで折れやすいため、実際には融着した部分に熱圧縮スリーブを通し保護します。